映画『バットマン リターンズ』アンチヒーローは交代しても魅力的です?!

この映画『バットマン リターンズBATMAN RETURNS)』は、1992年のアメリカ映画で、1989年の映画『バットマン』の直接の続編です。

監督は、前作に同じティム・バートン、主演も続いてマイケル・キートンで、『カッコーの巣の上で』のダニー・デヴィート、『危険な関係』のミシェル・ファイファー、『ディア・ハンター』のクリストファー・ウォーケンらが、共演しています。

目次

 

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1.紹介

ティム・バートン監督ならではの世界観が、前作をも上回る異様さを放ち、悪役の描写に比重が置かれていて、まるで、バットマン狂言回しとなっている様にも見えてしまいます。

ストーリーやキャラクターも、主役のバットマンより敵役に重点が置かれていて、ペンギンはかなりグロテスクですが、対照的にキャットウーマンは洗練されています。


2.ストーリー

1)プロローグ

雪の降る日、タッカー・コブルポット卿(ポール・ルーベンス)の屋敷で、夫婦の間に子供が産まれました。その子供は、奇形児として生まれ、夫婦はその子を檻に閉じ込めましたが、近づいた猫が檻の中へ引きずり込まれました。
やがて、その夫婦は、その子を乳母車に乗せ、夜道を早足で橋の上に着くと、あたりを見渡し運んできた乳母車を川へと放り捨てました。

流されていく乳母車からは子供の鳴き声が響き、川を下り、やがて、赤ん坊は、ペンギン達が生息する下水道へと流されていきました。


2)大騒ぎのクリスマスイベント

それから33年が経ち、クリスマスを控えて賑わうゴッサム・シティに、ペンギン怪人の噂が広まっていました。

シュレックデパートの最上階にある会議室では、市長(マイケル・マーフィー)とマックス・シュレッククリストファー・ウォーケン)たちによる原発設置の会議が行われていました。お茶汲み役のセリーナ・カイル / キャットウーマンミシェル・ファイファー)は、不注意にも口を挟み、失笑されます。

そこにマックスの息子チャールズ “チップ”・シュレック(アンドリュー・ブリニアースキー)がやってきて、クリスマスイベントのスピーチの時間だと父に告げます。

会場に移動した市長らは舞台に上がりスピーチを始めました。マックスの順番が終わると、会場の外から包装された大きな箱が運ばれて、突然爆発します。それと同時に仮装した男たちが現れ、バイクを乗り回したり銃を乱射して、会場は大混乱に陥りました。


3)バットマン登場

駆けつけた警官は無線で警察署に「合図を送れ」と要請します。スポットライトが夜空を照らし、バットシグナルが浮かび上がりました。邸宅で眠っていたブルース・ウェイン / バットマンマイケル・キートン)が目覚め、合図に応じたバットマンバットモービルに搭載した兵器で敵を次々と蹴散らしていきました。バットマンが警官から状況を聞くと、混乱に乗じてマックスが拐われたと言いました。

 

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拐われたマックスが連れてこられたのは、仮装した連中のアジトで、そこにはペンギンのような姿をした男がいました。地下暮らしを止め、人間として生きて尊敬されたいと言うペンギン怪人(ダニー・デヴィート)は、マックスの会社の悪巧みの証拠と引き換えに協力しろと脅しました。


4)キャットウーマン誕生

ある日、仕事を終え自宅に帰ったセリーナが愚痴をこぼしながら留守番電話のメッセージを再生していると、彼女はやり残した仕事を思い出し、慌てて会社に引き返します。仕事に必要な情報を得るために資料を漁っていると、原発設置に関した不正を見つけてしまい、戻ってきたマックスにそれを悟られてしまいました。

セリーナは、口封じのために窓から突き落とされました。絶命したかに見えた彼女でしたが、集まってした猫に噛まれると息を吹き返しました。蘇ったセリーナは自宅に戻ると家にあったものを手当たり次第に壊し、それから裁縫を始めます。完成した真黒なスーツを着込んだセリーナの姿はまるで猫のようでした。

 

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5)ペンギン登場

クリスマスを祝い、街の安全を祈る市長の演説中に、ペンギンの部下が市長の子供を誘拐します。その子供を部下から引き受けたペンギンは子供を抱えて現れ、自分が子供を救ったと主張しました。ペンギンの自作自演を真に受けたマスコミが取り上げます。そして、ペンギンはテレビに向かって両親を探していると語ります。それを見たブルースは、ペンギンに関心を寄せるのでした。

 

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一方、街の路地裏で通行人の女性が襲われそうになっていた。黒いスーツを着込んだセリーナが女性を救い、助けた女にキャットウーマンを自称しその場を去りました。


6)ペンギンの企み

ペンギンに近づくマックスを怪しむブルースは、原発設置反対派に立ってマックスと論じ合います。議論は平行線を辿ったまま終着点が見えなかったのですが、セリーナの登場で一段落つきます。マックスは驚き、ブルースは彼女に見惚れました。ブルースは、セリーナの案内でその場を後にします。二人きりになると、セリーナはブルースにマックスと取引する人には見えない、と言い、ブルースもマックスに仕える人には見えない、と彼女に返すのでした。

マックスはペンギンを煽てて市長に仕立てようと企てます。その気になったペンギンはマックスと共に市長をリコールする策を練ることになりました。

一方、キャットウーマンはマックスデパートに忍び込んで爆弾をしかけます。ペンギンは、市長の信用を失落させるため部下を街中で暴れさせ暴動に見せかけようとしていました。そこにバットマンが現れ、二人はバットマンが自分たちの計画の最大の障壁であることを認識し、彼を悪役に陥れるために結託しました。

 

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7)剥がれた化けの皮

ブルースはバットマンが人浚いをしたという報道を聞いて、街に向かいます。するとそこにはキャットウーマンがいて、女性を誘拐していました。誘拐された女性はペンギンの手によってビルから突き落とされ、バットマンはその犯人に仕立て上げられてしまいます。

市民に敵意を向けられてしまうバットマンでしたが、ペンギンの市長選の演説の最中、彼が市民を侮辱した音声記録を市民に聞かせることでこれに対抗します。市民から敵視されたペンギンはその場を逃げ去りました。

ブルースはマックス主催のパーティ会場で、セリーナがマックスに復讐をしようとしていることに気づきました。セリーナに惚れていたブルースは説得を試みますが、彼女は応じません。


8)ペンギンの逆襲

会場内で突如爆発が起こり、それと共にペンギンが姿を現します。マックスの息子を拐おうとするペンギンに、マックスは自分を身代わりにしました。自分の基地にマックスを連れ込んだペンギンは、彼に自分の計画を話します。これから街中の子供たちを浚ってきて、マックスの会社が出す排水に沈めるつもりでした。

街ではペンギンの部下が暴れ回り、ペンギンは沢山のペンギンロケットを打ち上げます。人間に拒まれたペンギンによる人間への復讐でしたが、バットマンの活躍により、それも失敗に終わりペンギンは、バットマンとの対決に破れました。


9)マックスの最後

一方、捕らえられていたマックスは自力で脱出を図りますが、またしても何者かによって浚われてしまいます。連れてこられた場所は、彼が作った地下発電施設で、犯人はキャットウーマンでした。キャットウーマンがマックスを手にかけようとするところにバットマンが駆けつけました。

彼はキャットウーマンを止めるためにマスクを脱いで説得します。キャットウーマンの隙をついて、マックスが隠し持っていた銃で二人を撃ちました。バットマンは被弾し、倒れます。キャットウーマンも銃弾を受けますが彼女はこれを耐え、マックスに向かっていくと、発電施設を爆発させ、マックス諸共閃光の中に消えました。

 

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10)エピローグ

ゴッサム・シティは、また一つの困難を乗り越えました。

ルフレッドの運転で街を移動していると、ブルースは一匹の猫を見つけました。車を止めさせ、猫を抱えて車に戻ると空にはバットシグナルが浮かんでいました。

しかし、そのサインを見たのは彼だけではありません。街の片隅に、空に浮かんだコウモリの姿を見上げるキャットウーマンがいました。

 

 

 

 

 

3.四方山話

1)撮影

当時は珍しかったCGが導入されて、オープニングタイトルの三次元的変形に、コウモリや武装ペンギンの大群、バットモービルのシールドモードやバットミサイルへの変形などに活用されています。


2)キャスティング

本作ではキャットウーマンとペンギンのダブル悪役が採用されており、以降のシリーズのスタンダードとなりました。

キャットウーマン役にはアネット・ベニングが予定されていましたが、妊娠の為に降板し、代わりにミシェル・ファイファーが選ばれました。ベニングは後に『マーズ・アタック!』でティム・バートン監督作品に再び出演しています。

ペンギン役にはダスティン・ホフマンマーロン・ブランドなど数々の大物俳優たちが候補に挙がっていましたが、最終的に個性派俳優のダニー・デヴィートが選ばれました。


3)ペンギン役 ダニー・デヴィート

賛否両論の、悪く言えばおぞましくも見えるペンギン役のダニー・デヴィートですが、小柄で小太りの彼の体型がペンギンのイメージによく合い、アカデミー賞候補にもなった見事なメイクで、主演と言っていいほどの奮闘を見せました。

ダニー・デヴィートは、ジャック・ニコルソンと『カッコーの巣の上で』で共演して以来の親友で、『ホッファ』(兼監督)や『マーズ・アタック!』で共演しています。本作の悪役ペンギン役にデヴィートを推薦したのは前作で悪役ジョーカーを演じていたニコルソンでした。


4)キャットウーマン役 ミシェル・ファイファー

ペンギン役を上回る熱演を見せた、キャットウーマン役のミシェル・ファイファーが、本作では最も印象に残ります。自作の微妙に雑な縫い目のボディスーツとマスクのセンスの良さがポイントで、素顔の彼女よりも、マスクをつけている方が魅力的にも見えました。

ラストシーンも、彼女の後ろ姿で終わるところなどが、製作者側の、このキャラクターへの入れ込みようがよく分かります。

危険な関係』(1988年)でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、英国アカデミー賞 助演女優賞を受賞しています。『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(1989年)と『ラブ・フィールド』(1992年)でアカデミー主演女優賞にノミネートされました。また、前者の作品でゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門)を、後者の作品でベルリン国際映画祭女優賞を受賞しています。

1990年と1999年の『ピープル』誌による「世界で最も美しい人物」に選ばれ、表紙を飾りました。

 

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4.まとめ

ジョーカーの次はペンギンと悪役の系譜は続いてきたばかりか、キャットウーマンが加わりちょっと複雑な関係になりました。

それにしても、終盤からは、ティムバートン色全開でビジュアルや世界観を前作より踏襲し、さらに深化して、以降シリーズに残したものは多い作品となりました。

 

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