買戻しコミックスシリーズも第3弾となりましたが、「ガッデム」はも一度見たい漫画としてもっとも優先順位の高いものの一つです。





目次
概要
新谷かおるの「ガッデム」は1988年から1990年まで「ビッグコミックスペリオール」で連載された作品でラリーを題材にしています。
新谷作品の中で決して目立つ存在ではありませんが、これは本格レース漫画の隠れた名作といえるでしょう。ラリーを題材とした非常に珍しい漫画で、レースばかりでなく、ラリーチームを運営する企業同士の抗争が同時進行で描かれています。
息も切らせぬダイナミックな画面展開とドラマティックなストーリーの中に、車、自動車業界、経済、企業戦略等に関する造詣の深さが遺憾なく発揮されており、見事な仕上がりとなっています。
登場人物
高い技術がありながら無謀な運転ばかりする主人公・轟源のキャラクターと適度に茶々を入れながらしっかりサポートするロヴ・ロウとの掛け合いも面白いし、ライバルであり、のちに同僚となるシンとディックとのやりとり、仇敵トヨタチームのハンスや飛田の存在、スポンサーの六甲寺司と華麗なる女性たち、と登場人物も多彩で魅力的です。
さらに、ワークスチームとなった三沢自動車のチーフメカニックの間大陸、本田宗一郎みたいな三沢会長、チーム監督となった三沢沙也子はドライに企業戦略を進めようとするが、やはり三沢自動車を愛してやみません。
ゲンと冒頭で公道バトルをする事となるコティがすごく可愛いのに、その後あまり活躍の場がなくなってしまうのは残念でしたが、その他の魅力的な女性もそれなりの結末をみせ、チームヘルパーの森沢知佳なんぞはチェリー・ボーイのロヴとめでたくベッドインしていました。
ところどころにコミカルなところや色っぽいところもあり、5巻完結ではもったいないような材料が物語の中に散りばめられています。
ラリー・シーン
ラリー・カーのかっこよさは、車好きでなくとも惚れ惚れするほどで、ゲンの参戦したレースを順にみていくと。
モンテカルロ・ラリー(モナコ)
最初に登場した、モンテカルロ・ラリーはディーラーチームのドライバーの急病によりスポット契約での参加でありましたが、結果はナビゲーターのミスで20mの崖を落ちてリタイアしてしまいます。
その野性的な走りが聖王グループの六甲寺司の目につき過酷なテストの後、新生聖王チームのレギュラー・ドライバーとして契約することになりました。
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サファリ・ラリー(ケニヤ)
聖王チームとして、シン、ディックのコンビとサファリ・ラリーに出場。
シンの車のクラッシュに身をていして脱出を助け部品を提供して大きなハンディを負うも、ゴール直前の熾烈な6位争いを制して入賞します。
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オリンパス・ラリー(アメリカ、シアトル)
サファリで結果を出すも聖王チームは解散してしまいますが、ひょんな縁で三沢自動車のワークスチームと契約、オリンパス・ラリーに出場します。
三沢の企業戦略とオリンパスのコースステージの事情からほぼ市販ベースの車で戦うことになりましたが、コースの状況と三沢の1300ccAT車のマッチングが功を奏して名だたる300馬力のモンスターを制して総合2位となりました。
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スウェディッシュ・ラリー(スウェーデン)
三沢の工場火災などの諸事情も絡んで、極寒のスウェディッシュ・ラリーにシン・ディック組も加って出場することになりました。
過酷な状況と不運な事故が三沢チームを襲いリタイアの危機をシン・ディック組の車から部品取りして再生しクラス6優勝、総合8位を勝ちとりました。
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まとめ
手に汗握るドライバーたちの駆け引き、予期せぬトラブル、さらに企業の陰謀まで渦巻くレースシーンは、スピード感抜群の画面も相まって出色の出来といえるでしょう。
判官びいき、柔よく剛を制す、など日本人の大好きなシュチエーションを巧みに取り入れまさに血沸き肉躍る、面白い展開になっています。
最後に受け売りの受け売りですが、ラリー・ドライバーが言ったとかの言葉を紹介しておきます。
「私たちがF1を走ったら、なんとか最後尾をついて行けるだろう。しかし、F1ドライバーがラリーを走ったら、私たちについてくることなど出来ないだろう。」
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