映画『ハチ公物語』誰もが知っている渋谷駅前の「ハチ公」のお話です!!

この映画『ハチ公物語』は、原作・脚本新藤兼人、監督は神山征二郎により、主演仲代達矢、共演八千草薫で1987年に公開された映画作品です。

飼主が亡くなってからも、渋谷の駅で主人を待ち続けた秋田犬ハチの実話を取り巻く人と犬の交流を描いています。

目次

 

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1.紹介

実在した伝説の忠犬「ハチ公」の生涯を完全映画化した作品で、後にハリウッドでもリメイクされました。ハチ公の誕生から大学教授との運命の出会い、教授の死後もなお渋谷駅に通い続ける様子などが描かれます。


2.ストーリー

1)プロローグ

大正12年12月、秋田県大館のある屋敷で秋田犬が子犬を生みました。

県庁の土木課に勤める間瀬課長(高橋長英)は、犬好きの知り合いに連絡します。間瀬からの電話を受けたのは、東京帝国大学農学部教授・上野秀次郎(仲代達矢)の娘の千鶴子(石野真子)でした。

千鶴子は、純粋な秋田犬に惹かれ、旅行中の両親の泊まる旅館へすぐさま電話をかけます。母・静子(八千草薫)は、前に飼っていた犬・ゴンスケが死んだ時に悲しかったので、もう犬は飼いたくないと言っています。しかし父は、千鶴子が面倒を見るなら、という条件で犬を飼うことを認めました。


2)ハチ来る

後日、秋田犬は列車で大館から渋谷まで運ばれました。犬が到着する日、千鶴子は婚約者の森山積(柳葉敏郎)とのデートの予定が入ってしまい、犬の迎えを使用人の尾形才吉(尾美としのり)に頼みました。

犬が怖い才吉は、近所の植木屋の主人・菊さん(長門裕之)に一緒に来てもらいます。

菊さんがかごの中を覗くと、犬はぐったりしていて死んでいるように見えました。しかし、上野家へ運び、上野教授が牛乳を与えると、犬は元気に牛乳を飲み始めました。

 

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その晩、森山は上野教授に千鶴子が自分の子供を妊娠したことを告げ、結婚を申し込みました。

そして、出勤前の上野教授は、犬が足を八の字にして踏ん張っている姿を見て、「ハチ」と名付けました。


3)愛されるハチ

千鶴子と森山は結婚式を挙げ、熱海に新婚旅行へ行きました。千鶴子は新居にハチを連れて行きません。

静子はハチを他の人に譲ることを提案しましたが、上野教授は自分で飼うことを決めました。

彼は毎日ハチの散歩をし、初めは小さかったハチも日に日に大きくなっていきました。

上野教授は、毎朝渋谷駅までハチと一緒に行き、彼が改札に入るとハチは一人で家に戻りました。そして、上野教授が帰ってくる時間になると、ハチは駅まで迎えに行きのでした。

 

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正月に千鶴子たちが孫を連れて遊びに来ています。上野教授は、孫もそっちのけでハチのノミ取りに夢中で、ノミ取りが終わったら、ハチと一緒に風呂まで入る姿を見て、千鶴子は呆れてしまいます。

嵐になった夜中、上野教授は雨の中、外に出てハチを家の中に上げます。リビングで火をおこし、彼もソファでそのまま眠ってしまいました。その姿を見た静子は、夫のハチへの溺愛ぶりにさすがに嫉妬してしまいました。


4)教授の死

大正14年5月21日。いつも通りの日常だが、ハチが突然吠え始めた。大学で授業中の上野教授は、教団の上で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。

夕方、ハチはいつものように駅で上野教授を待っています。上野教授が現れずハチが家に戻ると、彼の棺が運び込まれていました。葬式が始まると、ハチは祭壇の前まで上がって行って鳴いきました。その姿を見て、静子は涙を流すのでした。

上野教授の遺体を乗せた霊柩車が出発すると、ハチは鎖を引きちぎり、車を必死に追いかけました。


5)尽きぬ思い

一人家に残された静子は、千鶴子の家に行くことになりました。今の家には上野教授の面影が残っているのが辛く、売ってしまうということになり、使用人たちも解雇して、ハチは浅草の叔父の家に預けることになりました。

菊さんが、ある夫婦に上野教授の家を案内していると、家の前にハチが現れました。夫の方は犬が大嫌いで、犬が来るならこの家は買わないと言いました。静子は叔父の家にハチを連れ帰りましたが、ハチは脱走を繰り返しました。

上野教授の家には先日の夫婦が越してきて、夫がハチの小屋を壊しています。ハチを見つけた菊さんは、慌ててハチを追いやりました。それでも家の前に来てしまうハチを見かねて、菊さんはハチを自分の家に連れて帰るのでした。


6)ハチの行方は

静子が菊さんの家に上がり、娘家族が外交官である夫の仕事の都合で海外に行くという話をしています。静子は、実家の和歌山に帰って、年老いた母と暮らすと言います。静子は菊さんにハチを任せたいと申し出て、静子の事情を汲んだ菊さんの妻が快く受け入れました。

静子が外に目をやると、ハチの姿はありませんでした。菊さんは、「毎日夕方になると、駅の改札で待っている」と言います。ハチは、今でも駅で上野教授の帰りを待っているのでした。

ある日、菊さんも心臓発作で急逝し、菊さんの妻も実家に帰ることになり、ハチは野良犬となりました。

昭和3年12月、朝日新聞の記者がハチの元に現れ、ハチのことを新聞に大きく載せました。それを見た静子はハチの元へ飛んできました。

静子はハチと一緒に旅館に泊まろうとしましたが、ハチは静子を避けて逃げました。静子は3日間ハチを探しましたが、見つけられないまま実家へ戻りました。

それを、駅前屋台の留さん(山城新伍)はハチは自由でいたかったのかもと言いました。

 

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7)エピローグ

昭和10年3月8日、やつれたハチは、雪の舞い散る渋谷駅の改札前で、静かに息絶えているのが発見されました。上野教授との楽しかった思い出を回想しているかのように永眠しました。

 

 

 

 

 

3.四方山話

1)制作

プロデューサーの奥山和由は、松竹社内でこの作品の企画を出しましたが資金面の問題で却下されました。ならば外部作品の形で作ろうと考え、舞台の渋谷にちなみ東急グループに出資を依頼するべく、東急レクリエーションの社長も兼務していた岡田茂に橋渡しを頼みました。

岡田はこの依頼に応え五島昇を紹介し、東急グループは出資を決め、さらに三井物産も製作に参加します。これを聞いて松竹は最後に出資を決定しました。『ハチ公物語』は異業種が映画ビジネスに算入した初の邦画といわれます。


2)共演

仲代達矢は、助演男優ともいえる秋田犬ハチとの共演については、「ひざをぽんぽんと叩くと、綱を引かないでもついてくる。そうなるまで、約20日間訓練しました」と告白しています。

訓練風景を聞かれると「初めは全然言うことを聞かないんです。そうしたら犬の先生が、『四つんばいになってください。それで一緒に遊んでいると、だんだんなついてきますよ』と。20日間泥だらけになって、ハチ公と遊んで、やっと慣れてきました」と嬉々として語り、「立ち上がっても横についてきたときは、嬉しかったですね。それでかわいくなりました」とほほ笑んだそうです。

 

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3)ハチの最期

1935年(昭和10年)3月8日午前6時頃、約10年にもおよぶ駅で待つ日々は終わりを告げました。

ハチは、渋谷川にかかる稲荷橋(現在の渋谷警察署向かい側付近)の近くで冷たくなっている所を発見されました。

この付近にはハチは通常行かなかったそうです。11年3ヶ月26日でその生涯を閉じましたが、なぜ普段は足を運ばなかった場所にハチがいたのか、それは生前お世話になった人々に最後の挨拶をして回っていたからだという説があります。

ハチを知る地元の人々はハチの逝去を悼み、そしてハチの博士を思う純粋な忠誠心に対して敬意を表し、ハチの亡骸に手を合わせました。そしてハチに畏敬の念をこめてハチ公と呼ぶようになりました。

告別式は渋谷駅にて、人間と同じように執り行われたそうです。午後1時には僧侶が訪れ、ハチ公像は花で埋め尽くされました。ハチ公は本当に人々に愛されていたのでしょう。

 

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4)ハチ公の死因

ハチ公の死から13時間後、遺体は東京帝国大学にて病理解剖されました。その際、心臓や肝臓には大量のフィラリアが寄生しており、腹水が溜まっていたことが判明しました。

さらに胃の中からは焼き鳥の串と思われるものが3~4本残っていて、それが消化器官を傷つけたのではないかとも考えられていました。そのため、死因はフィラリアまたは消化器官損傷によるものと考えられてきました。

ハチ公の内臓はホルマリンに漬けられ大学で保存され、2011年、東京大学によりMRIや高度顕微鏡などで再度検査したところ、ハチの心臓と肺に大きな癌があることが発見されました。

フィラリアは中程度であったため、現在では、直接の死因はおそらく癌によるものではないかと考えられています。

 

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4.まとめ

南極物語』(1983年)タロ・ジロは樺太犬の役用犬、本作『ハチ公物語』(1987年)ハチ公は秋田犬の忠犬、『クイール』(2004年)クイールラブラドール・レトリーバー盲導犬、『DOG×POLICE 純白の絆』(2011年)シロはアルビノのシェパードの警備犬と、様々な犬種と役務で人間との関わり合いが映画化されてきました。

それぞれに心打たれ、涙をさそいました。

犬、なんと愛おしい生き物なんでしょう!!

 

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