映画『フラガール』炭鉱娘が町を救った奇跡の実話です!!

昔、和歌山県白浜温泉に「ハマブランカ」という施設がありました。1962年(昭和37年)に新白浜熱帯植物園としてオープンした後、1971年(昭和46年)4月にハマブランカと改称しました。

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延べ33000 m2の広大な敷地には熱帯植物園やサボテン公園があり、簡単なジェットコースターもありました。グランドホールでは一日4回、OSK日本歌劇団によるショーが催されていた。園内にはブーゲンビリアやハイビスカスが咲き、温室ではトマトなどが栽培されて、南国ムード満点の熱帯パラダイスでした。

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最盛期には多くの観光客などで賑わっていたましたが、その後の不況により経営が行き詰まり、1995年(平成7年)の夏以降はショーがなくなって植物園の営業のみとなり、2005年(平成17年)10月に閉園しました。

 

この様なリゾート施設が全国に作られるようになったのがこの映画の舞台となった「スパリゾートハワイアンズ」であり、また多くの施設が閉鎖される中、今なお盛況を続けているのもこの「スパリゾートハワイアンズ」であります。

 

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この施設「スパリゾートハワイアンズ」の成功がブームに火をつけ、前述の施設を含む多くの施設が柳の下のドジョウや物まねで起業したのですが、景気の後退とともに閉鎖の憂き目にあっているにも関わらず本家本元の「スパリゾートハワイアンズ」だけが生き残り反映していることの一環にもなったのが、この映画『フラガール』なのです。

 

その成功の要因は何であったのか、創業の苦労をこの映画は感動とともに私たちに届けてくれました。この映画は、昭和40年、常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)の誕生を支えた裏方の人々と炭住に住む全くの素人の娘がフラガールとしてステージに立つまでを描いた実話です。

2時間の物語には30分ごとに強力なプロットポイントがあり、ダイナミックな起承転結を形作っている脚本が秀逸で、物語は序破急を形成してクライマックスに到達します。

 

さて、本作品の舞台となった「スパリゾートハワイアンズ」は、1955年より始まった常磐炭鉱(後の常磐興産)での整理解雇が1962年10月の原油輸入自由化によってエネルギー革命が加速し、構造的な不況に陥ったことにより、一層深刻な閉山準備の様相を呈してきました。

 

そこで炭鉱労働者やその家族の雇用創出、さらに同社の新たな収入源確保のため、炭鉱以外の新規事業を立ち上げることになり、『日本人が行ってみたい外国ナンバー1』だった「ハワイ」に着目し、炭鉱で厄介物扱いされていた地下から湧き出る豊富な常磐湯本の温泉水を利用して室内を暖め、「夢の島ハワイ」をイメージしたリゾート施設「常磐ハワイアンセンター」の建設を計画しました。

 

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当時は、社内でも先行きを疑問視する声が強く、炭鉱の最前線にいた社員たちの転身にも根強い反対があり、「10年続けば御の字」という悲観的な見方すらあったそうです。

閉山が相次ぐ全国の他の炭鉱同様、この町の人々も、長年町の経済を支えてきた炭鉱業にしがみつく保守的なグループと、湯量豊富ないわき湯本温泉を利用したリゾート施設の建設に賭けようとするグループに分かれていました。

 

後者の人々は、吉本紀夫(岸部一徳)がマネージャーとなって名門の松竹歌劇団(SKD)にいたダンサー(松雪泰子)を東京から呼び寄せ、町の少女たちにフラを教え、施設の目玉にしよう目論みます。

 

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この時代、誰の目にも真新しかったフラ(フラダンスという呼称は正しくないそうです)。ところがその半裸の衣装が、保守的な人々の目にはストリップと混同されてしまうなど、ダンサー候補集めは苦難の連続となりました。しかしながら、みなから白い目で見られながらも、あるいは親に隠れてでも彼女たちは舞踏教室に通うのでした。

炭鉱の仕事につく彼女たちは、その将来性の無さを肌で知っていますが、多くの男たちと違い、不安を振り切って、勇気を出してまったく新しい産業に飛び込んでいきます。その前向きなエネルギー、努力する姿が涙を誘います。

 

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猛特訓の末、炭坑夫の娘たちがプロのフラダンサーになっていくさまは、「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」等と同様の「共同の達成感」があって爽快です。

また、東京の大歌劇団のラインダンサー、いわば落ちこぼれで、都落ちしてきたダンス教師(松雪泰子)が彼女たちに教えることによって「踊りの歓び」を新たに見出すという趣向も、見る側は熱血先生と先生を慕う生徒たちの成長を見守ることができ、それが感動となって、観るものの心を打ちます。

 

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