映画『ピースメーカー』ニューヨークを救えるかこの美男美女?!


この映画『ピースメーカー(The Peacemaker)』は、1997年製作のアメリカ映画で、監督はこの後『ディープ・インパクト』を撮った、ミミ・レダー、主演はジョージ・クルーニーニコール・キッドマンの共演によるサスペンス・アクション映画です。

また、スティーヴン・スピルバーグ監督らが設立した映画会社ドリームワークスの第1回作品です。

目次

 

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1.ストーリー

1)プロローグ

戦略兵器削減条約(START)に基づきロシアから解体される予定の核弾頭10発が盗み出され、そのうちの1発が爆発しました。核爆発を確認したアメリカは、ケリー博士(ニコール・キッドマン)ら専門家を招集しました。
統合参謀本部第2部ロシア担当情報参謀のデヴォー中佐(ジョージ・クルーニー)はウィーンで輸送に使ったトラックの足取りを手を尽くして掴みます。目的地はコンピュータに記載された謎の記号「44E」が浮かび上がってきました。

 

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2)残りの核弾頭

その頃、ボスニアでは外交官のデューサン(マーセル・ユーレス)が国連に派遣されることが決定されました。一方、監視衛星でトラックを捉えたデヴォーは核弾頭8発の回収に成功します。残りの1発はデューサンの手に渡り、外交官の荷物として無審査でニューヨークに持ち込まれました。

 

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3)核弾頭はニューヨークへ

犯行後に公表されるはずのIFOR宛てのビデオを観たケリーは、デューサンの言葉や背景から記号「44E」が緯度44度線上のサラエボではなく国連ビルのある東44丁目(マンハッタン)のことであると断定し、大統領から与えられた権限により、ニューヨークを厳戒態勢に指定します。
大都市ニューヨークを舞台に「核爆弾を背負ったバックパッカーを探す」と呼ばれる大捕り物を行うことになりました。

 

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4)核爆発は?!

放射線探知機を便りにその行方を追うデヴォーとケリーは、ついにデューサンを発見します。ユーゴ紛争で故郷を破壊した「ピースメーカー」(国連)への怒りと悲しみに満ちた復讐を誓うデューサンでしたが、逮捕寸前に自殺されてしまいます。

核爆弾の時限式起爆装置は作動されており、間一髪で爆縮機能の一部を解除し、小規模の爆発だけで、核兵器としての機能は発揮できないようになり、最悪の事態を回避することができました。


2.みどころ

1)ノンストップ・アクション

核兵器を利用したテロを扱った作品は、結構たくさんありましたが、緩急かき混ぜたテンポよさといい、その中でも意外と上位に食い込みそうな本作です。


2)硬派なサスペンス

男の軍人と女の博士が協力してテロを阻止するのですが、この二人がいちゃついたりしないのは好感が持てて、ジョージ・クルーニーニコール・キッドマンだから、そういう展開になってもおかしくなさそうなんですが。二人のアイドル映画にならずに硬派なサスペンスになっています。もっともエンドは怪しくなりますが。

 

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3)死の重み

かなり多くの人が死にまくる本作。冒頭から1,500人も亡くなったりする一方、死を軽く扱っていないのも好もしく、矛盾してるようですが、デューサンの動機やケリーの振る舞いなどに、死の重みを感じさせる描写がちゃんとあり、不快な感じはしてきません。

 

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4)人物表現

主役二人のかったるい背景ドラマ等を描かずに、むしろテロリストの人物像の方に重きを置いていて、核兵器テロという手垢のついた物語がしっかり引き締まっています。主役二人も俺様的ヒーローではなく、テロ対策チームの一員としてきびきびと行動していて、プロフェッショナルな印象で好感が持てます。


5)丁寧なアクション

冒頭の核兵器強奪を初めとしてアクションもたっぷりあり、国家間の緊迫した状況を踏まえたサスペンスの醸成も見事で、ロシア国境を侵入する時の現場と司令部のドキドキ感はよく伝わってきます。終盤の手に汗握る一大鬼ごっこも、大掛かりなロケ撮影は見応えたっぷりでした。

 

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6)女性の目

一つ一つの場面をチェックしてゆけば、女性監督の視点は明らかでで、残酷なシーンをアップには決してせず、大量殺戮の場面も、周辺の描写で想像させるにとどめています。
女性ならではと思うのは、ニコール・キッドマンはこれまでのどの作品よりしゃきっと美しく、ジョージ・クルーニーは押しは強くてもギラギラしていないところです。

 

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3.まとめ

本作を観て、ハリウッドの商業映画界にも女性が必要であることを感じました。莫大な製作費をつかい、大スターを起用し、追いつ追われつの派手なアクション、乱射される銃器、度重なるカーチェースが画面を占めています。
しかしながら、映画の基本となるものは人命の尊重であって、女性の監督であったからこそ、すべてはそこから始まり、そこで終われたように思います。