映画『カサブランカ』稀代の別嬪とハードボイルド・ハンサムの共演!不朽の名作です!!

この映画『カサブランカ( Casablanca)』は、ハンフリー・ボガートイングリッド・バーグマンの共演で、1942年にアメリカで公開された映画です。

目次

 

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1.評価

1)アカデミー賞(1943年)

第16回アカデミー作品賞を受賞。監督のマイケル・カーティスは監督賞を、脚本のジュリアス・J・エプスタイン、フィリップ・G・エプスタイン、ハワード・コッチの3人が脚色賞を受賞しました。


2)アメリカ国立フィルム登録簿

文化的、歴史的、芸術的に重要なフィルムを保存するために、1989年に始まったアメリカ国立フィルム登録簿(National Film Registry)で最初にセレクトされた25本の1本になりました。


3)AFIアメリカ映画100年シリーズ

アメリカ映画ベスト100(1998年)の2位
・スリルを感じる映画ベスト100(2001年)の42位
・情熱的な映画ベスト100(2002年)の1位
アメリカ映画主題歌ベスト100(2004年)の2位(『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』"As Time Goes By")
アメリカ映画の名セリフベスト100(2005年)の5位(「Here's looking at you, kid.(君の瞳に乾杯)」)
・感動の映画ベスト100(2006年)の32位
アメリカ映画ベスト100(10周年エディション)(2007年)では、順位を一つ落としたものの3位。

・映画スターベスト100(1999年)の男性1位にハンフリー・ボガート、女性4位にイングリッド・バーグマンが選ばれています。
・ヒーローと悪役ベスト100(2003年)の4位には、ボガートの演じたRickが選ばれています。
・米脚本家組合(WGA)は、1930年以降の映画の中より「偉大な脚本歴代ベスト101」の1位として選出しました。

 

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2.ストーリー

1)プロローグ

1941年12月、第二次大戦下、フランス領モロッコカサブランカでのお話です。
ナチス・ドイツ占領下のこの地は、ヨーロッパ人がナチスから逃れ、リスボン経由でアメリカに渡るために、通過しなければならない拠点でした。

ドイツ軍の現地司令官ハインリッヒ・シュトラッサー少佐(コンラート・ファイト)は、地元警察のフランス人署長ルイ・ルノー(クロード・レインズ)に迎えられて赴任し、直ちに不法出国者の取り締まりを始めました。

アメリカ人のリック・ブレイン(ハンフリー・ボガート)が経営するクラブの「リックス・カフェ・アメリカン」には、亡命者達がたむろし、リスボン行きを待ち望んでいました。

 

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2)事件の予感

そんな時、ドイツの連絡員が殺されて犯人が子の地に向かい、それを検挙して奪われた書類を回収するよう警察署に連絡が入ります。さらに、その後、フランスの地下活動家が逃亡しようとして殺され、警察の捜査が強化されました。

その夜リックは、これで足を洗うという、通行証を闇で売買するウガーテ(ピーター・ローレ)から、高額で売れる通行証を預かりました。

リックは、ウガーテが、昼間殺されたドイツ人から通行証を盗んだことを見抜きました。

ルノーは、リックとの不思議な友情を保ち、裏で、通行証などを売りさばかないことを信じながらある情報を流します。
意外に情け深いリックが、通行証を求めて現れるチェコ人のレジスタンスで、ナチス抵抗運動の指導者を助けるのではないかと、ルノーは探りを入れるのでした。

その男は、収容所から脱出して、アメリカ逃亡をもくろむヴィクター・ラズロ(ポール・ヘンリード)でした。


3)再会

やがて、シュトラッサー少佐がリックの店に現れ、その直後、警察が手柄を見せびらすようにウガーテが警察に捕らえられて連行されましらた。
シュトラッサーと同席したリックは、ラズロ逮捕の協力を要請されるが、彼は傍観者としての立場を明確にして席を立ちました。

その後、リックの店に、ラズロと連れのノルウェー人女性イルザ・ランド(イングリッド・バーグマン)が現れ、クラブのピアニストのサム(ドーリー・ウィルソン)は、イルザの姿を見て驚くのでした。

そしてラズロに、ノルウェーの地下活動家ベルゲル(ジョン・クゥオーレン)が接触し、ベルゲルと話したラズロは、協力者であるはずのウガーテが、逮捕されてしまったことを知らされるのでした。

ルノーはラズロの席に向かい、その後シュトラッサーも彼を牽制し、翌日、二人は警察で会うことになりました。

イルザの方は、見覚えのあるサムに気づき、彼を呼び寄せてリックのことを尋ねて、想い出の曲の「As Time Goes By」をリクエストします。

サムは、イルザがリックに干渉することを嫌い、その曲も演奏を拒もうとしますが、彼女がそれを口ずさんだために仕方なく歌い始めるのでした。
そこにリックが現れ、サムに演奏を止めさせようとするが、イルザに気づいたリックは言葉を失ってしまいます。

ラズロに紹介されたリックは、多くを語らず、席を立つ彼らを見送るのでした。

 

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4)パリでの二人

その夜、酔いながら再びイルザが現れるのを待つリックは、サムに、「As Time Goes By」を弾かせて陥落前のパリのことを回想します。

 

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リックはイルザと愛し合っい楽しい日々を過ごしていたのですが、ナチス・ドイツのフランス侵攻に伴い、情勢に暗雲がたちこめ、ドイツ軍の砲撃を聞きながら、サムのいた店で、二人は国外逃亡を計画し、駅で待ち合わせることになりました。

しかし、リックは、姿を現さないイルザからの手紙を受け取り、サムと二人だけでパリを脱出することになったのです。

そこに思惑通りイルザが現れ、彼女は、パリでリックの元から姿を消した理由を話しますが、彼は酔った勢いでイルザを侮辱してしまい、彼女は涙して立ち去りました。

翌日、警察署にいたシュトラッサーは、ウガーテの通行証がリックの元にあるでだろうと、ルノーにそれを探らせます。

そこに、ラズロとイルザが現れ、シュトラッサーとルノーは、二人をカサブランカから旅立たせないことを告げ、さらにシュトラッサーは、ラズロに、抵抗組織の指導者の名前を吐かせようとしました。

しかし、収容所の拷問にも耐えたラズロは、同志を裏切るはずもありません。その後、ラズロはウガーテが死んだことを知らされ、その場を引き揚げるのでした。


5)通行証の行方

闇市を仕切る大物フェラーリ(シドニー・グリーンストリート)は、現れたリックに通行証のことで探りを入れるが、 彼は白を切って立ち去りました。

フェラーリの元を訪れたラズロは、リックと入れ替わりで現れ、彼は通りにいたイルザを見つけ、昨夜の無礼を謝罪します。

パリの頃と人が変わってしまったリックに対し、イルザは素っ気無い態度で、ラズロが夫だといことを伝え、それがパリ時代からだったことも知らせるのでした。

フェラーリは、イルザだけなら彼女の通行証で脱出は可能だと言いますが、ラズロが旅立てる可能性はないため、イルザは、彼と行動を共にしようとします。

それをフェラーリに伝えたところ、ウガーテが所持していたという通行証を、リックが預かっているはずだとほのめかされました。

 

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その夜リックは、ブルガリアから逃れてきた新妻アニーナ・ブランデル(ジョイ・ページ)から、これ以上の逃亡資金がないことを相談されたところ、リックは、アニーナに、ルノー警察署長のいやらしい誘いに乗らず国に帰るようにと助言をし、カジノのルーレットで、逃亡資金を作ろうとする彼女の夫ヤン(ヘルムート・ダンティン)に勝たせました。

アニーナはリックに感謝するが、彼は夫のヤンが運が良かったとだけ答えました。

それを見ていたウエイターのカール(S・Z・サカール)は、バーテンダーのサーシャ(レオニード・キンスキー)にそのことを知らせ、二人はボスのリックの男気を称え、
ルノーは、リックに情が深いことを皮肉られるのでした、


6)隠せぬ愛国心

リックは、ラズロから通行証に大金を払うと持ちかけられるがそれを断ります。何か訳でもあるのかというラズロに対し、リックは、妻に聞けば理由が分かると言い放ちました。

その直後、クラブでは、シュトラッサーをはじめドイツ兵が合唱を始めたため、ラズロは”ラ・マルセイエーズ”を歌おうとします。

それを見たリックは、バンドに演奏を許可して、ラズロやフランス人は立ち上がって祖国の国家を歌い、ドイツ兵を圧倒するのでした。

リックの気を引けない恋人イヴォンヌ(マデリーン・ルボー)は、彼への当て付けにドイツ兵と同伴していたが、彼女も涙を流しながら歌い始めました。

憤慨したシュトラッサーは、扇動したラズロの危険性をルノーに指摘し、店を閉鎖させてしまいます。
シュトラッサーは、イルザにラズロの出すぎた行動を控えさせ、フランスに戻るよう半ば脅迫するのでした。


7)それぞれの想い

ホテルに戻ったラズロは、イルザにリックに言われたことを尋ねるが、何も語らない彼女を信じ、同志との集会に向かいました。

その後、イルザはリックの元に向かうが、彼は通行証を必要とする彼女の気持ちを受け入れません。イルザはリックに銃を向けるが、彼女は引き金を引ける訳もなく泣き崩れるのでした。

そんなイルザを抱いたリックは、彼女が自分を今でも愛し続けていることを知り、
そしてイルザは、ラズロが死んだと聞かされた時にリックと出会い、パリを出る直前に、実は夫が生きていたことを知らされたことを話しました。
リックに危険が及ぶことを恐れたイルザは、彼には何も語らず姿を消したのでした。

ラズロは逃がしたいが、自分はリックなしでは生きられないことをイルザは彼に伝えました。

そこに、集会で警察に捕らえられそうになり、怪我をしたラズロがカールと現れました。

リックは、ラズロに知られぬよう、カールにイルザを送らせ、ラズロから、自分とイルザの関係に気づいていたことを知らされました。

それを追求する気のないラズロは、イルザだけでも逃がしてほしいことをリックに伝え、現れた警官に連行されました。


8)苦渋の企て

リックは、通行証は自分とイルザが使うことをルノーに告げて、彼を欺くため、ラズロを二人で強制収容所送りにすることを提案します。

巧みな説得でラズロを釈放させたリックは、店をフェラーリに売ることにし、店で、ラズロとイルザを待ち伏せたかに見せかけたリックでしたが、ルノーがラズロを逮捕しようとしたところ、リックはルノーに銃を向けて空港に電話させました。しかしながら、彼は知られぬように、シュトラッサーに連絡を入れるのでした。

リックは、イルザをラズロと共に飛行機に乗せようとしますが、それに納得できないイルザには、自分達にはパリの想い出を残し、ラズロとの人生を歩むよう、説得するのでした。
リックは、ラズロにイルザとの愛は偽りだと告げて通行証を渡し、二人を見送りました。

ルノーはリックを逮捕しようとしますが、そこにシュトラッサーが現れ、ラズロ達の脱出を阻止しようとしましたが、リックはシュトラッサーを射殺し、ルノーは駆けつけた部下達に、逃亡したと言って犯人を追わせました。


9)エピローグ

愛国心を取り戻したルノーはリックと共に、ラズロとイルザの乗った飛行機が飛び立つのを確認しました。

ルノーは、自らを犠牲にしてラズロ達を助けたリックを逮捕することなく、彼の逃亡を手助けすることも約束し、そしてリックとルノーは、”美しい友情”を確認して、その場を立ち去るのでした。

 

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3.よもやま話

1)オープニングシーン

本作のオープニングシーンは、地図とともに第二次世界大戦での亡命者たちがどのようにしてカサブランカにきたか語りが入ります。このシーンは、後に『ダーティ・ハリー』などの作品を手掛けたドン・シーゲルによって作られました。


2)意外な受賞

イングリッド・バーグマンは自分の主演作『カサブランカ』がアカデミー作品賞を受賞したと聞いて驚いた、と言っています。「撮影中は混乱続きで不信感を抱いていたから」だそうです。


3)混乱の元

監督のマイケル・カーティスで、彼が脚本を読まずにクランクインすることは、流れ作業で映画を製作するワーナー映画では公然の秘密でした。カーティスはクランクイン前にスタッフに会うこともなく、しかも『カサブランカ』の場合は脚本がありませんでした。あらすじを書いたメモをもとにして撮影は進められたのです。


4)愛の行方は

バーグマンは回想録の中で「私がポール・ヘンリードとハンフリー・ボガートの2人と恋愛関係にあることが問題だった。私は脚本のエプスタイン兄弟に聞いたの、私はどちらと結ばれるの? って。すると兄弟は言ったわ、まだ決まっていないので2通り撮ることになっている、って」と言っています。結局ボガートとクロード・レインズが霧の中を遠ざかるカットが撮影され、このほうが良さそうということで別のシーンは撮影されませんでした。

 

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5)時代背景

カサブランカ』が生まれた年、1942年11月8日にはアイゼンハワーの指揮する英米連合軍兵士12万人が北アフリカカサブランカ、アルジェなどに奇襲上陸を敢行しました。その8日後、カサブランカという地名が新聞・ラジオを賑わしていた時に映画『カサブランカ』がニューヨークで公開されました。
さらに年が改まり、一般公開が始まっていた1月14日にはルーズベルトチャーチルカサブランカ会談が行われて、そのニュースにあおられるように映画は予想を超えて大ヒットとなりました。撮影中のトラブルなどはどこかへ消えて映画が独り歩きを始めることになったのです。

 

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4.まとめ

名監督にすばらしい原作、人気の俳優たちが揃って莫大な製作費を投じてもダメなものはダメで、製作費のモトが取れないハズレの映画は数限りなくありました。
本作は、実際に完成するまでは、誰も後世まで語り伝えられる名画になるとは思っていなく、ダメな条件が揃っていたのに人気の映画となり不朽の名作とまで言われた稀有な例でしょう。