映画『007 ゴールドフィンガー』コネリー・ボンドシリーズの最高傑作です!!

『007 ゴールドフィンガー(Goldfinger)』は、イアン・フレミングが執筆したスパイ小説の第7作目を原作として1964年に公開されたイギリス・アメリカのスパイアクション映画で、『007シリーズ』第3作目となります。

目次

 

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1.コネリーボンド賛歌

多くの人がシリーズ最高傑作は『ロシアより愛をこめて』だと言います。これに異論はありませんが、この『ゴールドフィンガー』も大傑作なのです。

どこが、と問われれば、映像としての『007』の完成形だからです。前2作が非凡な作品であることに変わりはなく、とくに第2作は続編はつまらないというジンクスを破りました。

ゴールドフィンガー』は、前2作の大ヒットを受けて制作されたため、ヒット作としての下地が出来た状態で創られた安定した作品で、その意味では、何もないところから創造した『ドクター・ノオ』こそが「映画007」の傑作と呼ぶにふさわしいのかもしれません。

しかし『007/ゴールドフィンガー』こそが映像としての『007』を確立し、これに続く『007』はすべてこの作品のバリエーションと言えるのかも知れません。。

前作に続き、当時としては最新の楽器だったエレキギターによるジェームズ・ボンドのテーマ、印象的なオープニングとパンチの効いた主題歌、ケン・アダムによる近未来的セットデザインの優雅さ、要所に挿入されるユニークな効果音、秘密兵器、ボンドカー、カーチェイス、生々しい格闘シーン、お色気、等々。王道アクション映画の基本スタイルが、ほとんどここにあるではありませんか。

初期の『007』は、約2年で1~3作目までを一気に製作しています。初めはB級映画として創られた低予算映画が半世紀以上も続くシリーズになろうとは、 制作者が一番驚いているのかも知れません。

 


2.ストーリー

1)プロローグ

メキシコで革命家ラミレスの工場を爆破した英国秘密情報部(MI6)のジェームズ・ボンドショーン・コネリー)は、襲ってきたラミレスの手下をバスタブで感電させて返り討ちにしました。
その後ボンドはマイアミへ飛び、CIAのフェリックス・ライター(セク・リンダー)と今回のミッションの打ち合わせをすべく再開しました。

そこのホテルで富豪のオーリック・ゴールドフィンガー(ゲルト・フレーベ)が行っていたカードゲーム(ジン・ラミー)のイカサマを見つけて妨害し、イカサマの手伝いをしていたジル・マスターソン(シャーリー・イートン)と親密になりました。

 

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しかしながら、ボンドはゴールドフィンガーの部下オッドジョブ(ハロルド坂田)に襲われ気絶し、その間にジルは裏切りの報いで全身に金粉を塗られて窒息死していました。


2)ゴールドフィンガー接触

ボンドはMから、ゴールドフィンガーの金の密輸に関して調査するよう命令され、彼の経営するゴルフ場で旧ナチス時代のドイツの金塊で、トプリッツ湖より回収した、その量実に5000ポンドにものぼる1940年エッセン製のものを餌にして近づき、賭けゴルフを行います。

 

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ボンドはラフに入ったゴールドフィンガーのボールを足で踏みつけて隠すと、オッドジョブが偽ボールを用意してイカサマをしたので、ボールをすり替えてルール違反で負けさせました。


3)ゴールドフィンガーの尾行

ボンドは、ゴールドフィンガーロールス・ロイスにホーマー(発信器)をつけ、彼が乗った英国の航空会社400便を追いました。スイス国内をボンドカーで尾行中、フルカ峠で女性がゴールドフィンガーを狙った弾が当たりそうになり、ボンドは彼女の車を追跡して、特殊装備でタイヤをパンクさせる。彼女はティリー・ソームズと偽名を名乗ったが、実はジルの妹ティリー・マスターソン(タニア・マレット)で、ゴールドフィンガーを仇と狙っていたのでした。


4)オーリック社工場に潜入

その夜、ボンドはオーリック社の工場に潜入し、ゴールドフィンガー中華人民共和国工作員のリン(バート・クウォーク)との話を盗み聞き、ロールス・ロイスのボディを18金製に替えて密輸したことを知ったうえに、「グランド・スラム計画」なる言葉を聞きました。
一方、ティリーはゴールドフィンガーを再度狙撃しようとし、ボンドはそれを阻止しますが、2人は一味に発見され、ティリーはオッドジョブに殺されてしまいました。

 

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捕まったボンドは、一時は監視のスキを突いて逃げたものの結局再び捕まってしまいレーザー光線で殺されそうになりますが、「グランド・スラム計画」を知っているとはったりを言って一命を取り留めました。


5)グランド・スラム計画

ボンドは女性パイロットのプッシー・ガロア(オナー・ブラックマン)が操縦する飛行機で、アメリカのケンタッキー州に連行されました。途中、洗面所でマイ・リー乗務員の監視をすり抜け、ホーマーを装着しました。プッシー・ガロア空中サーカスがある飛行場に到着後、オーリック牧場の地下に監禁されますが、牢獄を抜け出し、「グランド・スラム計画」の概要を盗み聞きしました。

 

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「グランド・スラム計画」とは、アメリ連邦政府が大量の金塊を保管している「合衆国金塊貯蔵庫」があるケンタッキーのフォート・ノックス陸軍基地上空で、プッシー達の空中サーカスがミスター・ミッドナイトより手に入れたガスを散布します。プッシーらはこのガスを「吸い込むと24時間失神するが15分間で消滅する神経ガス」と説明されており、その報酬でバハマ移住を計画しているが、その正体は人間を即死させるデルタ9(殺人ガス)でした。


6)グランド・スラム計画の真相

その後にゴールドフィンガー一味がフォート・ノックスに入りますが、本当の目的は金塊を盗むのではなく、核物質をまき散らす一種の「汚い爆弾」を中で爆発させることでした。金塊は放射性物質で汚染されて58年間は搬出不可能となり、西側諸国の金価格は暴騰し、ゴールドフィンガー保有している金の価格も急上昇して、彼に協力する中華人民共和国も世界的経済混乱から何らかの利益を得る、というものでした。


7)グランド・スラム計画の阻止

ボンドは、馬小屋でプッシー・ガロアと親密になって彼女を味方につけ、CIAに連絡させる一方、散布するガスを詰め替えさせました。グランド・スラム計画当日、空中サーカスの散布したガスでフォート・ノックスを警備する将兵たちは倒れ、ゴールドフィンガーらは金塊貯蔵庫に入り核物質をまき散らす爆弾を設置しますが、死んだふりをしていた兵士らが起き上って貯蔵庫を攻撃、一味の計画は失敗しました。

 

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ゴールドフィンガー工作員のリンを殺し、ボンド、オッドジョブ、キッシュを貯蔵庫に閉じこめたまま逃走しました。キッシュは爆弾の時限装置を停止させようとしますが、オッドジョブに1階から地下3階(12m)に落とされて死にました。ボンドはオッドジョブと格闘して感電死させ、辛くも起爆7秒前に時限爆弾を停止させました。


8)ゴールドフィンガーの逆襲

ボンドはアメリカ大統領に招待されて迎えの飛行機に乗りました。しかしながら同機の乗務員は身を隠していたゴールドフィンガーとその手下にすり替わっていました、機内での戦いとなりましたが、客席の窓が銃撃で割れ、ゴールドフィンガーは空中に吸い出されました。ボンドとプッシーは、墜落する飛行機から、辛くもパラシュートで脱出し助かるのでした。

 

 

3.トレビア

1)皮膚呼吸

ジルは金粉を体中に塗られ、死体となって発見され、皮膚呼吸が出来なくなって死んだ様になってますが、当然ながら人間は肺呼吸であるため、実際に死ぬことはありません。同様の話は都市伝説でも見られますが、本作の影響として紹介される事例もあるみたいです。しかし、当時の撮影陣は本当に窒息すると思っており、不測の事態に備えて医師を立ち会わせていました。


2)ボンドガール

ボンドガールのプッシー・ガロアは、頼れる姐さんというイメージで、露出度に頼らずクールにアクションを決め、飛行機の操縦が出きます。

 

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名前だけがちょっと残念ではあるのですが、ガロア役のオナー・ブラックマンはインタビューでこのことを聞かれると、きまって「ただのジョークなのに。ヘンな意味に捉える方がよっぽどいやらしいわ」と返答していました。しかしやはり、この名前は相当インパクトがあったようで、「名前を口にするとき、これほどひるんでしまうものはない」とも答えています。


3)ボディガード役

敵役としては、ゴールドフィンガーボディガード的存在のオッド・ジョブが不気味な存在感。奇抜な武器を使うのもポイントですが、あのにっこり笑って攻撃するあたりが、「何を考えているのか分からない」怖さがあります。演じているハロルド坂田は、1948年、ロンドンオリンピックの重量挙げにライトヘビー級のアメリカ代表で出場し、銀メダルを獲得しています。

 

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4)ボンドカー

初のボンドカーとしてアストンマーチンDB5が登場します。最新作『スカイフォール』ではビンテージモデル扱いされていましたが、この作品では現役最新鋭として大活躍します。以下にのような特殊装備が施されています。

 

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①防弾ガラス(フロント、サイド、リア)。
②回転式可変ナンバープレート。各国に正式登録してある。4711・EA・62(フランス)⇔BMT216A(イギリス)⇔LU・6789(スイス)。
③発信機ホーマー(後述)の受信機。ダッシュボードに格納。有効距離150マイル(約240km)。ディスプレイに地図(その中心が自分の車の位置)が表示され、発信元の位置が光点として点滅する。劇中ではライター(CIA)の車両にも搭載されており、Q(もしくはイギリス)の開発品とは限らない。
④シフトレバーの隠しボタンのスイッチを押すと助手席の天井があき、射出する。
⑤ヘッドライトの裏に機関銃を装備している。
⑥追撃車撃退用に、煙幕や油を噴出する。

 

DB5は撮影用2台、宣伝用2台が使用されました。このDB5は、ラジオアナウンサーのジェリー・リーが1969年に1万2千ドルで購入し所有していましたが、2010年10月27日にロンドンで競売にかけられることになりました。

なおDB5は後年の一部作品においても登場していますが、特に『スカイフォール』以降に登場した個体は「BMT216A」のナンバープレート、助手席の射出機構、防弾ガラス、機関銃といった本作に準拠した装備が搭載されています。


5)主題歌

シャーリー・バッシーの歌う同タイトル曲は世界的な大ヒットとなり、一躍、シャーリー・バッシーの名を世界的に知らしめました。イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、最高位21位だったが、アメリカの「ビルボード」誌では、最高位第5位を記録しています。
また、ジョン・バリー・オーケストラによる同主題曲も、「ビルボード」誌でチャート入りを果たし、最高位72位を記録しています。さらに、同サウンドトラック・アルバムは、007シリーズ史上、唯一の全米第1位を獲得しました。

 

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4.まとめ

本作『ゴールドフィンガー』は、プロットも練られていて、見せ場も盛りだくさん、ただテンポは、現代からみると少し物足りなくもありますが。前作『ロシアより愛をこめて』を上回る傑作といえます。ということは、実質的にはシリーズ最高傑作ということでしょう。