映画『サイコ』異常心理スリラーの元祖的名作です!!

この映画『サイコ(Psycho)』は、1960年に製作されたアメリカ合衆国の映画で、全編モノクローム映像のアルフレッド・ヒッチコック監督によるサイコ・スリラー系のサスペンス映画です。
作家ロバート・ブロックがエド・ゲインの犯罪にヒントを得て執筆した小説『サイコ』が原作で、脚本はジョセフ・ステファノ、音楽はバーナード・ハーマンヒッチコック監督の前作『北北西に進路を取れ』に引き続き、タイトルデザインをソール・バスが担当しました。

目次

 

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1.概要

映画の前半では、マリオンの犯した横領をめぐる心理的葛藤を描くクライム・サスペンスの様相を呈し、「クルマを購入する際の不自然な挙動」や「それを不審に思う警官」など、不安定な心理状態と緊迫感が丁寧に演出されます。
ところが、彼女は何の前ぶれもなく刺殺されます。モノクロでも凄惨なシャワー・シーンの映像と音楽は、後に多くの他の映画作品において模倣やパロディーが繰り返されました。
細かなカットについて、タイトル・シーケンスも手がけたソール・バスは、「自分が絵コンテを描いた」と主張しています。

後半では、マリオンの妹と探偵らによるマリオン探しが主眼になり、謎とサスペンスは次第にベイツ・モーテルへと集中していきます。
探偵殺害シーンでは、カメラが人物の背後からはるか頭上へ1カットで急速に移動するなど、多くの映像テクニックが駆使され、殺人者の謎を隠しながら違和感のない演出となっています。
最後にマザーコンプレックスのノーマンがかばう母親の正体が明らかになり、物語は「この世にいないはずの人物によるモノローグ」という大胆かつ実験的な終結を迎えます。

 


2.あらすじ

1)密会

アリゾナ州、フェニックス。不動産屋に勤めるマリオン(ジャネット・リー)は、昼休みに恋人のサム(ジョン・ギャビィン)と密会を重ねてました。こんな関係をずっと続けたくないとサムに言うが、サムは結婚に踏み切れないでいたのです。

 

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2)4万ドルの現金

不動産屋に戻ると、4万ドルの契約をしたいと老紳士がやってきて、現金で支払いました。社長は、マリオンに週末にこんな大金を店に置けないから、銀行に預けてきて欲しいと指示しました。マリオンは、頭痛のため銀行に行って早退すると伝えて会社を出ますが、4万ドルの金を持ったまま車で持ち逃げしてしまいます。

 

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3)逃避行

恋人の住む町を目指して、車で逃避行を続けるマリオンですが、その途中で、パtpカーの警官に呼び止められて、執拗な職務質問を受け、疑惑の目を向けられてしまいます。マリオンは、中古車店に寄り、即決で車を決め、現金で支払いました。マリオンの不安と動揺が呼応するようにどしゃぶりの雨の中を車で走っていきました。

 

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4)ベイツ・モーテル

夜遅くなっても激しい雨が降っていました。雨のせいで、裏道に入ってしまったマリオンは、「ベイツ・モーテル」という看板を見つけ、そのモーテルに泊まることにしました。モーテルの主人・ノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)は病気の母との2人暮らし、ベイツ・モーテルを見下ろすような丘にお化け屋敷のような家が建っており、そこに暮らしていました。

 

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5)喧騒

宿泊者はマリオンだけで、ノーマンから寂しいので、一緒に夕食を食べないかと誘われたマリオンは、しぶしぶ応じますが、ノーマンと病気の母親の激しい言い争いを聞いてしまいます。


6)殺害・遺棄

マリオンは、夕食後、疲れたので早く眠りたいと部屋に戻ります。シャワーを浴びようとしますが、シャワーカーテンにゆれる人の影が映り、襲われて絶命してしまいます。数分後、ノーマンが部屋に戻ってきて、シャワーカーテンに包んだマリオンの死体とトランク、コート、そして新聞紙にくるんだ4万ドルをマリオンの車に積み、車もろとも沼地に沈めてしまいました。

 

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7)捜索

マリオンの妹・ライラ(ヴィラ・マイルズ)が私立探偵アーボガスト(マーティン・バルサム)と共に、姉マリオンを探しにサムの店にやってきました。サムにマリオンが会社の金を持ち逃げした事を話しますが、サムの店にはマリオンはいませんでした。
私立探偵が付近一帯のモーテルを調べ、マリオンの足取りを追いました。ようやく、マリオンが「ベイツ・モーテル」に泊まった証拠の宿帳を見つけ、モーテルの主人ノーマンに詳しく聞き出そうとしますが、翌朝モーテルを出ていったとしか話してもらえませんでした。
ライラに電話連絡をし、「ノーマンの病気の母に聞いてみる、1時間程で戻るから」と伝えた後、私立探偵はノーマンの家に向かいました。

 

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8)第2の殺害

ノーマンの母親に会おうとしましたが、何者かに殺されてしまいました。1時間以上経っても戻らない、私立探偵をサムとライラは心配しました。サムがノーマンの家を訪れますが、ノーマンにも私立探偵にも会えませんでした。
サムとライラは、町の保安官に姉マリオンの失踪と私立探偵の失踪を相談しましたが、保安官夫婦から、ノーマンの母が数年前に死んでいるということを聞かされました。

 

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9)発覚

次の日、二人は夫婦を装ってベイツ・モーテルを訪れました。姉の泊まったモーテルの1室から、マリオンが書いたであろう計算紙を発見。シャワーカーテンがないという不自然さにも気づきました。
ノーマンの家を調べると、地下室で白骨化したミイラが見つかりました。ライラは女装したノーマンに襲われ、殺される寸前でサムによって助かり、ようやくノーマンが姉マリオンを殺した犯人だと判明しました。

 

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10)解明

精神科医によると、ノーマンの精神には2つの人格(ノーマンと母親)があり、女装して殺したのは母親の人格らく、逮捕されたノーマンは、母親のせいで殺したと証言しますが、彼の中の母親は私のせいじゃないと不敵な笑みを浮かべていました。やがて、沼地からマリオンの車が引き上げられ、この事件が明るみになってきます。

 

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3.製作エピソード

1)契約

ヒッチコックパラマウント社のためにもう1本撮る契約が残っていました。同社が小説 「サイコ」 に難色を示したため、ヒッチコックは監督としての基本報酬を無にする代わりに、興行収益の60%を受け取る契約を交わし、TV番組 「ヒッチコック劇場」 の為に設立していたShamley Productions で映画を製作し、パラマウント社の作品として配給されました。


2)買占め

ヒッチコックは、原作の映画化権をわずか9,000ドルで匿名で買い取りました。また事前に内容が知られるのを防ぐため、スタッフは市場に出回っていた原作を可能な限り買い占めました。もっともロバート・ブロックの原作は既に広く読まれていて、当時すでに日本語訳も出ていましたが。


3)矮小セット

ベイツ・モーテルは、アンソニー・パーキンスが大きく見えるよう、原寸より少し小さめに作ってありました。


4)モノクロならでは

シャワー・シーンで流れたのは、赤くないチョコレートソースでした。


5)拡大

寝室のジャネット・リーを覗くアンソニー・パーキンスの目の大写しでは、眼の検診で使用する医学用ライトが用いられた。


6)階段落ち

殺された人間が頭から階段を転がり落ちるカットでは、カメラを30メートルの高さに45度の角度で据え、転がり落ちる人間を追いかけたものです。空中30メートルの高さからのトラック撮影は当時は新記録でした。


7)劇伴

作曲家バーナード・ハーマンの提案により、当初は予定になかったBGM (The Murder ) が入れられ、その抜群の効果に大満足したヒッチコックはハーマンに2倍の報酬を支払いました。


8)鳥のエサ?

ノーマン・ベイツ。彼がパクついているの はキャンデーコーンというお菓子で、アメリカではハロウィンの定番のお菓子となっているそうです。


9)おさだまり

ヒッチコックは、マリオンが事務所に出勤した際、事務所の外でウェスタンハットをかぶっている通行人としてカメオ出演しています。

 

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4.まとめ

現代のサスペンスやホラーを見慣れていると話の先は見えるし、音も少し大げさに感じますが、それは逆に、この映画が影響を与えたものを観てるからでしょう。
時代を考えると脚本も音も斬新だったのは想像に難くないばかりか、映像の構図や見せ方は現代であっても色あせないものです。