映画『デイズ・オブ・サンダー』は、トム・クルーズ『トップガン』のカーレース版です?!

この映画『デイズ・オブ・サンダー(Days of Thunder)』は、監督はトニー・スコット、脚本はロバート・タウントム・クルーズ主演で。1990年に公開されたアメリカ合衆国の映画です。

目次

 

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1.紹介

クエンティン・タランティーノは本作をお気に入りの作品と述べており、本作は『グラン・プリ』や『栄光のル・マン』と並ぶ程大好きで、大きな予算、大スター、大監督であるトニー・スコットの存在ばかりが注目されていますが、本作は初期のアメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ作品の良い面を引き継いでいて、作中の何もかもを真剣に受け止めてしまって論ずる事がばかりが正しい事とは私は思わないとまで、コメントしています。


2.ストーリー

1)プロローグ

今年もストックカーレースの時期がやってきました。注目の的はデイトナで2年連続優勝の記録を持つチャンピオン、ラウディ・バーンズ(マイケル・ルーカー)です。絶好調のラウディは、今年も優勝を目指して疾走していました。

ノースカロライナ州の片田舎で畑仕事をするハリー・ホッジ(ロバート・デュヴァル)の所へ、ティム・ダランド(ランディ・クエイド)が訪ねてくます。ティムはストックカーレースに出場するため、ハリーに車を作ってくれと頼みます。断るハリーに、腕のいいドライバーがいるので、そいつを見て決めてくれないかとティムが言いました。

 

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2)テストドライブ

ハリーに頼まれ、ラウディは、しぶしぶ車を貸すことにしました。テストドライブのサーキットで待つ彼らの前に、バイクにまたがってコール・トリクル(トム・クルーズ)という青年が現れます。
ストックカーのことはテレビでしか見たことがないという。生意気な態度に、最初は使い物にならないと思っていたハリーでしたが、走らせると、そのタイムはラウディより速く、プロ顔負けでした。

 

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ハリーは復帰を決め、車を作ってもらえることになったコールは、ストックカーレースの世界に足を踏み入れるのでした。


3)低迷から連勝へ

コールは、熱意とは裏腹に勝つことはおろか、完走することすらできません。勝てないのは車のせいだとハリーを責めます。ハリーは辛抱強くコールと話し合い、お互いへの理解を深めていき、その結果、タイムはみるみる縮まっていきました。

 

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サウスカロライナ州ダーリントンでのレースで、一時、トップに躍り出たコールでしたが、アクシデントで3位に落ちてしまいます。怒り狂うコールを落ち着かせるため、ハリーは「特別なタイヤ」を履かせたから、危険なコーナーでアウト側から抜き去っても大丈夫だと言いました。
それは嘘でしたが、一歩間違えばコールの命はありません、コールはハリーを信じ、アウトからラウディを抜き去り、トップでチェッカーフラッグを受けました。

 

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4)大事故

連勝を続けるコールはデイトナへとやってきました。ラウディと激戦を繰り広げる最中、コース上でクラッシュが起こり、コースが煙で包まれてしまいます。煙の中に飛び込んだラウディに続くコールでしたが、目の前にはスリップしたラウディがいました。止まる暇もなく、彼の車に突っ込んで大事故を起こしてしまいました。

ヘリで病院に運ばれたコールは、そこでクレア・ルイッキー医師(ニコール・キッドマン)と出会います。コールとラウディの怪我は奇跡的に脳震とう程度で、レースにも復帰できると診断されました。

 

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仲直りの食事をしろと命令されたコールとラウディでしたが、一緒の車でレストランに向かうのが気に入らず、レンタカーを借りて2台で向かうことにしました。
彼らは公道にも関わらず、サーキットであるかのように、お互いに車をぶつけ合う。到着するころには、どちらの車もボコボコになっていましたが、2人の間には友情が生まれていました。

 

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5)恐怖

怪我で出場できないコールの代わりに、ラス・ウィラー(ケイリー・エルウィス)が新たに雇われました。そっけない態度にカチンときたラスは、コールに嫌味を言って立ち去るのでした。

ラウディの農場を訪ねたコールとクレア。その時、普段は船酔いなどしないラウディが酔ったと言いだします。クレアが検査してみると、ラウディは事故の後遺症により、脳内出血になっていました。その姿を見て、コールは恐怖を感じはじめました。

コールが出場していないあいだに、ティムはもうひとつチームを作っていた。ドライバーはあのラス。同じオーナーで、ふたつのチーム。ハリーはうまくいきっこないと心配します。

久しぶりに出場したコールは臆病になってしまい、本領を発揮できない。そんなコールに案の定、ラスは妨害をしかけてきます。
コールはわざとエンジンの回転数を上げて、エンジンをブローさせてリタイアしてしまいました。
そして、病院に行きたがらないラウディに入院を勧めてほしいというクレアの言葉にも、二の足を踏んでいました。


6)クレアの諫言

ラスのあからさまな妨害は続いていました。ピットストップでは邪魔をし、コースでは体当たりしてきます。コールはスピンしてコースアウトしてしまいました。
怒ったコールは、ウィニングランをしているラスに思い切り体当たりします。車は2台とも大破し、それを見たティムは激怒し、コールとハリーをクビにしてしまいました。

優しくしてくれるクレアの前で、不機嫌な態度をとるコール。そんなコールにクレアは厳しい口調で“あなたは怯えている”“レースに出る勇気がないならやめなさい”と言い放つ。その言葉で冷静になったコールは、ラウディの所へ行き、入院を勧めるのでした。


7)ラウディの願い

入院し、手術をすることにしたラウディ。彼はその代わりにコールに自分の車でデイトナに出場してほしいと頼んできました。コールは神妙な面持ちでしたが、それを承諾します。

コールはハリーのもとを訪ね、自分のクルーとしてラウディの車を調整してほしいと頼みました。拒み続けるハリーでしたが“レースが僕の人生だ。これを失いたくない”というコールの言葉に、もう一度、ピットへと戻ってくるのでした。


8)クラッシュの煙

デイトナ500がやってきました。ナーバスになり、ハリーの無線にも答えないコール。そんな中、第3コーナーでクラッシュが起こり、コースが煙に包まれました。

 

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煙の中を無事に通過できたコールは、ラウディとの事故の記憶を乗り越えることができ、快進撃を続け、トップのラスに追いつきます。そしてラスを追い抜き、ついにデイトナでチェッカーフラッグを受けるのでした。


9)エピローグ

歓喜に沸くチームクルーとクレア。その隅っこで、ハリーは静かに座っていた。コールはハリーの所へ行き、“ビクトリーレーンまで行こう”と肩をたたきます。2人は笑いながら、ビクトリーレーンまで走りだしました。

 

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3.四方山話

1)トム・クルーズ仕様

典型的な「トム・クルーズ仕様」です。トムの映画がワン・パターンというそしりはあるかもしれないけど、製作費6000万ドルの映画が1億5700万ドルの興収をあげたら立派なものね。大衆の歓喜する要素を捉えたトムの映画のエレメントは何か。アメリカの映画批評家ロジャー・イーバートが要約しています。

トム・クルーズが演じる若者の性格は作中最高の実力を持つ可能性のある、素朴で自然な才能のある“子供”」
「指導者となる壮年男性は若者が来るはるか以前からその世界で仕事し、若者の才能を見抜く」劇中のハリー(ロバート・デュバル)です。
「特別な女性の存在。指導者が若者を身体面で指導するなら、彼女は精神面で支えていく」。
「専門技能の習得」
「若者の実力が試される舞台の設定」
「悪役。若者を挑発し鍛錬に向かわせる原動力となる」。まだいくつかありますが、これらいくつかのエレメントを巧みに組み合わせたトムの映画は、彼がセルフ・プロデュースの達人であることを再確認させます


2)3度の公開延期

なぜこんなことになったのかというと現場が混乱しまくったためであり、前述した通り元はウォーレン・スカーレンが脚本を書いていたのですがトム・クルーズの眼鏡に適わず、ハリウッド有数の脚本の直し屋であるロバート・タウンが全面的な脚本の書き直しを始めたのは、なんと撮影が始まってからでした。

決定稿がないということは、すなわち完成作品の青写真がないということであり、どのショットを撮るかを巡ってトニー・スコット、ドン・シンプソン、ジェリー・ブラッカイマーは常に揉めており、時にはその争いにロバート・タウンまでが加わることもあって、撮影は常に遅れ気味でした。

上が揉めている間、スタッフ達はやることがなくただ待っている状態となり、日々膨大な人件費が浪費されていました。当初3500万ドルだった製作費は6000万ドルにまで膨れ上がっていました。


3)クライマックス

このドラマが結実するのがクライマックスのレースなのですが、これが実に素晴らしい見せ場で五感を楽しませてくれます。

適切なショットの積み重ねによってレース場の熱狂を切り取ると、まもなくレース開始。レース場面にはスピード感や臨場感がみなぎっており、さすがは映像派トニー・スコットという職人技を拝むことができます。

そして、数か月前にコールがトラウマを受けたのと似たようなシチュエーションが発生し、これを切り抜けた瞬間に高鳴るメインテーマには鳥肌が立ちます。

本作はハンス・ジマーが音楽を手掛けた初のジェリー・ブラッカイマー制作作品だったのですが、音楽によって映像を支えるというジマーの仕事ぶりは本作の時点で完成されています。この後、ブラッカイマーがジマーを手放せなくなったことには納得がいきました。

 

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4.まとめ

2020年は日本でのNASCAR中継がなくなったのは残念ですが、本作を観てライブそのものを観ている気分になれました。モータースポーツが好きな方の琴線にさわる映画です。

 

 

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