「ブラックペアン」の初回視聴率が出たところで、この春のドラマが一応出そろいました。結局、深夜枠を追加して全20作となりました。
目次
- 花のち晴れ~花男 Next Season~
- 未解決の女 警視庁文書捜査官
- モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―
- デイジー・ラック
- 家政夫のミタゾノ
- おっさんずラブ
- 宮本から君へ
- やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる
- ブラックペアン



花のち晴れ~花男 Next Season~
TBS、4月17日、火曜日、午後10時、初回視聴率:7.4%
TBSで放送されたドラマ「花より男子」シリーズ(2005・2007年)のスピンオフという形であり、舞台や英徳学園の女子生徒の制服は前作に同じもので、道明寺司(松本潤)率いる「F4」が卒業して10年後の英徳学園を舞台に、新世代のキャラクターが繰り広げる、痛快青春ラブコメディー、という触れ込みです。
前作に比べると惨憺たる視聴率になってしまいましたが、主演の杉咲花や、杉咲の婚約者の馳天馬を演じる中川大志もちゃんとしているし、神楽木晴の平野紫耀も頑張っているので、脇の若いキャストもこなれてくるとともに盛り上がってくるように期待しましょう。現状のアイドル度が松潤にかなわない分視聴率が及ばなかったのでしょう。
未解決の女 警視庁文書捜査官
テレビ朝日、4月19日、木曜日、午後9時、初回視聴率:14.7%
体力・柔術に自信ありの熱血刑事(波瑠)と文字フェチの頭脳派刑事(鈴木京香)が繰り広げる警察ミステリーです。
テレビ朝日であった「おみやさん」っぽい設定ながら1999年にTBSの「ケイゾク」っぽいシリアスな話をコミカルな味付けでとなっていました。
ちなみに、ケイゾクとは、警察用語で現在も鋭意継続捜査中であるという事にしておいて、で書庫に埋没した時効になりかねない事件のことを言うそうです。
このようなおいしい設定と、遠藤憲一、沢村一樹、などの一癖ありそうなキャスティングはこれからの展開に期待をもたせられます。
モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―
フジテレビ、4月19日、木曜日、午後10時、初回視聴率:5.1%
アレクサンドル・デュマの名作「モンテ・クリスト伯」(巌窟王)が原作で、現代の日本を舞台にして描かれます。
ディーン・フジオカが演じる漁師の柴門暖が、冤罪(えんざい)で15年間投獄され、最愛の婚約者と未来の家族を奪われながらも何とかはい上がっり、復讐の鬼となって自らを陥れた人間たちに緻密なわなを仕掛けて制裁を下していくいう復讐劇です。
ディーン・フジオカの漁師は綺麗過ぎましたが、南条幸男の大倉忠義はともかく、神楽清の新井浩文、入間公平の高橋克典などが安定した演技でうさん臭さを醸し出していました。古い原作をうまく現代に嵌めてきた様に思います。
デイジー・ラック
NHK、4月20日、金曜日、午後10時、初回視聴率:4.2%
30歳を目前にしてそれぞれ人生の転機を迎えた幼なじみ4人の女の友情を、山城楓(佐々木希)を中心として展開します。近頃には珍しい普通の日常にありそうなお話です。
楓は職と恋人を失い、パン職人として人生の再出発を始めるのですが、思うようにゆかず、悲しくてしゃがみこみますが、アップのところで一筋の涙が欲しかったのです。
2006年の「ギャルコンJAPAN」の初代グランプリ以来順調に活動してきた佐々木希ですが、30歳となった今、可愛いだけでなくそろそろ本格的な女優さんに成長して貰いたいのですが。
家政夫のミタゾノ
テレビ朝日、4月20日、金曜日、午後11時15分、初回視聴率:7.2%
前作でばかげたドラマとシリーズ録画しなくて途中で残念な思いをしたのですが、今回第2シーズンとなって期待に見合ったスタートでした。
奇異な設定の家政婦ものですが、松岡昌宏の女装も見慣れてくると男性であることを忘れさせてくれます。ばかげた設定でばかげたストーリーを恥じらいもなく白っとやってのけるから面白いのでしょう。
おっさんずラブ
テレビ朝日、4月21日、土曜日、午後11時5分、初回視聴率:2.9%
おっさん同士の三角関係しかもホモセクシュアルの純愛というテーマなののですが、ちょっとは名の通った役者が3人大真面目に演じています。気色悪くって、あほらしくって見てられませんでした。
宮本から君へ
テレビ東京、4月23日、月曜日、午前1時20分、初回視聴率:2.9%
新米営業マン宮本浩(池松壮亮)がほろ苦い日々の中で起きてくるエピソードを通して成長していく姿を描くヒューマンストーリードラマです。
少し前の旬の俳優ですが、池松壮亮と柄本時生はさすがの好演を見せていましたが、気になったのは柄本時生の関西弁です。
この物語で関西弁がどうしても必要なのか、柄本時生に関西弁を喋らすのがどうしても必要なのかが理解できません。ネイティブ関西人としては、中途半端な関西弁は聞くに堪えないものですから、それだけで萎えてしまいます。
それはともかく、数々の名画面がある原作をこれからどのようにこなしてゆくか楽しみです
やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる
NHK、4月21日、土曜日、午後10時15分、初回視聴率:6.2%
いじめ、体罰、モンスターペアレント、教師のブラック労働といった、教育現場の様々な問題に、スクールロイヤーと呼ばれる学校弁護士の田口章太郎(神木隆之介)と、ベテラン教務主任の三浦雄二(田辺誠一)が、対立する立場で問題に立ち向かう学園ヒューマンドラマです。
もう演技力に定評のある神木隆之介と、へたうま漫画だけでなくもっと評価されていい田辺誠一とのガチンコの絡みがみどころです。
ブラックペアン
TBS、4月22日、日曜日、午後9時、初回視聴率:13.7%
「チーム・バチスタの栄光」の海堂尊原作の医療小説のドラマ化です。
TBS系「日曜劇場」今度は、ご存知嵐の二宮和也、もう大御所の内野聖陽、今旬の竹内涼真、がテッパンの医療ドラマを繰り広げます。
医療ドラマとしては、あまりなかったダーティーな面を大きくとりあげています。多分「ブラックジャック」以来のアウトサイダー医療ドラマでしょう。
ちょっと気になるのは、渡海征司郎の二宮和也の演技力には脱帽するもののビジュアルがいかにも不良医師に似つかわしくなく、佐伯清剛の内野聖陽も腹黒く陰険なボス医師のイメージではありません。研修医の世良雅志の竹内涼真がひとり頑張っていたようにもみえました。
印象に残ったのは、手術が無事終わって二宮が竹内の胸をポンと叩いて血の手形を付けたシーンです。これは二宮のアドリブだったそうで、自分の奴隷としての焼印を押したかのようで、こんなのが出るとは、二宮の役者としての非凡さの表れなのでしょう。