映画『突破口』ハードボイルドっぽい良くできた逆転犯罪映画です?!

この映画『突破口!(Charley Varrick)』は、1973年制作のドン・シーゲル監督、ウォルター・マッソー主演のアメリカ合衆国のアクション・ギャング映画です。

目次

 


1.紹介

1968年に発表された、ジョン・H・リーズの小説”The Looters”を基に製作された作品で、製作、監督のドン・シーゲルをはじめ2年前に公開された『ダーティハリー』(1971年)のスタッフ、キャストの何人かが参加した作品です。

いかにもドン・シーゲルらしい、飛行機をうまく使ったハードなアクションも見応えがあります。


2.ストーリー

1)プロローグ

元スタント・パイロットのチャーリー・ヴァリック(ウォルター・マッソー)は、妻のナディーン(ジャクリーン・スコット)とハーマン・サリヴァン(アンディ・ロビンソン)らと共に小銭の狙って地方の小さな銀行を襲います。

 

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2)襲撃の失敗

しかし、使った盗難車のナンバーから警察に気づかれてしまい、ナディーンは重傷を負ってしまいます。現金を奪うことに成功したヴァリックらは逃走しますが、途中でナディーンは息を引き取ってしまいます。

逃走した車に爆薬を仕掛けて、ナディーンの遺体を残し、チャーリーとハーマンは農薬散布会社の車に乗り替え、警察の捜査網を突破して逃げ切りました。

 

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3)驚きの戦利品

隠れ家に戻ったチャーリーらは、奪った現金が7万5000ドル以上の大金だったので驚きます。小さな銀行なので、せいぜい3万ドルくらいの現金だと踏んでいたチャーリーは、2000ドルの被害というニュースの報道も気になりました。

盗んだ現金が、マフィア絡みかと心配するチャーリーは、金を返すことも考えますが、ハーマンは反対し、ハーマンは、飛行機が操縦できるチャーリーに、メキシコへの逃亡を提案しました。

 

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その後、チャーリーは歯科医院に侵入し、焼死体で発見されたナディーンのカルテを抜き取り、ついでに自分のとハーマンのカルテをすり替えました。


4)マフィアの追手

銀行家でありながら、マフィアと関係しているメイナード・ボイル(ジョン・ヴァーノン)は、殺し屋モリー(ジョー・ドン・ベイカー)に犯人の追跡を任せます。

 

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ボイルは、今回の件で、自分達が組織から疑われていることを、銀行の支店長ヤング(ウッドロー・バーフリー)に伝えました。

チャーリーは、写真家のジュエル・エヴェレット(シェリー・ノース)を訪ね、偽造パスポートを作らせます。

そこを探ったモリーは、チャーリーの隠れ家を見つけてハーマンを殺しました。


5)罠、続いて罠

チャーリーは逃走の準備を進め、ボイルと連絡をとるために、彼の秘書シビル・フォート(フェリシア・ファー)に近づきます。

 

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ボイルを飛行場に呼び寄せたチャーリーは、モリーが見ていることを承知で、ボイルと親しげな態度をとりました。

モリーは、それを見て二人が組んでいると決めつけ、ボイルを車で轢き殺してしまいます。

飛行機で逃げようとするチャーリーを、ついに追い詰めたモリーは、金の在り処を聞き出しますが、チャーリーの仕掛けた罠でモリーは爆死しました。


6)エピローグ

そしてチャーリーは、燃え上がる車に、歯科医のカルテでは、死んだことになっているハーマンの死体を残し悠然と立ち去るのでした。

 

3.四方山話

1)カメオ出演

ヒッチコックをオマージュしているのか、ドン・シーゲルが、賭けピンポンをしている場面で目立たなく出演しています。


2)ドン・シーゲルの転機

本作は、それまで雇われの職人監督であったシーゲルが『ダーティハリー2』の依頼を断り、自身のプロダクションを立ち上げて作った作品です。アメリカではクエンティン・タランティーノが『パルプフィクション』の台詞でオマージュを捧げています 。


3)主役

ドン・シーゲルらしい、明快な筋立てやハードなアクションも見応えがあって、思わず、主演がクリント・イーストウッドであったならと想像してしまうほどです。

ドラマの中で、偽造パスポート屋のシェリー・ノースのところを訪ねたジョー・ドン・ベイカーが名を名乗ると、彼女が振り向きもせずに、「クリント・イーストウッドじゃないわね」というシーンもありました。

そのイーストウッドとは全くタイプの違う、ウォルター・マッソーが、一発逆転の仕掛けで完全犯罪を仕込んでゆき、なかなかクールに演じています。


4)脇役

ダーティハリー』のスコーピオン役や本作のハーマン役のようにちょっとイカれたヤカラが適役のアンディ・ロビンソンはここでも見事にハマっています。

 

 

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4.まとめ

売り物の飛行機VS自動車チェイスですが飛行場でもない荒れ地の追っかけっこなら、飛び上がらない限り勝負は自動車が圧倒するはずで、その辺が少し不満だったのですが、そこは上手にひっくり返って決着しました。

ストーリー、アクション、キャストとこの時代としては、申し分のない良作でした。

 

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