『西国三十三所』車で巡礼、古希まじかCOPDオジサンの旅!【紀行遍1・一番】

 

さて、新型コロナ禍の中、少しく疚しさを感じながら『西国三十三所』巡礼に踏み入れた訳ですが、四国八十八ヶ所は、己を鍛える旅でありながら、その修行の至らなさをつくづく感じる昨今、今度は観音様のお力を借りて心静かに病身の安寧たる予後と家族の平安、世間の太平を祈願しつつ16万キロ走行の愛車に鞭打って、この巡礼を成就したいものです。

 

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草創1300年記念事業が令和4年3月31日まで延長される(特別印の押印も同日まで)ことを遅ればせながら知りました。今年で記念事業が終了するものと勝手に判断して、今から始めても途中で期限切れとなり、納経帳を1300年記念版使用を諦めたのが悔やまれます

ある意味、さすが1300年の歴史が、新型コロナ禍下にも記念事業期間延長の優柔不断の判断を及ぼしたのかと納得しました。

で、巡礼の開始は、何といっても第一番の青岸渡寺ですが、あとは、結願の華厳寺の最終のみ予定の決まった変化必須の巡礼となりそうです。

 

目次

 

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第一番 青岸渡寺

那智山熊野三山の一つ。熊野信仰の霊場として長い歴史があり、もともと那智の滝を中心にした神仏習合の一大修験道場でしたが、明治初期に青岸渡寺那智大社に分離しました。今も寺と神社は隣接していて、多くの人が、双方を参拝します。


1.アクセス

住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山8番地
交通:大阪方面からは阪和自動車道からR42号線
   奈良方面からは霊峰大峰山を挟んで吉野町からR169で熊野市へ、下市町からR168で新宮市
   名古屋方面からは伊勢道勢和多気ジャンクション、熊野街道大台でR42号線に乗り那智山道へ
駐車場:800円
拝観料:不要
拝観時間:5:00〜16:30
納経時間:5:00〜16:30
電話:0735-55-0001


1)駐車場

門前町のお土産物屋さんの立ち並ぶ、メインストリートに有料・無料・お土産購入や食事利用とバーター方式と様々にありますがこの辺あたりからだと本参道、467段の階段を上ることになります。

 

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メインストリートの中ほどに青岸渡寺へと続く黄色の「防災道路」があり、その先に駐車場があって、通行料及び駐車料として、800円必要となりますが、まったく階段を使わずに本堂に行くことができます。これは値打ちです。

 

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2)境内諸堂宇配置

山間の寺院らしく境内に標高差が大きいので配置図では実感がわきませんが、寺院の駐車場が最上位にあります。

 

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2.縁起

仁徳天皇の代(4世紀)にインドから熊野灘の浜に漂着した裸形上人が、那智山に籠もり、那智の大滝にうたれること千日、その修行中に滝壺の中に黄金色に輝く丈八寸の観音仏の出現を見たといいます。
裸形上人は小堂を建て、授かった黄金の観音仏を祀ったのが創始とされています。
その後、推古天皇の代に大和からきた僧、生仏上人が玉椿の大木で一丈(3m)の如意輪観音像を刻み、この中に裸形上人が感得した黄金の観音仏を胎内仏として納め、勅願所として本堂を建立したといいます。

 

3.みどころ

1)山門

バス停のすぐ近くから参道の石段が本堂の前まで続いており、参道即石段であり、段数はかなり多く467段あります。

本堂のすぐ下に「山門」が建っています。昭和8年(1933年)の建設といわれており、山門に安置されている金剛力士像は湛慶の作と伝えられているようですが、これは信憑性に乏しいみたいです。

 

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2)熊野古道

バスで来る人も、自家用車の人も、参道石段の近くまで乗り物で来ることになりますが、できれば、バス停の大門坂でバスを降り、そこから青岸渡寺までは「熊野古道」を歩いてみるのもいいかもしれません。


3)本堂

「本堂」は推古天皇の時代に創建されたといわれており、現在までに数回改築されています。
現存の本堂は、織田信長の軍勢によって焼き討ちされた後、天正18年(1590年)に豊臣秀吉が弟秀長に再建させたものであるといわれており、大正13年(1924年)に修理されています。
「本堂」は桃山時代の建築様式を伝えていて、重要文化財に指定されています。

 

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4)ご本尊

「本堂」に祀られている本尊、如意輪観世音菩薩像は、推古天皇の代に生仏上人が刻んだもので、縁起の項にも記載したように裸形上人が感得した観音仏を胎内仏にしているといいます。これが真実とすれば、約1400年も前に造られた仏像ということになりますが、文化財の指定はありません。
本尊は秘仏であり、通常、本尊は直接拝観できませんが、前立ちの如意輪観音座像が安置されています。


5)鐘楼

「本堂」の北側に「鐘楼」が建てられています。「鐘楼」内に吊り下げられている梵鐘は、河内国河内介弘の銘があって、鎌倉時代の元亨4年(1324年)鋳造されたものと言われています。

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6)宝筐印塔

「本堂」の北側隅に「宝篋印塔」が建っています。
宝篋印塔は供養塔、墓碑塔として建てられていますが、元々は違った目的で建てられていたものらしく、現在見られる形は鎌倉時代以降に成立したものといわれています。
この「宝篋印塔」は元享2年(1322年)の造立とされ、重要文化財に指定されています。


7)大黒天堂

本堂の裏手の小高い場所には馬頭観音、大黒天並びに六福神を安置した「大黒天堂」(如法堂)が建てられている。大黒天は「那智大黒天」として古来より有名です。

 

8)三重塔

本堂横を北側に進み、坂を下りると朱塗りも鮮やかな「三重塔」が間近に見え、その奥に「那智大滝」を遠望することができます。
この「三重塔」は昭和47年(1972年)に再建されたといわれており、見た目にも新しい建物で、その内部には飛滝権現本地千手観音が安置されており、内部の壁面には彩色の金剛諸界仏、観音、不動明王などの壁画が描かれています。

塔の二、三階は展望所になっていて、特に二階は那智大滝の展望場所として最適なところとなっています。


9)瀧宝殿

「三重塔」から北西の方に向かって坂を上がったところに「瀧宝殿」が建っており、ここには重要文化財に指定されている「銅造大日如来立像」や「銅造観音菩薩立像」など、その他寺宝が保管されていますが、常時公開されてはいないようです。


10)那智大滝

那智大滝」はその落差133mといわれており、さすがに雄大で、滝口が三筋になっているのがこの那智の滝の特徴とされています。
滝口の上に注連縄(しめなわ)が張られていますが、この滝は滝壺の近くにある「飛滝神社」のご神体とされています。飛滝神社は、かつて那智山の郷社であったが、昭和12年(1937年)に「熊野那智大社」の摂社になっています。
この「那智大滝」は飛滝神社の前から目前に見上げることができます。

 

11)三重塔と那智の滝遠望

「本堂」の正面に向かって右側は広場になっており、那智大滝や三重塔を遠望することができ、滝を背景として記念撮影する格好のスポットになっています。

 

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12)鎌倉式石段

三重塔の下の車道を少し歩くと、「鎌倉式石段」に出ます。石段を下ると飛滝神社の境内入口、滝前のバス停に着きます。
石段は約100m続いており、一番上の所に、かつて、滝(権現)の遥拝所があったとされる場所があり、ここで滝を正面(北)にみて伏拝んだといわれています。また、この石段は火祭り祭事にも使われています。

鎌倉式石段を通って青岸渡寺に行くこともできるが、この道を利用する人は極めて少ないようである。古道の味わいがあるこの石段は是非通ってみたいものです。

この「鎌倉式石段」は史跡に指定されており、那智勝浦町指定文化財になっています。

 

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4.まとめ

2004年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されました。「青岸渡寺」もこの世界遺産の中に含まれていて、青岸渡寺のすぐ傍に位置している熊野那智大社青岸渡寺の信仰の原点である「那智大滝」は自然信仰の重要な構成要素になっています。

西国三十三所、のお寺は殆どが豪壮華麗な寺院なのですが、この青岸渡寺は、いかにも那智の大滝に心身ともに打たれた修業の地らしく質実剛健の雰囲気があって、札所一番にふさわしいものでした。