映画『ビバリーヒルズ・コップ』1980年代のメガヒット作にしてアクション映画のお手本です?!


この映画『ビバリーヒルズ・コップBeverly Hills Cop)』は、1984年のアメリカ合衆国のアクション映画です。

主演のエディ・マーフィにとって本作は、初主演作となりました。『48時間』(1982年)や『大逆転』(1983年)の興行成績での成功を収め、満を持しての初主演になりました。
そして初主演ながら、他の新人ハリウッドスターとは一線を画す契約をしています。個人名でクレジットこそされていませんが、エディ・マーフィは「エディ・マーフィ・プロダクション」名義で、アソシエイトプロデューサーの役割も担っていたのです。
初主演でそこまで作品に口を出せるハリウッドスターはほとんどいません。エディ・マーフィの意識の高さが、この作品をより優れたものにさせたとも言えるでしょう。

目次

 

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1.ストーリー

1)アクセル、ビバリーヒルズへ

腕はいいのですが、問題ばかり起こし、上司のトッド警部からも見放されたような状態のデトロイト市警察本部の敏腕刑事アクセル・フォーリー(エディ・マーフィ)は、ビバリーヒルズからやってきた幼馴染の“マイキー”マイケル・タンディーノ(ジェームズ・ルッソ)と再会しますが、その夜にマイキーが殺害されてしまいます。マイキーの仇討ちを決意したアクセルは、犯人を追って単独でビバリーヒルズに乗り込み、昔馴染みの“ジェニー”ジーネッテ・サマーズ(リサ・アイルバッハー)に接触しました。


2)潜入

アクセルは、マイキーがジェニーの紹介で画商ヴィクター・メイトランド(スティーヴン・バーコフ)に雇われていたことを聞き出し、メイトランドに会いに行きましたが一蹴され、彼の通報で駆け付けたビバリーヒルズ警察に逮捕されてしまいました。連行されたアクセルはアンドリュー・ボゴミル警部補(ロニー・コックス)から勝手な行動を起こさないように釘を刺されて釈放されますが、尾行の“ビリー”ウィリアム・ローズウッド刑事(ジャッジ・ラインホルド)とジョン・タガート巡査部長(ジョン・アシュトン)を振り切りメイトランドの倉庫に潜入しました。

 

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3)立ち回り

倉庫から戻ったアクセルは、尾行役のビリーとタガートを連れてストリップ・バーに向かいメイトランドが犯罪行為を行っていることを伝えますが、そこに怪しい二人組の男が現れました。アクセルは一方の男に近付き、銃を手にした男を取り押さえました。二人組の強盗犯を逮捕したアクセルはボゴミルに事情を聞かれ、「ビリーとタガートが強盗を逮捕した」と嘘を伝えますが、規則を重視するタガートは正直にアクセルが逮捕したことを報告するのでした。ボゴミルはビリーとタガートを尾行から外し、アクセルに再度警告しました。


4)警告無視

翌日、アクセルは新しい尾行役を振り切り再びメイトランドの前に現れ、マイキーの仇を討つと宣言しました。ビバリーヒルズ警察本部に戻ったアクセルは、ボゴミルたちにメイトランドが麻薬(コカイン)の密輸入を行っていることを伝え捜査協力を求めますが、「令状を取るには証拠が足りない」として断られてしまい、騒ぎを聞きつけたハバード警察本部長(スティーブン・エリオット)から公務執行妨害を不問に付す引き換えとしてデトロイトに帰るように命令されてしまいました。アクセルは監視役のビリーを説得して仲間に引き入れ、ジェニーを含めた三人でメイトランドの倉庫に向かいました。

 

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5)銃撃戦

倉庫に到着したアクセルはジェニーと共に倉庫に潜入して証拠品の麻薬を発見しますが、メイトランドの部下に捕まってしまいます。ジェニーはメイトランドに連れ去られ、残されたアクセルはリンチを受けますが、そこにビリーが現れ助け出されました。二人はタガートに応援を要請してメイトランドの屋敷に向かい、合流したタガートと共に屋敷に突入して、メイトランドの部下たちと銃撃戦になりました。通報を受けたボゴミルはパトロール中の警官にメイトランド邸に急行するように命令し、自身もメイトランド邸に向かいました。


6)みごとな決着

アクセルはビリーとタガートがメイトランドの部下たちを引き付けている隙に屋内に入り、マイキーを殺した男を見付け出し射殺しますが、ジェニーを人質にするメイトランドに隙を突かれ撃たれてしまいました。メイトランドはアクセルにとどめを刺そうとしますが、アクセルと、駆け付けたボゴミルによって射殺されました。

 

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証拠品の麻薬を押収し、生き残ったメイトランドの部下たちを逮捕したアクセルたちの前にハバードが現れて説明を求め、ボゴミルは「アクセルと麻薬密輸の合同捜査を行い、ビリーとタガートが事件を解決しました。事態が事態なので絶対部外秘で捜査した」と説明し、事実かどうかを聞かれたタガートもボゴミルの説明に同調したため、ハバードは彼らの説明を受け入れました。事件を解決しマイキーの仇を討ったアクセルは、ビリーとタガートに見送られてビバリーヒルズを後にするのでした。

 


2.舞台は真逆な都市

舞台は、ロサンゼルスの高級住宅街ビバリーヒルズです。その後、『ビバリーヒルズ高校白書』(1990~2000年)というテレビシリーズにもなった、財を成し、成功者たちが集まる有名な街です。
しかし、主人公のアクセルはデトロイト出身です。デトロイト自動車産業で有名で、全盛期の1950年代には人口統計で全米4位になったほどでしたが、70年代のオイルショック以降は不振が続き、2013年には市が破産申請するほどになってしまいました。元々、ブルーカラーと呼ばれる労働者たちの街として知られています。

そんなデトロイト出身のアクセルは犯罪への臭覚が優れていますが、一方でビバリーヒルズ署の刑事はどちらかというと鈍く、脳内お花畑なキャラクターたちばかりです。しかしながら、ビバリーヒルズ署の人々が徐々にアクセルに感化されカッコ良く成長し、みんなで協力して事件を解決していきました。


3.トレビア

1)主演の変更

企画当初、シルベスター・スタローンが主演する予定でしたが、スタローンの要請で、脚本のノンコメディ化、名前をコブラに変更などされたが、予算の都合でエディ・マーフィと交代することになりました。その脚本をさらに書き換えたものがスタローン主演の『コブラ』でした。

 

2)不安な試写

マスコミ試写では笑いが全く起きず反応が今一つであったため、それを見たエディ・マーフィは落胆したが、後の一般試写では大反響で、映画も大ヒットとなりました。


3)監督の出演

アクセルがホテルをチェックアウトするときのホテルマンはマーティン・ブレスト監督である。


4)本物警察官

トッド警部を演じたヒルは実際にデトロイト警察の本部長を務めた元警察官でした。

 

 

4.エディ・マーフィ略歴

幼いころに父親が亡くなり、シングルマザーとなった母親も病気で亡くなったため、8歳のときの1年間、兄弟とともに里親のもとで暮らしました。

16歳のときからコメディアンとして活動を開始します。19歳で人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』にレギュラー出演するようになり、さまざまなスケッチで人気を博しました。

1982年、『48時間』で銀幕デビュー。『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズなどのコメディ映画に次々と出演し、得意のマシンガントークで一世を風靡しました。舞台では有名人をこけにするブラックジョークも披露し、1984年にはグラミー賞の最優秀コメディ・アルバム賞を受賞しました。

1990年代の一時期は役柄に行き詰まり、人気が低迷したものの、特殊メイクを駆使した『ナッティ・プロフェッサー』シリーズや『ドクター・ドリトル』シリーズで人気を回復しました。

声優を務めた『シュレック』も好評を呼び、「ドル箱スター」のひとりとしてカムバックを果たした。映画の中で特殊メイクを駆使し、女性や老人、白人といった役柄をこなすことでも有名であり、外見を模倣するだけではなく、それぞれの人種や年齢の特徴を捉えた演技を披露することでも高い評価を受けています。

2007年、『ドリームガールズ』のジミー役で第79回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされるとともに、第64回ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞しました。マーフィは興行収入1億ドル以上の作品に10作以上出演していますが、アカデミー賞にノミネートされるのも、ゴールデングローブ賞を受賞するのもこれが初めてのことでした。

ビバリーヒルズ・コップ』シリーズで演じたアクセル・フォーリー刑事は2010年、エンパイア誌の「100人の偉大な映画キャラクター」で55位にランクインしました。

2012年、『フォーブス』の「最もギャラをもらいすぎた俳優ランキング」で第1位を獲得しました。

2016年、ハリウッド映画賞功労賞を受賞しました。

2020年、第25回放送映画批評家協会賞で、「映画業界の歴史上、最も商業的に成功を収めたアフリカ系アメリカ人であり、業界で最も興行成績を上げる5本の指に入る人物、として生涯功労賞を受賞しました。

 

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5.まとめ

本作でも、『フラッシュダンス』同様に「アクセル・F」や「ヒート・イズ・オン」などの曲を巧みに映画に融合させ、ヒットに導きました。

さらに、冒頭5分から大型トラックが迫力たっぷりのカーチェイスを繰り広げ、乗用車を次々となぎ倒していきます。

アクションシーンと音楽で冒頭からテンションをマックスにし終盤までその勢いで突き進む手法は、今のアクション映画の主流となっています。後年の『バッドボーイズ』(1995年)も同じ流れになっています。