映画『リオ・ブラボー』典型的な西部劇です!!

この映画『リオ・ブラボーRio Bravo)』は、ハワード・ホークス監督、ジョン・ウェイン主演、ディーン・マーティンが共演した、1959年の西部劇映画です。

目次

 

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1.紹介

1)ザ・ウエスタン

男臭さ、チームワーク、見事なガンプレー、ユーモアとお色気に、陽気で楽しい歌まで盛り込んだ、巨匠ハワード・ホークスの、シャープな演出も冴え渡る、ハリウッド映画史上屈指の傑作西部劇です。
2014年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもあります。


2)制作

主演ゲーリー・クーパー、監督フレッド・ジンネマンの『真昼の決闘』 (1952年)に対して、「市民に助けを求めるなんて、そんな弱腰な奴は保安官の面汚しだ 」 ということで意気投合したハワード・ホークス監督とジョン・ウェインがタッグを組んでアンチ・テーゼとして制作した作品といわれています。
ジョン・ウェインの場合、『真昼の決闘』 の脚本家が、赤狩りの対象者のカール・フォアマンだったことも気に入らなかったようです。


2. ストーリー

1)プロローグ

舞台は、テキサス州、プレシディオ郡、リオ・ブラボー。酒場で、落ちぶれた酔っ払いデュード(ディーン・マーティン)が、町の悪党ジョー・バーデット(クロード・エイキンス)がタンツボに投げ込んだ金を拾い出そうとします。

デュードは、保安官ジョン・T・チャンス(ジョン・ウェイン)にそれを止められ、チャンスを殴り倒したデュードは、ジョーにも殴りかかりますが、彼の手下が加勢しデュードは叩きのめされました。

それを止めようとした男をジョーが撃ち殺し、彼は、何食わぬ顔で、町を牛耳る兄ネイサン・バーデット(ジョン・ラッセル)の酒場に向かいます。

チャンスとデュードはジョーの後を追い、二人は協力してジョーを捕え、留置場に入れてしまいました。

 

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2)パット・ウィーラー

その後、ジョーの逮捕を知ったネイサンは、人を雇い町をうろつかせ、チャンスを威嚇します。

翌日、町を訪れた、チャンスの親友のパット・ウィーラー(ウォード・ボンド)の、ダイナマイトなどを運ぶ幌馬車隊は、町の入り口でネイサン一味に、そして、その後、保安官補になったデュードに止められました。

ウィーラーは、話しかけてきたデュードに見覚えがあり、スペイン語で”ボラチョン”(飲んだくれ)と言う意味だと本人から教えられました。

 

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そしてウィーラーは、保安官事務所でチャンスにも止められるが、その理由を彼に尋ねるのも面倒になります。

チャンスは新入りが気になり、早撃ちで鳴らした男の息子、二挺拳銃の生意気な青年コロラド・ライアン(リッキー・ネルソン)を、ウィーラーから紹介されるのでした。


3)チャンス側の人々

ウィーラーは、チャンスがトラブルを抱えていることを察し、ダイナマイトの積荷を川岸に向わせ、チャンスから事情を聞きました。

チャンス側は、足の悪い老人のスタンピー(ウォルター・ブレナン)と、飲んだくれのデュードしかいませんでした。

スタンピーはジョーの見張り役で、最後の砦としてショットガンを片手に息巻いています。

その後、ウィーラーからの届け物を受け取ったチャンスは、ホテルの主人カルロス・ロバンテ(ペドロ・ゴンザレス=ゴンザレス)の元に向います。

カルロスは、待っていた物を手に入れ、妻コンスエラ(エステリタ・ロドリゲス)におかしな目で見られながら、チャンスと二階に行きました。

荷物はコンスエラにプレゼントする下着で、それを確認していたチャンスとカルロスの部屋に、町に立ち寄った女ギャンブラーのフェザーズ(アンジー・ディキンソン)が現れました。

 

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フェザーズは、ネイサンが町を封鎖してしまったために、駅馬車の出発が遅れて足止めされていたのです。

夜になり、アルコールが切れて落ち着かないデュードを連れ、チャンスは町の見回りに出ました。

チャンスは、ウィーラーが、町の者に保安官側に加勢するよう、言い回っているということをカルロスから聞きました。

酒場でウィーラーに釘を刺したチャンスは、デュードに失言してしまったウィーラーに、デュードが、酒に溺れる以前には優秀な助手だったことを語りました。

ウィーラーは、飲んだくれと足の悪い老人しか頼れないチャンスに、コロラドを加勢させようとしますが、コロラドは、他人事にはかかわりたくないと言ってそれを断りました。

その後チャンスは、手配書も出ているフェザーズの、イカサマ賭博の一件で彼女と揉めました。

しかし、 コロラドイカサマ師が居ることをチャンスに告げて、彼はそれを突き止めます。

チャンスは、コロラドに促されフェザーズの元に向うが、彼女にはっきりとは謝罪せず、ギャンブラー生活から足を洗うよう忠告するに留めるのでした。


4)ウィーラーの死

その後、チャンスへの協力を町中に触れ回っていたウィーラーは、ネイサン一味によって命を奪われました。

それを知ったコロラドは、揉め事に手を貸さなかったことを後悔し、チャンスとデュードは犯人を追います。

馬屋に逃げ込んだと思われた犯人は逃げましたが、デュードが銃撃して怪我を負わせました。

チャンスとデュードは、犯人をバーデットの酒場に追い詰めて、酒びたりから立ち直ろうとするデュードが、チャンスの援護で表から酒場に入ります。

デュードは、酒場にいたネイサンの手下を調べ始めますが犯人らしき男は見つかりません。

ネイサンの手下はデュードを嘲り笑い、タンツボに銀貨を投げ入れて彼を侮辱しました。

しかしデュードは、二階から犯人の怪我の傷の血が滴り落ちるのに気づき、振り向き様に犯人を撃ち殺しました。

犯人は、50ドル金貨一枚で人殺しとして雇われたと見られ、それを知ったチャンスは怒りを露に、ネイサンの手下達を威嚇しました。

デュードは、タンツボに銀貨を投げた男にそれを拾わせ、チャンスと共にその場を立ち去るのでした。

事務所に戻ったチャンスらの元にコロラドが現れ、ウィーラーの敵討ちの礼を言いました。そして、幌馬車隊は解散することになり、コロラドの、当座の世話を買って出るチャンスでした。


5)フェザーズの想い

宿のホテルに帰ったチャンスは、彼が命を狙われている事情も知らずに憤慨したことを、フェザーズに謝罪されます。

フェザーズから、手配書に載った理由などを聞いたチャンスは、それを破り捨ててそそくさと部屋に向いました。

チャンスに惹かれ始めていたフェザーズは、相変わらず素っ気無い彼の態度に苛立つのでした。

翌朝、フェザーズが自分を一晩中見張っていたことを知ったチャンスは、そのことで再び彼女と揉めてしまいます。

その後チャンスは、フェザーズが駅馬車に乗らなかったのをカルロスから知らされ、彼女の元に向かい意見しようとしますが、女の扱いに慣れないチャンスは、完全にフェザーズのペースに巻き込まれ、彼女を抱きしめて部屋を後にしました。


6)ネイサンの企み

町の入り口で、流れ者の武装解除をしていたデュードは、ジョーに面会に来たネイサンの銃を預かり、彼らを町に入れました。

ネイサンを待ち構えていたチャンスは、彼を牢屋に案内して、土地を奪われネイサンに恨みを持つスタンピーが、ジョーの命を預かっていることを見せ、財力に物を言わせて殺し屋を雇い、圧力をかけるネイサンに、劣勢を承知で脅しをかけるのでした。

その後、酒場で次の対策を思案していたネイサンは、”アラモの砦”を包囲した、サンタ・アナ軍が奏でた”El Deguello/皆殺しの唄”を演奏させます。

その意味をコロラドから聞いたチャンスは、ネイサンの考えを知り、落ち着かない時を過ごすのでした。

 

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気晴らしにホテルに向かったチャンスは、買い戻しておいた二挺拳銃をデュードに渡し、彼の身なりも整えさせようとします。

風呂に入り、服を着替えてフェザーズにヒゲまで剃ってもらったデュードは、事務所の入り口でスタンピーに発砲されてしまいます。

酒浸りで野良猫のようだったデュードだと、見分けがつかなかったスタンピーは、くどくどと彼の不甲斐なさを話し始め、立ち直りかけたデュードの気分を害してしまいます。


7)デュードの危機

翌朝、気分が優れず苛立つデュードは、不意をつかれてネイサンの手下に捕まってしまいます。

銃を隠し持って町に入ったネイサンの手下は、隙をついてチャンスに銃を突きつけます。

それを知ったコロラドは、フェザーズの協力でチャンスにライフルを投げ渡し、その間にコロラドが早撃ちで敵を倒しました。

 

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縛られていたデュードを助けたチャンスでしたが、立ち直る自信をなくし、弱音を吐くデュードに厳しい言葉をぶつけるます。

デュードはチャンスを殴り、彼は立ち直れないデュードを見限り、保安官補を辞めようとする彼を止めようとしません。

チャンスは、倒した犯人が100ドル金貨を持っていたことを知り、殺し合いを見たフェザーズは動揺してしまいます。

ネイサンから見て、コロラドはチャンス側だと判断されることになり、彼は保安官補になるために事務所に向いました。

デュードは、保安官補になったコロラドを見て、バッジを外して酒を手にしますが、その時、”皆殺しの唄”が聴こえてきます。

デュードはそれを聞いた瞬間、手の震えが止まりついに立ち直ることができました。

頼もしさの戻ったデュードとコロラドが加わり、チャンス側に余裕が出て、陽気なムードに包まれる事務所でした。

 

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8)決着の時

しかしながらその後、カルロスと妻コンスエラがネイサンの手下に脅され、デュードとチャンスは罠にはまり、デュードが捕らえられてしまいました。

手下達にジョーの釈放を要求されたチャンスに、それを承諾するようデュードが説得します。

スタンピーの出方を知るデュードは、事務所で彼が手下を倒すと考えていたのです。

チャンスは事務所に向い、思惑通りスタンピーとコロラドが手下を倒しますが、デュードは連れ去られてしまいます。

それを知ったチャンスは、カルロスに、ネイサンの様子を見に向わせました。

ネイサンは、デュードと交換でジョーの引渡しを要求してきたため、決着の時と見たチャンスは、ジョーを連邦保安官に引渡すのを止めて対決に備えました。

町にネイサン一味が現れ、チャンスは、足の悪いスタンピーを置いて川辺の小屋に向かいます。

そして、デュードとジョーの引渡しが始まりますが、デュードの機転で彼がジョーを叩きのめして銃撃戦が始まりました。

 

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コロラドがデュードに銃を投げ渡し、スタンピーやカルロスまでもが現れ、チャンスとコロラドに加勢します。

ダイナマイトの積荷の、幌馬車近くにいたスタンピーの元に向ったチャンスは、スタンピーのアイデアでダイナマイトを使い、ネイサン一味が立てこもる倉庫を吹き飛ばしました。

そしてネイサンは観念して、町に平和が訪れました。


9)エピローグ

全てが解決したチャンスでしたが、フェザーズが旅立とうとすることが気がかりでした。チャンスは、デュードとスタンピーに促され、仕方なくフェザーズの元に向かいます。

しかし、口下手なチャンスは、まともに愛を語ることができず、終いには、肌を露にしていたフェザーズに、”人前に出たら逮捕する”と言ってしまいます。

それを聞いたフェザーズは、それがチャンスの愛情表現だと知り二人は愛を確かめるのでした。

そして、チャンスは、フェザーズの脱いだタイツを窓から投げ捨てます。それを通りで拾ったスタンピーは、チャンスがフェザーズとうまくやっていることをデュードと共に確信するのでした。

 

 


3.四方山話

1)挿入歌

大勢の敵に囲まれ、孤立無援のチャンスたちは死をすぐそばに感じながら、ジュードがもどり、コロラドが正式に加わって、一時の安堵の中、『赤い河』でも使われた曲のアレンジ「ライフルと愛馬」、作者不肖の古い名曲「シンディ」を楽しく口ずさみます。
ここで、保安官を助ける面々に、歌手のディーン・マーティンとロックミュージシャンのリッキー・ネルソンが配役されている意味があって、一緒に愉快な歌声を披露します。そこに加わった、名脇役ウォルター・ブレナンの演技も素晴らしく、彼らが楽しく歌う様子を、ジョン・ウェイン演じるチャンスは、マグカップを手にニコニコと見ているのみ。
この味のある歌唱シーンは、西部劇映画のなかでも断トツに素晴らしい雰囲気を持っています。


2)「皆殺しの歌」

本作の後、ジョン・ウェインは、メキシコ軍とテキサスをメキシコから独立させようとするアメリカ市民の軍との死闘を、史実を基に描いた『アラモ』(1960年)を監督として完成させることになります。
その劇中で流れるのが、アラモ砦に攻め入る前にメキシコ軍が実際に演奏したという、スペイン語で“打ち首”を意味する曲のアレンジ版「皆殺しの歌」でした。『アラモ』における「皆殺しの歌」は、じつは本作『リオ・ブラボー』からの流用で、本作でもやはり、保安官事務所に立てこもったチャンスたちに宣戦布告をする意味で、「皆殺しの歌」が演奏されるのだ。つまり本作は、多勢に無勢の戦いを、史実にあるアラモ砦の攻防に見立てているのでした。


3)西部劇のゆくえ

おおらかな雰囲気と楽しい歌、たゆまぬユーモア。そう、『真昼の決闘』が西部劇というジャンルに反逆する映画であるなら、本作『リオ・ブラボー』は気のいい愉快な世界を描ききることで、西部劇本来の素晴らしさを見せつけ、娯楽性を極度に強調する、典型的でありながら特別な作品になったのです。
ジャンルとしての魅力の解体と再構築、それは西部劇におけるポストモダン的な取り組みだったといるでしょう。

本作はイタリアで大ヒットし、イタリア製西部劇マカロニ・ウェスタンの発生に大きな影響を与えたといわれます。

しかしながら、その後西部劇は衰退の一途をたどることになり、『真昼の決闘』がジャンル自体を否定したように、“旧き善きアメリカ魂”は、時代にそぐわないものとされ、観客の興味はより現代的なアクションや、アメリカン・ニューシネマなどへ移っていき、そしてマカロニ・ウェスタンも70年代には下火になっています。


4)バックル

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ホークス監督は失敗作となった 『ピラミッド』 (1955年) 以後、休養をしていたので4年ぶりの新作であり、ジョン・ウェインは 『捜索者』 (1956年) 以 後、敢えて非ウエスタンに出演していましたが興行的に振るわず、3年ぶりの西部劇でした。そして、この2人が組むのは 『赤い河』 (1948年)以来でした。ウェインは、『赤い河』 の主人公ダンソンの牧場マークが記されたバックルを着用していました。


5)ディーン・マーティン

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デュード役は、『赤い河』に出演したモンゴメリー・クリフトに断られましたが、『若き獅子たち』 (1958年)でクリフトと共演中だったディーン・マーティンがその話を聞き、自らホークス監督に売り込んで役を得ました。
落ちぶれた酔いどれ役がはまっているディーン・マーティンが、厳しいウェインと、人間味溢れる助手のウォルター・ブレナンに支えられながら、ようやく立ち直るシーンは、演技派としても十分通用する見事な演技であり、本業の甘い歌声も聴かせてくれています。


6)リッキー・ネルソン

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ニュージャージー州にて、バンド・リーダー、俳優の父親と女優の母親の次男として生まれました。家族が主演の番組 「陽気なネルソン」 (ラジオ:1949年~、TV:1952~1966年) に出演し、お茶の間のアイドルとなりました。
『三つの恋の物語』 (1953年)で映画デビュー。2作目の映画の本作『リオ・ブラボー』(1959年)は俳優としての代表作となりましたた。
その後、ジャック・レモンと 共演した 『南太平洋ボロ船作戦』(1960年)等に出演しましたが、本人は演技よりも歌を好み、歌手としての活動が中心となっています。
1957年にロック歌手としてデビューし、2曲の全米No.1ヒット「プア・リトル・フール」(1958年)、「トラベリン・マン」(1961年)を放った他、「ハロー・メリー・ルー」(1961年)等、生涯で全19曲をトップ10入りさせています。
1985年、飛行機事故により45歳で他界し、1987年にロックの殿堂入りをしました。


4.まとめ

上映からタイトルロールをむ含む5分間に、惨めな酔っ払い、保安官、殺人者などが登場し、物語のきっかけとなる事件がいきなり起きるのですが、気づくとこの間は、セリフが一言もなく、思わず画面に引き込まれてしまうという、見事な演出にまず脱帽しました。

 

 

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