映画『アパートの鍵貸します』ビリー・ワイルダー渾身のシットコムです!!


 

この映画『アパートの鍵貸します(The Apartment)』は、1960年制作のアメリカ映画で、監督は、ビリー・ワイルダージャック・レモンシャーリー・マクレーンが共演しています。同年のアカデミー賞にて、10部門でノミネートされ、作品賞、監督賞など5部門が受賞しました。

目次

 

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1.ストーリー

1)プロローグ

ニューヨークの大手保険会社のC・C・バクスター(ジャック・レモン)は、出世至上主義若手社員でした。

 

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バクスターは、数人の上司に自分のアパートの鍵を貸し、そこを逢い引きの場に使わせていました。

今日もバクスターは、上司カークビー(デヴィッド・ルイス)と会社の電話交換係シルヴィア(ジョーン・ショウリー)の密会のため、部屋に入れないでいました。

ようやく部屋に戻れたバクスターは、隣部屋のドレイファス医師(ジャック・クラスチェン)に、「客人」が空けた大量の酒瓶や、毎晩聞こえる「激しい物音」について質問されるのでした。
そんなことは気にもせず、軽い食事を済ませてベッドに入ったバクスターでしたが、上司ジョー・ドビッシュ(レイ・ウォルストン)からの電話を受けました。

ビッシュは、バーで「マリリン・モンロー」級の美女(ジョイス・ジェイムソン)を見つけ、どうしてもバクスターの部屋を借りたいと、彼に無理強いします。

それを断るバクスターでしたが、ドビッシュは「昇進関係」をちらつかせ、仕方なくバクスターは部屋を空けるのでした。

公園で寒い夜を過ごしたバクスターは、寝不足と風邪気味にも拘らず、翌日も会社に出社するしました


2)新たなお客様

バクスターは、会社のビルのエレベーターガール、フラン・キューブリック(シャーリー・マクレーン)に、密かに思いを寄せていました。

仕事場で、熱があることがわかったバクスターは、今夜こそゆっくり部屋で休むことに決め、上司達の予約を調整することにしました。

そんな時、人事部のジェフ・D・シェルドレイク部長(フレッド・マクマレイ)に呼び出されたバクスターは、フランに激励されながら部長室に向かいます。

シェルドレイクは、バクスターの社内の人気の訳を彼に問い詰め、課長の間を行き来している「鍵」のことに言及し始めます。

バクスターはそれを察して、段取りや内容をシェルドレイクに告白するにでした。

全てを把握したシェルドレイクは、バクスターにミュージカルのチケットを渡して「鍵」と交換し、来月の昇進を彼に約束しました。

バクスターは、フランを食事とミュージカルに誘いますが、彼女は先約があり、8時半からのミュージカルだけ付き合うと言い、二人は劇場で待ち合わせることになりました。

しかし、フランの相手はシェルドレイクでした。以前付き合っていた2人は、妻子のあるシェルドレイクとの愛が叶わないと悟ったフランが、手を引いてしまっていたのでした。

バクスターとの約束があるフランは帰ろうとしますが、離婚を決意して寄りを戻そうとするシェルドレイクに、愛を告げられるのでした。

バーにいた2人は、シェルドレイクの秘書オルセン(エディー・アダムス)に目撃されてしまいますが、シェルドレイクは気にせず、バクスターのアパートに向かいました。


3)驚愕の事実

結局フランは劇場に現れず、その夜は落胆したバクスターでしたが、その後、会社では約束通り新しいオフィスを与えられました。

 

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そんなバクスターの元に、ドビッシュやカークビーら「常連」の上司が祝福しに現れましたが、バクスターが、ここ数週間アパートを、最も影響力のあるシェルドレイクに独占させているため、課長達に「鍵」を貸さない彼は責められてしまうのでした。

そこにシェルドレイクが現れ、課長達はそそくさと退散してしまい、シェルドレイクは、バクスターに合鍵を作るよう指示しました。

その時バクスターは、シェルドレイクの相手が忘れていった鏡の割れたコンパクトを渡しました。

クリスマスの社内パーティの際、フランは、バクスターにミュージカルのことを謝罪します。

その後フランは、シェルドレイクの秘書オルセンから、自分が彼の元愛人で、その女癖の悪さと、口説きの決まり文句で、彼が「離婚」を持ち出すことを知らされました。

ショックを受けたフランを、自分のオフィスに連れて行ったバクスターは、親しいシェルドレイクから届いた、家族団らんのクリスマスカードをフランに見せました。

バクスターは、新調した帽子が似合うか確かめるために、フランからコンパクトを借りましたが、そこで、バクスターは、割れた鏡に気づき、シェルドレイクの愛人がフランだと知ってしまうのでした。

その時、愕然とするバクスターに、今晩の部屋の準備を確かめる、シェルドレイクから辛い電話がかかります。

傷心のバクスターは、会社を後にしてバーに向かい、酔った女性マーギー・マクドゥーガル(ホープ・ホリデー)に声をかけられました。


4)自殺未遂

一方、オルセンの話で傷ついたフランは、シェルドレイクに泣きながらその話をしましたが、クリスマスでもあり、家族や親戚が気になるシェルドレイクは、プレゼント代わりに、フランに100ドルを渡し、ワニ皮のバッグでも買うように伝え、バクスターの部屋を出ました。

フランはその場に残り、シェルドレイクの心無いプレゼントにショックを受け、化粧を直そうとした洗面台の睡眠薬に気づきました。

放心状態だった失意のバクスターは、少しは気がまぎれて、マーギーと自分のアパートに向かいます。

部屋に戻ったバクスターは、寝室で寝ているフランに気づき憤慨し、彼女を起こして追い出そうとしますが、フランが睡眠薬を飲んだことを知ったバクスターは慌ててしまい、隣のドレイファス医師を呼んで、マーギーを追い払いました。

 

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ドレイファスの介抱で、一命を取り留めたフランのために、バクスターは彼女の自殺未遂は、自分が原因だという説明をしました。

翌日バクスターは、シェルドレイクにこの一件を連絡するが、彼は、バクスターに後処理を任せてしまいました。

意識を取り戻したフランは帰宅しようとしますが、バクスターは、憧れの彼女が、クリスマスに自分のアパートにいるだけで幸せな気分になるのでした。

また、トラブルを避けるためにも、フランの回復を待とうとして、二人でジン・ラミーを始めたりもしました。

フランは男運の悪い自分の人生を嘆きますが、バクスターは、優しく接し彼女を労わります。

優しいバクスターの気持ちに触れ、フランは今の自分を見つめ直します。その時、カークビーがシルヴィアを連れて現れるのだが、彼は、部屋にフランがいることを知り退散しました。


5)嬉しい誤算

クリスマス休暇が明けて、出社したシェルドレイクは秘書のオルセンを解雇し、バクスターに電話をかけました。シェルドレイクはフランと話しをしますが、それを盗み聞きしたオルセンが、シェルドレイクの妻に、今回の一件を話してしまいます。

フランの義兄カール・マトゥシュカ(ジョニー・セヴン)は、会社に出向き上司のドビッシュに、妹フランのことを尋ね、居合わせたカークビーから、フランの居場所を聞いていたドビッシュは、バクスターのアパートを教えてしまい、最近つれない彼に仕返しをしました。

フランと食事をしようとしていたバクスターは、彼女を連れ戻しに現れたカールに殴られてしまいます。

バクスターは、フランと結婚することを決意しシェルドレイクに打ち明けようとしますが、シェルドレイクはついに離婚が成立したために、フランと結婚することにしたことをバクスターに告げました。

そして、バクスターは部長補佐となり、会社で会ったフランには、出世のために、シェルドレイクを利用したと強がりを言うのでした。

再び部屋をフランとのために貸せと言うシェルドレイクに、バクスターは、重役トイレの鍵を渡し、会社を辞めてニューヨークを離れることを決意しました。

晦日の夜、シェルドレイクはフランを誘い、バクスターが鍵を貸さずに会社も辞めたことを話しました。

 

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ちょうど新しい年が明ける頃、そのことを聞いたフランは、シェルドレイクの元から姿を消しました。フランは、バクスターのアパートへと向かうのでした。

しかし、ドアの前で銃声のような音が・・・

それは、一人で寂しく大晦日を祝おうとして、バクスターが開けたシャンパンの音でした。

フランが現れ夢心地のバクスターは、彼女に愛を告げるのですが、フランはそれを制止して、バクスターに向い、黙って配るように言って、満面の笑顔でカードを渡し、ジン・ラミーを始めるのでした。

 

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2.よもやま話

1)さんまのオマージュ

明石家さんまがこの映画のジャック・レモンを意識しながらテレビドラマ『男女7人夏物語』の今井良介を演じていたと、自らDJを務めるラジオ番組『ヤングタウン』の中で語っていました。テニスのラケットでスパゲティの湯を切るシーンはそのまま引用して演じていました。

 

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2)マリリン・モンロー

この作品が大ヒットした記念における披露宴で、ワイルダーは偶然出席していたマリリン・モンローと再会し、和解したそうです。モンローとは、『お熱いのがお好き』の撮影時におけるトラブルから、一時期、関係が険悪になり決別していました。この事から、次回作『あなただけ今晩は』のヒロインにモンローを起用しようと考えていましたが、モンローの突然の急逝によりそれは叶わぬものとなりました。


3)真骨頂

ジャック・レモンのコメディアンかつ演技派としての、彼の才能を最高に発揮できた作品とも言え、主人公が、エリートのようではあるがそそっかしく、要領がいいのか悪いのかわからないところ、また、あの身のこなしや仕草が愛嬌があり、その雰囲気だけで大いに笑わせてくれました。


4)キュート

絶世の美人ではありませんが、顔立ちがアジア人に近いシャーリー・マクレーンに、ハリウッド的美人とは違う親近感を感じた人も多いでしょう。彼女ならではの魅力で本作に無くてはならない存在です。


5)フレッド・マクマレイ

部長役のフレッド・マクマレイは、いかにもやり手で強かな上役がはまっていて、彼は俳優としての実績の他、実業家としても成功し、ハリウッドでも有数の富豪として知られていました。


6)アカデミー監督賞

本作は、ビリー・ワイルダーの代表作ともいえるシチュエーションコメディで、10年温めたアイデアで、時代の流れにあわせてようやく映像化にこぎ着けました。ワイルダーはこの作品で念願のアカデミー監督賞を手にしました。

 

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3.まとめ

アメリカでは既にこの時代(1959年)に、リモコン・テレビを見ながら冷凍食品を食べ、風邪気味の主人公はティッシュペーパー持参で出社し、クーラーやオーブン、電気毛布も当たり前という、一平社員の生活を見て、どこの家庭でもこんな生活をしていたのかと驚きを隠せません。

 

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