映画『グラン・トリノ』クリント・イーストウッドが描く見事な死にざまです!!

クリント・イーストウッドが監督、プロデューサーおよび主演の2008年のアメリカ映画です。74歳の時に出演した「ミリオンダラー・ベイビー」(2004年)の時にも「カメラの前に出るのは、これが最後になる」と語っていましたが、本作で再びカメラの前に立ちました。

多くの人が最も好きな映画の一つにこの『グラン・トリノ』をあげています。クリント・イーストウッドって何処まで行くんでしょう?

 

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「映画.Com」のクリント・イーストウッドへのインタビュー記事にこの映画のすべてが語られています。

 

息子カイル・イーストウッドが語る父親クリントで

──父の尊敬する点は?
「仕事に関して誠心誠意働いて、同時にパッションを失わないでいる。それで80歳近くになって自分のベストワークともいえる作品を次々に連発していることは、誰にもマネできないこと。息子である自分にも大いに励みになっています。」

──ひとことで父を表現するとしたら?
「パッショネイト! 情熱を失わない人だ。」

 

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ご本人は

「このウォルト・コワルスキーというキャラクターは、私と同じぐらいの年齢だし、同じような性格だからかな。でも私はあそこまで気難しくはないし、あのキャラクターほど、物事に対して否定的でもないよ(笑)。でもどこかで、自分にも同じような感情がたくさんあることに気づいてもらえると思う。とにかくウォルトは誰とも何のかかわりも持ちたくないし、自分と違うタイプの人間を特に嫌がるんだ。そこがこのキャラクターの面白いところで、彼はものすごく偏見に凝り固まった人間なんだが、さまざまな人との関係を通して、そこから抜け出していくんだよ」

 

「ウォルトは、自分の街から文化が消えていった様子にとても心をかき乱されている。大事な家族を失い、成長した子供たちとは仲が良くない。そして、近所の変化も気に入らないんだ。彼はミシガン・デトロイト近郊で育った。おそらく彼と同じように、自動車産業に従事する人がたくさんいたはずだ。また、彼のようなポーランドアメリカ人の比率がかなり高い。だから、慣れ親しんだ街が(アジア系移民によって)様変わりしていく様子を見ると、彼は気が滅入っていくわけだ」

 

「脚本のニック・シェンクが、以前働いていた工場にモン族の人たちが大勢いたんだ。そこで彼はモン族の人たちと知り合いになり、移民である彼らを映画で採り上げるのはいい方法だと思ったわけだ。だからほかの民族文化を描いても良かったのかもしれない。だが、私はモン族の人たちがとても好きで、彼らをとても尊敬している。それに、彼らがこのプロジェクトに見せた熱意に対しても深い敬意を抱いているんだ。だって、『いや、映画なんかにかかわりたくない』とあっさり断ることもできたんだからね。でも自分たち民族を映画で描きたいと思うほど興味を持たれたことを彼らはうれしく思ったんじゃないかな。」

 

「映画の中で、ウォルトのセリフに、『俺は、甘やかされた、性根の腐った我が子よりも、この人たちともっと共通点がある』というのがある。結局はそういうことだ。大きな点をひとつあげると、彼の子供たちは離れたところで好きなことをやっており、孫たちはじいさんが死ねば何を相続できるかということにしか関心がない。そこに尽きるね」

 

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そして、ヤノビッチ神父(クリストファー・カーリー)にウォルトの葬儀の場でこう言わせます。

「以前、ウォルト・コワルスキーにいわれました。私は生と死をわかっていないと、それは私が頭でっかちのいい年をした童貞男で、迷信深いばあさんたちの手を握っては永遠を約束しているからだと、ウォルトは思ったままを正直に言ったのでしょう、でもその通りです。私はウォルトに会うまで生と死についてなにも知りませんでした。彼に教えられました。」

 

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感情に惑わされず、身の回りを整理して、練りに練った作戦で、タオの未来の為に、自らの命を引き換えにしたコワルスキー。遺書には、愛車グラン・トリノをタオに譲る、と記されていました。

 

タオ・ロー(ビー・ヴァン)は、コワルスキーの思い出と愛犬ディジーと共に、海岸線を走り去って行きます。バックには、イーストウッド自身が唄うグラン・トリノへの思いが流れています。

 

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自然に涙がこみ上げてきました。気が付けば2時間が知らぬ間に経っていました。

 

 

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