映画『マッドマックス』世紀末荒廃ステージ映画のレジェンドです?!

この映画『マッドマックス(Mad Max)』は、監督ジョージ・ミラーで、主演を務めたメル・ギブソン出世作品となった、1979年公開のオーストラリアのアクション映画です。

目次

 


1.紹介

本作は、低予算のB級映画的作品ではありますが、そのものを直接映す残虐シーンはほとんどありません。1970年代末の時代を考えると、そのどぎつい映像はかなり衝撃的でした。

当然、本作はメジャー作品とは扱われず、比較的に早めに公開された日本での好評により、後に全世界で話題になり、65万ドルで製作された作品は、全世界で1億ドルを稼ぎ出す大ヒットとなりました。

後にシリーズ化され、特殊撮影や舞台設定など、国内外の多くの作品に影響を与えました。


2.ストーリー

1)プロローグ

現在から数年後のこと、特殊警察M.F.P.(Main Force Patrol)の警官マックス・ロカタンスキー(メル・ギブソン)は、暴走車で凶悪犯罪を繰り返すクロフォード”ナイトライダー”モンタザーノ(ヴィンセント・ギル)を追跡しました。

そのナイトライダーは、マックスに追いつかれて観念したものの、ブレーキを踏み誤り激突死しました。

 



2)暴走バイク集団

マックスは、妻ジェシー(ジョアン・サミュエル)と幼い息子とで暮らしていましたが、彼女は夫の仕事に不安を感じています。

 

 

同僚ジム・グース(スティーヴ・ビズレー)に呼び出されたマックスは、特別に改造された車を見せられました。それは、警部のフィフィ・マカフィー(ロジャー・ワード)らが、マックスを辞めさせないために考えたことでした。

フィフィは、ナイトライダーの仲間に狙われていることをマックスに伝えますが彼は気にしませんでした。

町に現れたトーカッター(ヒュー・キース・バーン)率いるバイク集団は、ナイトライダーの遺体を確認します。その場の怪しい雰囲気に、逃げ出したカップルの車を、ライダーらは追って、二人に襲い掛かり暴行しました。

報告を受け事件現場に向かったマックスとグースは、その場でラリっていたライダーのジョニー・ザ・ボーイ(ティム・バーンズ)を見つけて暴行された女性を保護します。

ジョニーがナイトライダーと叫んでいるため、マックスは例の追跡事件の件を思い出しました。

 



3)グースのご難

その後、ライダーの目撃者などが恐れをなして現れなかったため、ジョニーは不起訴となり釈放されてしまい、それに納得いかないグースは猛抗議しました。

 

 

ジョニーは仲間達の元に戻り、トーカッターは警察への復讐を誓います。

街道を走行中のグースは、ジョニーにバイクを細工されていたため転倒します。トラックを呼びバイクを運んだグースは、待ち構えていたジョニーに物を投げられて転倒し、トラックの下敷きになりました。

トーカッターは、ガソリンが漏れるトラックに火を放つようジョニーに命令し、グースは炎に包まれます。

病院に向かったマックスは、一命は取り留めたものの、全身焼けただれたグースの姿を見てショックを受けました。

辞職を決意したマックスは、それをフィフィに伝えるが許可してもらえません。考えが変わらないことを知ったフィフィは、数週間休暇をとり、それでも辞めたければ受け入れるとマックスに伝えるのでした。


4)ジェシーの危機

ジェシーと息子を連れて旅に出たマックスは、心癒される時を過ごします。

修理屋でマックスがパンクを直す間、ジェシーは息子を連れて海岸の店にアイスクリームを買いに行きました。

海岸にいたトーカッターは、ジェシーに近づいて迫りますが、彼女は抵抗してその場から逃げ、マックスの元に戻ったジェシーは危険を知らせ、彼を乗せて走り去りました。

その場に追いかけて現れたトーカッターは、逃げた者達が北に向かったことを修理屋から聞きます。

逃げ切ったマックスは、ジェシーが、チェーンに絡まってもぎ取られた手に気づいたため不安を感じるのでした。

その後、マックスらは友人の老婦人メイ・スエイジー(シーラ・フローレンス)の隣の家を借りました。

浜辺で過ごしていたジェシーは、愛犬がいなくなったために家に戻ろうとします。その途中ジェシーは、森で何者かに追われて愛犬の死体を見つけ、メイの息子ベンノに出くわして驚き叫び声を上げます。


5)マックスの絶望

それを聞いたマックスは、戻って来たジェシーをメイに任せて森に向かいました。息子がいないことに気づいたジェシーは、探し廻ったのですが、トーカッターらが息子を捕えていました。

脅されたジェシーでしたが、現れたメイが発砲し、それを聞いたマックスは引き返します。メイは、トーカッターらに銃を向けて納屋に閉じ込め、ジェシーと共に車で逃げました。

その場から脱出したトーカッターらはジェシーらを追いかけます。車が故障したためジェシーは息子を抱いて逃げることになってしまいます。

 

メイがトーカッターらに発砲しますが、彼らは容赦なくジェシーと息子を轢き走り去りました。

マックスは追いつき、ジェシーと息子の姿を見て絶望するのでした。

病院に運ばれたジェシーは意識不明の重体でしたが、息子は死亡しました。


6)報復の報復

それを知ったマックスは、武装して改造されたパトカー”インターセプター”に乗り、修理屋の元に向かいます。修理屋を痛めつけたマックスは、トーカッターらが燃料を奪いに行ったことを聞き出しました。

イカーらはタンクローリーのガソリンを奪い、その後を追ったマックスは次々と彼らを殺しますが、トーカッターらはマックスを待ち構え、罠にかけて傷つけました。

マックスは、向かってきたババ・ザネッティ(ジョフ・パリー)を射殺します。

負傷しながらインターセプターで追ってくるマックスに迫られたトーカッターは、対向車線のトラックに激突してしまいました。

 



5)エピローグ

その後、ジョニーを見つけたマックスは、足首に手錠をはめさせて事故車両に固定し逃げられないようにします。

漏れているガソリンにライターの火を仕掛けたマックスは、鋼鉄製の手錠は10分、足首なら5分で切れると言って立ち去ります。

その場を去ったマックスは後方に爆発音を聞き、インターセプターでアウトバックをひたすら走るのでした。

 



3.四方山話

1)メル・ギブソン

アメリカ生まれですが、父親の事業の失敗で1968年に家族でオーストラリアに移住しました。オスカー俳優のジェフリー・ラッシュとは大学時代のルームメイトだそうで、同じくアカデミー賞ノミネート女優のジュディ・デイヴィスらと共にオーストラリア国立演劇学院で学びました。

当時演劇学校に通う学生だったメル・ギブソンは、本作主演のオーディションに現れた彼はボロボロの服装でした。前夜に喧嘩をして、そのまま来たそうで、これを監督のミラーが気に入って主演が決まりました。


2)ジョージ・ミラー監督

オーストラリアを代表する映画作家の一人で、彼の長編処女作の本作は、オーストラリア映画の先駆け的作品であり、その存在は後世の創作物に、映画をはじめ大衆向けの文化全般にも少なからず影響を及ぼしています。今や映画史を語る上では欠かすこと不可避な存在であり、重要な位置を占めた意義深い作品です。

学生時代に短編映画を製作したジョージ・ミラーは、その作品がコンクールで最優秀賞に輝いたことを機に、映像業界に足を踏み入れます。数本の短編映画を製作したのち、商業用長編作品として最初に手がけたのが『マッドマックス』でした。

本作の脚本の“凄み”は、1970年代当時のオーストラリアで社会問題とされた暴走族と、その暴走族による非行、犯罪を、物語の深部に埋め込んだ点でしょう。

さらに、荒廃した近未来のオーストラリアを描き出し、俗に言う“世紀末”を普遍的な創作ジャンルとして確立させた事実は、このジャンルの揺籃的作品として大いに評価されるべき部分でしょう。


3)低予算映画

本作は、低予算映画で、その大半をフォード・オーストラリア製のファルコンXBを改造したインターセプターを始めとする車輌の改造に費やしたため、金銭的な余裕は無ありませんでした。

撮影の多くで既存の建物を利用していて、M.F.P.が入っていた司法省のビルは昔の水道局のものを、地下駐車場はメルボルン大学のものを使っていたそうです。

本作に登場する暴走族は、セリフのある者やスタントマンを除くとほとんどが本物だったため、現場には不穏な空気が流れていたそうです。

当時のオーストラリアで社会問題となっていた暴走族を登用することで映画に真実味を持たせ、さらに、彼ら素人を使うことで予算を安く上げるという思惑もありました。

ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年)に抜かれるまでは「制作費と興行収入の差が最も大きい映画」としてギネスブックに掲載されていました。


4)アクション・シーン

クライマックスのトーカッターとトラックの激突シーンの撮影は、車両が破損する事にトラックの持ち主が難色を示したため、車体前面に鉄製の頑丈なガードを取り付けて行われました。

ガードに貼り付けた板にはトラックのライトやラジエーターのイラストが描かれ、ライトが点灯したときの黄色い色までつけてありました。

衝突場面はロングショットでの撮影でしたが、そのままではあっけ無い最期となるため製作陣は剥き出た両眼のアップを挿入する事でショッキングさを強め、よりインパクトのある場面となるよう演出しました。この手法は後のシリーズにも活かされる事になりました。

スタントマンによるアクション・シーンでは、無謀な撮影により2名の死者が出たと噂され、DVDのコメンタリーでも「死者が出た」となっていましたが、グース役のスティーヴ・ビズレーや元撮影スタッフなどのインタビューなどでは否定されています。


4.まとめ

メル・ギブソンを発掘した監督ジョージ・ミラーの伯楽ぶりと、本作の世界的な成功がなければ、今のメル・ギブソンは存在していなし、”世紀末”荒廃世界映画のジャンルの誕生もなかったのではないでしょうか。

本作の意義深さは、まさにそこにあるのでしょう。

 

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