映画『S.W.A.T.』精鋭部隊が「逃がしてくれたヤツには1億ドル払う」に踊らされます!!

この映画『S.W.A.T.S.W.A.T.)』は、2003年公開のアメリカのアクション映画です。1970年代に同国で製作されたテレビドラマシリーズ『特別狙撃隊S.W.A.T.』のリブート版です。

監督は、クラーク・ジョンソンで、『交渉人』のサミュエル・L・ジャクソン、『トータル・リコール』のコリン・ファレル、『ワイルド・スピード』のミシェル・ロドリゲス、『ハート・ロッカー』のジェレミー・レナー、等々の一癖も二癖もある俳優が出そろっています。

いまでは警察特殊部隊の代名詞になっている“S.W.A.T.”発祥の地、ロス市警が舞台になっています。

目次

 

 

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1.「S.W.A.T.」部隊の来歴

第二次世界大戦後、アメリカ経済は飛躍的に発展した一方、その裏で貧富の差の拡大や宗教的権威・社会道徳秩序の崩壊などが進んだ結果、1950年代末頃より社会秩序の混乱が顕在化しました。これに伴い、1960年頃までは日本と大差ない程度で安定していた犯罪発生率も、この頃から急激に上昇し始めました。

またこの時期には、ワッツ暴動(1965年)やデトロイト暴動(1967年)といった集団暴力事犯、テキサスタワー乱射事件(1966年)やグレンビル乱射事件(1968年)といった大量殺人事犯、ケネディ大統領暗殺事件(1963年)やキング牧師暗殺事件(1968年)といった要人暗殺などの凶悪犯罪が相次ぎ、警備警察の重要問題となってきました。

 

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こうした状況に対して、1967年、ロサンゼルス市警察(LAPD)はダリル・ゲイツ警視の指揮下にSWAT部隊を編成しました。この部隊は軍務経験者によって構成されており、通常の警察官では対応困難な重大犯罪への対処を任務としていました。

当初の名称はSpecial Weapons Attack Team(特殊武装攻撃班)でしたが、その後でより穏便な現名称 Special Weapons And Tactics(特殊武装・戦術)に改められました。SWATの導入策は成功を収めたことから、全米の警察組織で同種部隊の創設が相次ぎ、1960年代のうちに14隊、1970年代には121隊、1980年代にも120隊、そして1990年代にも85隊が設置された[6]。2008年の時点で全米に少なくとも1,183隊が設置されていて、野犬捕獲局より規模の大きい法執行機関はどこもSWATに類する部隊を擁している、と揶揄されています。

 

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2.ストーリー

1)強盗事件発生

ロサンゼルスで武装した犯人による人質を捕った銀行強盗が発生し、S.W.A.T.が出動します。ロサンゼルス警察は交渉人を使い電話での交渉を始めようとしました。建物は封鎖されS.W.A.T隊員は配置につき待機していましたが、S.W.A.T隊員のブライアン・ギャンブル巡査(ジェレミー・レナー)は同僚のジム・ストリート巡査(コリン・ファレル)の制止も聞かず待機命令を無視します。


2)命令違反

ギャンブルは独断で犯人のいる建物へと侵入し、射撃許可もおりていないのに勝手に犯人に向け発砲します。その結果、人質の女性を誤射し負傷させるという失態をおかします。結果的にギャンブルについて行ったストリートが銃で犯人を制圧しましたが、命令違反と人質の負傷した責任を2人は取らされることになります。

 

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3)処分

S.W.A.Tの責任者のトーマス・フーラー警部(ラリー・ポインデクスター)は厳しく責任を追求しました。直属の上司のグレッグ・ベラスケス警部補(レグ・E・キャシー)はフーラーに頼み、なんとか2人は警察に残れることになりまが、銃器の調整や武器庫の管理の担当部署への異動という寛大な処分だったにもかかわらず、ギャンブルは不満に思い依願退職をし、ストリートは受け入れて警察に残ることになりました。


4)決別

ストリートは、ギャンブルの命令違反や独断を指摘し諭しますがギャンブルは反発します。今までギャンブルのことをかばいながら、相棒として5年組んできた仲でしたが、溝ができ2人の友情も終わりを迎えるのでした。


5)新設部隊

ストリートはS.W.A.Tから外されても、腐ることなく仕事を続けていました。半年が経った頃、元S.W.A.T隊員のホンドー”ダニエル・ハレルソン巡査部長(サミュエル・L・ジャクソン)が戻って来ます。半年前の銀行強盗での人質発砲によりS.W.A.Tへの批判が続いており、署長がホンドーを呼び寄せたのでした。ホンドーを隊長にし、ロサンゼルスのS.W.A.Tに新しい部隊を作ることになったのです。


6)編成

ホンドーは自ら視察のための運転手にストリートを指名し、新メンバーにS.W.A.T隊員のT・J・マッケイブ巡査(ジョシュ・チャールズ)、マイケル・ボクサー巡査(ブライアン・ヴァン・ホルト)、腕利きの警官“ディーク”ディーコン・ケイ巡査 (LL・クール・J)とクリス・サンチェス巡査(ミシェル・ロドリゲス)を選びます。ホンドーは視察後、あと1人だと言いストリートにS.W.A.Tが天職だろうと誘います。ホンドーはストリートを高く評価していたのでした。

 

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7)難関

処分を受けS.W.A.Tを離れたストリートが復帰し、過去にS.W.A.Tの試験を二度も合格し評価が高いにも関わらず、フーラーが落としてきた女性警察官のサンチェスがメンバーに選ばれました。フーラーはこのことに不満な様子ですが、ホンドーは自分が率いるチームのメンバーは自分で決めると言い切ります。


8)発足

ストリートは初め今までの経緯から気が進まない様子でしたが、最後の1人にストリートが選ばれ5人でトレーニングを開始することになりました。5人は、ホンドーにより、厳しい訓練を受けました。ホンドーは、フーラーと対立してS.W.A.Tから離れていた経緯もありましたが、職をかけて説得し、S.W.A.Tの新部隊として認められました。

 

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9)初出動

そして選ばれたメンバー5人は、1人も脱落することなく訓練を終えて、初任務の立てこもり事件も、ストリートが開発した新兵器で見事に制圧し評価を得たのでした。

 

 

 

10)カウンターヒーロー登場

麻薬組織のボスの息子アレックス・モンテル(オリヴィエ・マルティネス)は、体調の悪い父親に変わって、自分がトップになろうとします。麻薬組織のトップになるため、躊躇せず祖父を殺してしまいました。

 

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アレックスは祖父の殺害後に祖父の車を運転しますが、テールランプが切れていたのをパトロール中の白バイ警察官に指摘され、止められてしまいました。


11)国際指名手配犯

車のナンバーを確認されて祖父に逮捕状が出ていた為、拘束されることになりました。偶然にも、国際指名手配されている麻薬王アレックスを逮捕する事になったロサンゼルス警察は慌ただしくなります。ロサンゼルス警察がアレックス護送中に、アレックスの仲間達が助けに入り逃走されてしまいます。しかしS.W.A.Tが見事アレックスを再び捕まえることに成功、拘束しました。


12)報奨金

再び連行されるその時、アレックスは集まったマスコミのカメラに向かい「俺を逃がしてくれた奴に1億ドルやるぞ!」と叫びます。アレックスのこの発言は世界中に発信され、ギャングなど大勢から逃走の手助けをしようと狙われることになりました。世界中から狙われることとなった護送は、簡単ではなくなってしまうのでした。


13)襲撃

困難が予想された、アレックスの移送にはホンドー率いるS.W.A.Tチームが選ばれました。アレックスの移送中、大口径ライフルで警察のヘリは撃墜され、警護のパトカーは次々と襲撃される事態となり街はパニックに陥りましたが、襲撃された車両はおとりで、これはホンドーの作戦でした。アレックスは別の道をS.W.A.Tの警護により移送されていたのでした。

 

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14)裏切り

アレックスを連れて順調に道を進めていたストリート達でしたが、チームのTJが仲間達に銃を向けます。アレックスはS.W.A.T隊員のTJに、自分を逃がしてくれたら6600万ドルを支払うと持ちかけ、TJは話に乗ってしまったのでした。

TJの裏切りにストリート達は驚きますが、更にS.W.A.Tを辞めたギャンブルが、警察への報復やお金欲しさに襲撃しボクサーを撃ってしまいます。

裏切ったTJも、ギャンブルの暴走にさすがに怒り動揺しますが後戻りはできません。ギャンブルはTJを仲間につけ、アレックスを連れ出し地下鉄で逃走しました。


15)追跡

ストリートはホンドーに事態を報告し合流します。アレックスの行方を追いS.W.A.Tと警察は、次の駅で待機しますが電車は到着しません。

 

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ストリートとホンドーが線路沿いに探しに行くと、電車は停車しており雨水坑へ逃げたとわかります。雨水抗の追跡でもギャンブルの仕掛けたトラップを辛くもかわし追い続けました。アレックスを連れて空へ逃げると予測し空港へと警察、S.W.A.Tの全隊員が急ぎます。

しかし、ホンドーは空港とは違う方向に向かう怪しい飛行機を見つけます。ホンドーは空港はおとりでとこかに着陸するはずと考え、ストリートブリッジへ着陸すると予想し急行します。


16)場外着陸

飛行機はホンドーの予想通り、ストリートブリッジへと着陸します。ギャンブルは老夫婦が乗る飛行機のパイロットに仲間を忍ばせており、密かにハイジャックしていました。封鎖されて車のいない橋を滑走路にし、アレックスを連れてギャンブル達は飛行機に乗り込み離陸しようとします。

ストリート達の予想が当たりましたが、橋に到着した時には離陸直前で飛び立とうとしていました。


17)離陸阻止

ストリート達は、車を走らせ飛行機へと車ごと体当たりし離陸を阻止します。TJは自分の犯したことを後悔するように、ホンドーが見ている目の前で、拳銃自殺をし呆気ない結末を迎えました。

 

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ギャンブルは逃走を図りますが、ストリートが後を追い橋の下の線路へと場所を移り闘います。ストリートとギャンブルは、動き出す貨物列車を間に挟み死闘が続きましたが、ストリートが負傷しながらも勝ちました。


18)終焉

麻薬王アレックスの1億円がかかった逃走劇は、なんとか終わりを迎え、ストリート達、S.W.A.Tチームはアレックスを護送して、無事任務を遂行することができました。

苦しく難しい任務を無事終えたばかりのS.W.A.Tチームでしたが、また事件の一報が入りチームは意気揚々と、次の任務へと向かっうのでした。

 

 

3.みどころ

ハリウッドのアクション映画でS.W.A.T.に焦点を当てたものはおそらく初めてとあって、前半はこの組織についての説明的シーンが続きます。本物にこだわった装備品や身のこなしが見られます。手首を掴んで銃を撃つような、誤った動きは一切ありません。これならガンマニアも納得して見れるでしょう。

この映画は、派手なアクション映画を期待して行く人も大丈夫で、映画的なウソは最小限に、というリアル志向です。特に、SWATという組織については、その傾向が強いのですが、もちろん、現実のSWATにはいない女性隊員がいるなど、娯楽的な要素も無視していません。


4.残念ながら

ただ、映画『S.W.A.T.』の魅力はここまで。そこから先は、組織は描けど人物が描けない、の典型的末路をたどってしまいます。

ちょっと俳優に詳しい人が本作のキャスト一覧を見たら、「さぞ個性的なキャラクターたちが絡み合うドラマが生まれるだろう」と期待しますが、本作では各スターの個性を生かせていない上に、主役以外の見せ場がほとんどないので、脇役の俳優、たとえばミシェル・ロドリゲスに期待したような人は、ガッカリしてしまいます。

 

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4.まとめ

本作は、警察&ガンマニアなど、ディテールにこだわる方たちと、あまりストーリーの齟齬など気にしない、お気楽な気持ちで映画を楽しめる性格の方に喜ばれる作品でしょう。