映画『風の谷のナウシカ』今こそこの映画です!

この映画『風の谷のナウシカ』は、1984年に公開されたトップクラフト制作の日本のアニメーション映画で、宮崎駿監督の長編アニメーション映画第2作となります。
1982年に「アニメージュ」に連載していた宮崎の同名漫画(『風の谷のナウシカ』)を原作としています。原作の単行本全7巻から見ると、序盤に当たる2巻目の途中まで連載された時点での作品で、映画公開後に連載を再開した漫画とは内容が異なっています。

アニメージュ」を発行する徳間書店と広告代理店の博報堂による製作委員会方式で映画化され、宮崎自身が監督・脚本を手がけました。高畑勲鈴木敏夫久石譲ら、のちのスタジオジブリ作品を支えるスタッフが顔を揃えています。

目次

 

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1.評価

1)受賞

1984年度のアニメグランプリ、日本アニメ大賞の作品部門をダブル受賞し、また、映画雑誌ではベストテンに選出され、新聞のコラムでは「女性原理の主張」や「自然との共生」という視点を賞賛されるなど、アニメの枠を越える評価を受けました。
そして、国内外で複数の映画賞を受賞し、アニメーション作家としての宮崎駿知名度を引き上げる作品となりました。


2)興行収入、他

観客動員は約91万5千人、配給収入は約7.4億円。当時のアニメ映画としては大ヒットとはいえず、この作品が多くの人に知られるには翌年のテレビ放映以降まで待たねばならなかったのですが、その後のソフト販売・レンタルでは一般映画に並ぶ売上げを記録しました。
オリコンランキングでは、1997年発売のVHS版、2003年発売のDVD版、2010年発売のBlu-ray版が各部門1位を獲得しており、史上初の同一作品による3部門制覇を成し遂げています。

宮崎は興行的成功については「ものを作るチャンスがまた巡ってくるかもしれないと思って、ほんっとにホッとしたんですよ。運が良かったと思って」と語っています。映画としては原作漫画の途中までしか描かれていない不完全な作品とし、自身ではあまり評価していなません。原作完結後の1997年に公開された『もののけ姫』は、テーマが本作の延長線上にあるといえます。

 

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3)監督の自己評価

宮崎は映画のラストが予定調和であることを認めていて、力が足りずにああせざるをえなかったと語っています。2時間では他の収め方がなく、ああいうものを作りたかったこともたしかで、否定はしないけれどクリスマスの奇跡映画のようなものを作ってしまったという後ろめたさもあるといっています。

映画の続編を作らない理由は、マンガで結論が出なかったのに、映画になったらもっとわからないからだと説明しています。


2.ストーリー

1)プロローグ

人類はかつて繁栄を誇りましたが「火の七日間」と呼ばれる大戦争で、産業文明は滅びてしまいました。

それから1000年後、地球の大部分は瘴気(しょうき)を発する森「腐海(ふかい)」と、そこに住む巨大な蟲(むし)たちに占領され、人類はかろうじて生き残っているような状態でした。

小国・風の谷の姫ナウシカ(声:島本須美)は、蟲たちと心を通わせる力を持つ少女でした。

 

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ある風の強い夜、谷にトルメキア王国の輸送船が墜落します。炎上した船のあとに燃え残ったのは、巨神兵の胚でした。巨神兵とは、火の七日間で使われた最終兵器です


2)野望

世界統一の野望を抱くトルメキア国は、ペジテ市の地下に眠っていた胚が掘り出されたことを聞き、奪取したのでした。

輸送船が風の谷に落ちたことを知ったトルメキアの姫クシャナ榊原良子)は、早速谷へ部隊を送り込みます。

そして族長ジルを殺し、ナウシカを人質にして、トルメキアの大型船は、谷を出発しました。

ところが移動中、妹ラステル(冨永みーな)を同じようにトルメキアに人質に取られたことを恨みに思う、ペジテの王子アスベル(松田洋治)に襲われますナウシカのはからいでクシャナは一命をとりとめました。

また、ナウシカ腐海に落ちたアスベルを助けに行きます。そこでナウシカとアスベルは腐海の秘密を知りました


3)腐海の王者

腐海の樹木は汚染された地球の毒を浄化していたのです。枯れた樹木は綺麗な砂となって腐海の底に敷き詰められていました。蟲たちはそんな腐海を守っていたのです

翌日、ペジテに戻ったナウシカとアスベルは、ペジテ市長(麦人)から風の谷にいるトルメキア軍を全滅させるため、蟲を使って襲わせるという作戦を聞きました。

作戦を止めたいナウシカは、アスベルの母(坪井章子)の協力とミト(永井一郎)の助けを得て捕らえられた船からメーヴェ(風を使う凧のような乗り物)で逃げ出し、谷へ向かいました。

不気味なまでの静けさと共に膠着状態が続く中、ミトの乗ったガンシップが降り立ち、オーム(王蟲)の襲来が知らされる。ほどなくしてオームの群れが表れ、刻一刻と破滅の時が近づいてきます。

谷方向には、怒りで目を紅く染めた蟲たちの群れが続いていますそしてその先頭には、体中に銛を打ち込まれ瀕死の重傷を負ったオームの子どもをぶらさげた飛行甕(かめ)が飛んでいました。

オームの子どもに蟲の注意を惹きつけて、谷方向へ蟲を送りこもうというのです。

 

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4)巨神兵

ナウシカは武器も持たず身ひとつで甕に体当たりします。風の谷では蟲の群れの接近を知り、クシャナ巨神兵を使うことを決定しました。

ところが胚から孵化した巨神兵は使うには時期尚早だったらしく、2回口からビームを出したあと、腐って崩れ落ちてしまいます。

谷はオームの急襲に、パニックになりましたそのとき瀕死のオームの子とナウシカがオームたちの先頭に降り立ちます。

ナウシカとオームの子は一瞬で蹴散らされますが、気づくとオームの行進は止まっていました。

ナウシカが命を投げ出して谷を守ったのです


5)エピローグ

ナウシカの気持ちはオームたちに伝わり、オームたちは触手でナウシカの遺体を持ちあげました。オームの不思議な力によってナウシカは息を吹き返し、オームたちの黄金の触手の上を歩きます。

 

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その姿は古い言い伝えの姿そのものでしたオームたちは森へと帰り、風の谷は救われ、物語は幕を閉じます。


3.プロフィール

1)ナウシカ

腐海に隣接する緑の自治国・「風の谷」の族長の娘。清楚な雰囲気の漂う美少女であり、物腰も非常に丁寧で落ち着いています。その一方で、度々腐海の森にメーヴェに乗って探索に出かけたり、それに見合うだけの非常に高い運動能力を有していたりと、見かけによらず活発でオテンバな一面もあります。

非常に心優しく領民からも慕われており、特に親しい子供たちからは「姫姉さま」の愛称で呼ばれています。そして自身が守ろうとするもののためには、ときに自身の命を賭けたり、人質となることも厭わなかったりと、自己犠牲精神も強いのです。

ただ、その優しさゆえに、落ち込むと悲観に囚われやすくなる心のもろさも持ち合わせています。また、一度強い怒りに駆られると我を忘れてしまう一面もあり(作中では攻撃衝動に燃える王蟲のようと語られている)、序盤ではそれが原因で人を殺してしまった自分自身に恐れを抱き、以降戦いの中でも人を殺したくないという意識を強めていきます。

 

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2)クシャナ

ナウシカたちが住む風の谷を侵略に来たトルメキアの将軍として登場します。巨神兵を使って腐海を焼き払い、人間の世界を取り戻す計画を立てていました。
ペジテ市から強奪した巨神兵を回収するために風の谷に襲来し、一時的に谷を制圧し、ナウシカを人質にして腐海を越えようとしますがアスベルの奇襲にあったため断念し谷に帰還しました。
ペジテによる人為的な王蟲の暴走による風の谷壊滅を防ぐため巨神兵を目覚めさせますが、一時的な効果を出しただけで失敗に終わりました。そしてナウシカが起こした奇跡によって事態が収拾した後、風の谷の民と和解し、軍を率いて風の谷を去りました。
性格は原作版とさして変わりませんが、悪役とは言い切れない多面性を持っていた原作と比べ、比較的純粋な悪役に近い役割を担っています。自然との調和を望むナウシカとは正反対の考え方の人物として描写されており、腐海を焼き払う動機が蟲たちによって体の一部を奪われたからという設定が追加されています。

 

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3)巨神兵

序盤から終盤にかけて、本作品の物語の根幹に大きく関わる重要な存在として登場します。とてつもない巨体と圧倒的な武力によって世界を焼き尽くした恐るべき神として語られており、人々は世界が滅んだ日の出来事を「火の七日間」として伝承で残しています。
この語り部のシーンで見られる、燃え盛る街並みの中を炎に照らされながら巨神兵の群れが進軍する光景は、ほんの数秒間だけであるにも関わらず視聴者に絶大な印象を与えました。

劇中では、工房都市ペジテが地中に眠る遺物を掘り起こしている際、偶然生きたままの巨神兵の胚が発掘され、この情報を掴んだトルメキアが巨神兵強奪のためにペジテに侵攻を行いました。

その後、トルメキア軍は飛空挺による巨神兵の空輸を試みましたが、移動中に何らかの理由で蟲に対して攻撃を仕掛けてしまい、逆に飛空艇が蟲に襲われてしまいます。結果、飛空艇は操縦不能に陥り、ナウシカが住む風の谷に墜落しました。ここからナウシカたちの物語が始まります。

その後、墜落の報を聞きつけたクシャナ率いる部隊が風の谷に到着し、「飛空艇による本国への空輸」から「墜落した現地での巨神兵覚醒」へと方針を切り替えるため村を占拠し、巨神兵も風の谷の城へ運び込まれました。

クシャナは当初、巨神兵を利用して腐海を一掃するために培養していましたが、風の谷に押し寄せる王蟲を迎撃するため、仕方なく未熟のままの巨神兵を覚醒させてしまいます。

覚醒した巨神兵王蟲の群れに対してプロトンビームを放ちます。放たれたビームは核攻撃と同等の破壊力を有していたが、それでも無数に押し寄せる王蟲に対しては一時凌ぎにしかならず、波を止めるには至りませんでした。

そして、巨神兵は再度ビームを放つも、未熟な状態で覚醒させた身体が負荷に耐えきれず腐り落ちていきました。

 

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4)アスベル

発掘した巨神兵を、巨神兵の力を狙うトルメキアに渡すまいとしたため滅ぼされた工房都市ペジテ市の王族の生き残りです。ガンシップでトルメキア軍を襲撃し大損害を与えますが撃墜され腐海に不時着したところをナウシカに救われ行動を共にしました。

 

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映画では主役級の登場の仕方をした割に目立った活躍はありませんが、原作だと半ば裏方に徹する役回りのため、それがさらに顕著です。ナウシカがどんどん超人じみた活躍を見せはじめ、他のレギュラーキャラを喰ってしまったせいもありますが。

ナウシカとも中盤に離れ離れになったきり最終盤まで合流することはありませんでしたが、ユパらと行動を共にしていたためか出番自体はそれなりに多く、最終決戦の舞台となった聖地シュワの墓所にも単身潜入してナウシカをサポートし、最後まで無事に生き延びました。

当初のプロットでは、ナウシカのお相手になるはずだったらしいのですが、宮崎監督が「くっつきそうだからあえて外した」との旨の発言をしています。

 

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4.まとめ

未来の事を一切考えない高度な産業と「火の七日間」と呼ばれた戦争のせいで、全てを失ったのちに出来たのが「腐海」と呼ばれる土地で、腐りきった森や町の事です。
またその「腐海」の深部では人間が知らないうちに、「腐海」と呼ばれ人々を脅かす森達が自らの力で腐りきった土を浄化している様子がナウシカ達が「腐海」に落ちて行ったシーンで描かれています。
そして人々達から恐れられている蟲達もまた、腐った土地にしてしまった人間たちから「腐海」を守る大事な役目がある為生まれたのです。

何と言っても宮崎駿の世界観が一番よく出ている映画です。自然の大切さをテーマにした映画の中で登場する「腐海」と「蟲」は、おまけに、夢のような飛行物体は、まさに宮崎ワールドと言えるでしょう。

 

 

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