映画『大いなる西部』文字どうり広大な西部が舞台の名作ウエスタンです!!

この映画『大いなる西部(The Big Country)』は、1958年のアメリカ合衆国の西部劇映画で、ドナルド・ハミルトンの小説『The Big Country』を原作としています。

監督はウィリアム・ワイラー、主演はグレゴリー・ペックで、 バール・アイヴスがアカデミー助演男優賞ゴールデングローブ賞 助演男優賞を受賞しています。

目次

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1.概略

グレゴリー・ペックが製作も兼ね、西部開拓地の婚約者の元にやってきた東部出身の海の男を演じています。
長年対立しあう2つの家の家長の個人的な因縁と、水場をめぐる争いをめぐって、”大きな場所”でもっと大きな男っぷりを見せようとします。
荒馬に乗りこなしてヒーローになるとか、衆目の場で殴り合いをするとか、早打ちであるとか、一般的な西部劇の見せ場を禁じ手にし、自制的な真の勇気とは何かを品格ある演出で語ります。
ヘネシー一家のオヤジ(バール・アイヴス)が冒頭の憎まれ役から徐々に見せ場を作り、みごとな西部の男を演じます。
要所要所で遠景、長めの無言芝居ショット。女性キャラはその場の重要性ではなく、初登場の撮り方で最後を暗示。好いた惚れたも簡単に口にはしません。
結構長く、派手なドンパチもあまりありませんが、さすがの名優たちの演技に引き込まれます。


2.ストーリー

1)プロローグ

果てしなく広がる西部の原野を駆ける駅馬車に乗り、東部の船会社の御曹司ジェームズ・マッケイ(グレゴリー・ペック)が、地元の有力者で牧場主のヘンリー・テリル少佐(チャールズ・ビックフォード)の娘パトリシア”パット”(キャロル・ベイカー)と結婚するため、その地を訪れました。

テリルの牧場の牧童頭スティーヴ・リーチ(チャールトン・ヘストン)は、マッケイを迎えに来きましたが、パットに思いを寄せるリーチは、育ちの良い優男のマッケイを、軽蔑の眼差しで見ていました。


2)予期せぬ出会い

パットに再会したマッケイは、彼女の親友で教師ジュリー・マラゴン(ジーン・シモンズ )を紹介され、その後、二人はテリルの農場に向かうのですが、その途中、二人は、テリルと敵対するルーファス・ヘネシー(バール・アイヴス)の息子、バック(チャック・コナーズ)らの嫌がらせに遭いましたが、マッケイは、バックらの仕打ちに耐え、勝気なパットとは違い冷静に対処しました。

 

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町に戻ったバックは、惹かれているジュリーの家に向かい、父ヘネシーが、彼女の所有する水源地”ビッグ・マディ”を手に入れようとしている話をして言い寄ります。テリルもその土地を狙っているため、バックはジュリーに釘を刺して、その場を立ち去るのでした。


3)そぐわない西部の掟

牧場に着いたマッケイは、東部とは全く違う西部の大地に思いを馳せ、敷地内を見回ったマッケイは、素っ気無い使用人の中で、メキシコ人のラモン・グィテレス(アルフォンソ・ベドヤ)に親しみを感じました。

マッケイに敵意を見せるリーチは、乗馬が得意でない彼に、わざと荒馬をあてがおうとしますが、その場はそれを遠慮しました。

マッケイは、その後テリルから、バックのしたことで、ヘネシーに遠慮はいらないと言われました。

 

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好戦的なテリルとは対照的に、マッケイは、自分に敵意を見せる者達と争おうとはしません。

その考えを良しとしないテリルは、マッケイとパットへの嫌がらせの報復として、ヘネシー家を襲撃しようとします。

それを、個人的な仕返しだと非難するマッケイの態度を見たパットは、彼の考えを理解することができませんでした。


4)火が付いたいがみ合い

ヘネシーの牧場に着いたテリルとリーチらは、主人が留守だと知り、その場を荒らして引き上げました。

その後、テリルらが町に現れたことを知ったバックは身を隠し、マッケイを襲ったヘネシーの使用人達は、リンチにかけられ制裁を加えられました。

その夜、テリルの屋敷では、ジュリーなども招待され、ジムの歓迎パーティーが催され、パットは、西部に肌が合いそうもないマッケイが、東部に戻るのではないかと心配しますが、テリルは、彼を西部の男にしてみせることを約束して娘を安心させるのでした。

そこにヘネシーが現れ、自分の牧場を荒らして襲ったテリルを非難し、逆に脅しをかけて去っていきました。

一方、翌日家に戻ったバックは、父ヘネシーにマッケイらにした行為を戒められ、バックは、ジュリーとの仲が順調だと偽り、ヘネシーを満足させるのでした。


5)紛争の元へ

同じ頃、テリルの行動に賛同できないマッケイは、ラモンの制止も聞かずに、争いの元になっている”ビッグ・マディ”を視察するためテリルの館を出ました。

それを知ったテリルやリーチは、行き先も分からず、土地に詳しくないマッケイの身を案じ捜索を始めるのでした。

しかし、マッケイはコンパスを頼りに、迷わず”ビッグ・マディ”にたどり着き、その場に来ていたジュリーは、人影を見て銃を手に警戒するが、それがマッケイだと分かり驚いてしまいました。

 

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ジュリーと土地を見て回ったマッケイは、水場に向かい、土地をどちらかに売れば、血みどろの闘いが始まると考え、安易に結論は出せずにいることを、思慮深い彼女から聞かされるのでした。

そこでマッケイは、和平を保つため、両家に水を使わせるという条件で、ジュリーから”ビッグ・マディ”を買い取ることで彼女と合意しました。


6)広野の殴り合い

その頃、テリルらはマッケイを見つけられず、パットは、屋敷で彼の身を案じていました。そんな時マッケイは、野営していたリーチらの元に現れて牧場に戻りました。

パットはマッケイの帰りを喜びますが、迷いもせず、目的を達してきたという、彼の言葉を信じないリーチが喧嘩を売りました。

マッケイは、その挑発に乗らずに冷静に対応しますが、テリルやパットは、彼の態度を弱腰とみて失望するのでした。

翌日、町に移ることをパットに伝えたマッケイは、リーチと素手で対決することになりました。

大海原での危険な航海を、船長として切り抜けてきた経験を持つジムは、リーチとの互角の殴り合いで、真の男の勇気を証明してみせました。

 

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マッケイの気持ちを理解しかけたリーチは、テリルの強引なやり方に疑問を持ち始めました。


7)決別

翌日、牧場に現れたジュリーに、臆病なマッケイを追い出したことを伝えたパットでしたが、荒馬を乗りこなした、彼の勇気を知るラモンからその事実を知らされました。

ジュリーが、マッケイに好意を持っているのではないかとまで疑うパットでしたが、自分への結婚のプレゼントとして、彼が”ビッグ・マディ”を買ってくれたことを知らされました。

マッケイはジュリーの家を訪ね、パットから距離を置いた理由が、根の深いものだということを彼女に伝えました。ジュリーの話を聞いたパットは、マッケイの元に向かうが、彼は結婚は出来ないことを伝えました。

さらにマッケイが、”ビッグ・マディ”の水をヘネシーに分ける考えだと知ったパットは、激高して、その場を立ち去りました。


8)ジュリーの危機

その頃、ヘネシーはジュリーを呼び出し、”ビッグ・マディ”を手に入れるために、彼女と息子バックを、無理矢理に結婚させようとしますが、その場のジュリーの態度で、バックとの仲が嘘だったと悟ったヘネシーは、彼女に”ビッグ・マディ”の売却証明書にサインさせようとします。

何もためらわずに書類にサインしたジュリーを見て、不審に思ったヘネシーは、彼女が土地をマッケイに売ったことを知らされました。

 

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テリルとの対決を覚悟したヘネシーは、部下をブランコ谷で待機させました。

その後、部屋に閉じ込められたジュリーに、バックが襲い掛かりましたが、ヘネシーがそれを制止して、卑劣な息子を見限るのでした。


9)ついに決闘

テリルは、ジュリーを救い出す名目で、ヘネシーの農場を襲おうとします。

ヘネシーもそれを察知し、マッケイはジュリーを救うために彼の元に向かおうとしますが、谷の手前で、テリルがそれを腕ずくで阻止しようとします。

マッケイは、それを無視してラモンと谷に向かい、テリルが果たそうとする個人的恨みに、リーチはこれ以上、利用されるのが嫌になっています。

谷を抜け、ヘネシーの農場に着いたマッケイは、ジュリーを連れ戻しに来たことを伝えました。

土地の受け渡し証書を確認したヘネシーに、マッケイは水を分け与えることを告げましたが、ヘネシーは、”ビッグ・マディ”だけの問題でなく、テリルとの闘いは永久に続くことをマッケイに伝えました。マッケイは、ヘネシーの言い分もテリルの意見と同じで、ただの個人的な争いだと言い切るのでした。

ジュリーは、マッケイを助けるために、自らこの場に来たことを伝え、彼を追い払おうとします。

それでもマッケイは、ジュリーを連れ帰ろうとしますが、ヘネシーは、二人が惹かれ合っていることに気づきます。バックもそれに気づき、彼とマッケイは決闘で決着をつけることになりました。ジュリーはマッケイの身を案じますが、彼は決闘に挑みます。

 

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10)怒涛のエンディング序章

準備をしたテリルは谷を抜けようとしますが、犠牲者が出ることが分かりきっているリーチは、それを止めようとします。

テリルに臆病者呼ばわりされたリーチでしたが、彼は命令に従わず、他の部下も谷に向かおうとしません。

しかし、独りで谷に向かったテリルを見捨てられず、リーチらは仕方なく主人の後を追うのでした。

 

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ヘネシーは、正々堂々と闘うことをマッケイとバックに誓わせ、二人に銃を渡します。しかし、ヘネシーの合図を待たずに、バックはマッケイを銃撃し、弾丸が彼の額をかすめました。

次に、マッケイがバックに狙いを定め銃を構えますが、バックは怯えてうずくまってしまいます。マッケイは銃を空撃ちし、ヘネシーは情けない息子バックを軽蔑するのでした。

そして、バックは手下の銃を奪いマッケイを撃とうとしますが、父ヘネシーに撃ち殺されてしまいました。


11)エンディング

卑怯な手段を使ったとは言え、息子を亡くしたヘネシーは、怒りの矛先をテリルに向けて谷に向かいました。

ヘネシーは、谷でテリルらに攻撃を加える部下を制止し、最後の決着をつけようとします。

テリルを呼び出したヘネシーでしたが、二人は一対の一の対決で相撃ちに終わり、長年続いた争いに終止符が打たれたのでした。

そしてマッケイとジュリーは、馬上で見つめあい大西部での新生活を暗示して家路につきました。

 

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3.まとめ

なんと言っても西部の景色がすばらしく、さすがのグレゴリー・ペック、良いけどもったいないチャールトン・ヘストン、本作でアカデミー助演男優賞のバール・アイヴス、『ライフルマン』 前のチャック・コナーズと、名作ウエスタンの尊称どうり見ごたえありました。