映画『リトル・ダンサー』家族愛と少年の夢が感動で描かれました!!

この映画『リトル・ダンサー(Billy Elliot)』は、監督スティーブン・ダルドリー、主演ジェイミー・ベルジュリー・ウォルターズ他の共演で、BBCフィルムズの製作・配給による2000年の感動ドラマです。

目次

 


1.紹介

バレエに興味を持った炭鉱の町で暮らす普通の少年が夢を実現させるために努力する姿と家族愛を描いています。

全世界で高く評価され、日本においても第13回東京国際映画祭で特別招待作品として上映されるなどしています。

500万ドルという低予算の作品でしたが、結果的にその20倍近い1億ドル超の興行収入を記録しました。イギリス内外問わず、約50の映画賞で100部門に迫るノミネートを受け、50近い賞を受賞しています。


2.ストーリー

1)プロローグ

1984年のイングランド北部、ダラムで、ストライキに揺れる炭坑の町で、母を亡くした11歳の少年ビリー・エリオット(ジェイミー・ベル)は、炭鉱夫の父ジャッキー・エリオット(ゲアリー・ルイス)と兄トニー(ジェイミー・ドラヴェン)、そして、認知症気味の祖母(ジーン・ヘイウッド)とで暮らしていました。

 

ボクシング教室に通っていたビリーは、気乗りしない練習に飽きています。

そんなビリーは、隣のスペースで行なわれているバレエ教室に興味を持ち、サンドラ・ウィルキンソン(ジュリー・ウォルターズ)の許可を得て、トウシューズを渡され女の子達と一緒にレッスンを受けました。

彼の母のフレッド・アステアが好きだった影響で、ダンスに興味があったビリーは、家族には秘密でバレエのレッスンを続け、移動図書館車から関連書籍を盗み、家でも熱心に練習をするのでした。

 



2)家族愛故に

そんな時ジャッキーは、ビリーがボクシングに通っていないことを知り、彼がバレエのレッスンを受けていたために家に連れ戻します。

ジャッキーは、男らしくないバレエをすることを許さないのですが、ビリーはそれが理解できず、父を罵倒して家を飛び出してしまいます。

サンドラの家を訪ねたビリーは、父には逆らえないという気持ちを伝えながら、一緒にレッスンする彼女の娘デビー(ニコラ・ブラックウェル)と親交を深めます。

サンドラは、ビリーの才能を認め、彼にロイヤル・バレエ学校を受けることを勧め、無料で個人レッスンをする約束をします。

個人レッスンの初日、ビリーは母親からの手紙をサンドラに見せます。

サンドラは、素晴らしい母親だったと言って感傷的になりますが、ビリーは淡々と母のことを語り、2人はレッスンを始めるのでした。

そんな時、トニーがトラブルを起こして逮捕されてしまい、父と警察に付き添ったビリーは、ロイヤル・バレエ学校のオーディションを受けられなくなってしまいました。

ビリーの家を訪ねたサンドラは、戻って来たジャッキーにに招かれ話をすることになります。

オーディションのことを知ったトニーは憤慨し、身勝手だと言ってサンドラを非難し、2人は罵り合いを始め、彼女はその場を去りました。


3)家族愛で

クリスマスに、親友マイケル・キャフリー(ステュアート・ウェルズ)と過ごしていたビリーは、女装や化粧が趣味の彼が、同性が好きだということも気にせずに、ホールに向かい踊り始めます。

それを知ったジャッキーが現れますが、ビリーは父親の前で全てを出し切り踊って見せました。

ジャッキーは何も語らず、ビリーに家に帰るよう指示した後に、サンドラの元に向かい、息子にオーディションを受けさせることを伝えます。

帰宅して、ベッドのビリーに寄り添ったジャッキーは、そこでも何も語らず息子を見つめるのでした。

その後、ビリーのために稼ぐしかなくなったジャッキーは、仕方なくスト破りをしてトニーを失望させました。

ジャッキーは、追いかけてきたトニーに、自分達は終わりだが、ビリーの才能とチャンスのために、犠牲になることを告げて、泣きながら理解を求めるのでした。

家にある小銭を集め、ジャッキーは妻の形見を質に入れ、何んとか費用を捻出して、ビリーと共にロンドンに向かいました。


4)家族愛の成就

ロイヤル・バレエ学校で、身体検査を受けたビリーは、緊張しながら実技の試験を受けます。

その結果に失望したビリーは、控室で、自分を気遣う少年を殴ってしまいます。審査員に呼ばれたジャッキーとビリーは、暴力を振るったことの注意を受け、サンドラからの推薦状を参考に質問され、後日の連絡で結果を知らせると知らされて、二人はその場を去ろうとします。

 

 

ドアの前で、呼び止められたビリーは、踊っている時の気持ちを聞かれて、踊り始めると全てを忘れ、体の変化を感じて火がつき、飛んでいるように思えると答えるのでした。

そして通知が届き、部屋に閉じこもり、結果を確認したビリーは、それを知りたがる家族に、泣きながら受かったことを伝えます。

 

 

仲間達にそれを伝えたジャッキーは、ストが終わり、組合員は仕事に戻ることを知らされます。

その後ビリーは、父ジャッキーと喜びを噛みしめるのでした。

ビリーは、サンドラにも報告に行きますが、彼女は多くを語らずに、自分の夢を実現するよう助言しました。

ダンサーになるのが夢だった祖母との別れを惜しみ、呼び止められたマイケルに軽いキスをしたビリーは、ジャッキーとトニーに見送られながら、バスでロンドンに向かいました。


5)エピローグ

十数年後に、マシュー・ボーン演出の「白鳥の湖」に出演するビリーを見るために、ジャッキーとトニーは劇場に駆けつけ、座席には成人したマイケルもいました。

そして、ビリー(アダム・クーパー)は、ジャッキーやトニーの見守る中、舞台で舞うのでした。

 



3.四方山話

1)評価

映画批評家によるレビューとして、Rotten Tomatoesによると、批評家の一致した見解は「『リトル・ダンサー』は笑いと涙の両方を呼び起こすことができる魅力的な映画である。」でした、

Metacriticによれば、34件の評論のうち、高評価は28件、賛否混在は5件、低評価は1件で、平均点は100点満点中74点となっています。

 

2)受賞歴

英国アカデミー賞
 主演男優賞(ジェイミー・ベル
 助演女優賞ジュリー・ウォルターズ
 英国作品賞
放送映画批評家協会賞
 子役賞(ジェイミー・ベル
日本アカデミー賞
 外国語映画賞
エディンバラ国際映画祭
 観客賞


3)主人公ビリー役のジェイミー・ベル

イギリスのダラム州ビリングハム出身。ジェイミーが生まれる前に両親は離婚しています。母・祖母・叔母・姉妹はダンサー。その影響により6歳でバレエを始め、9歳の時に演技を学び始めました。

2000年に本作において、約2000人の中から主人公ビリー・エリオット役に選ばれて映画デビューします。これにより、英国アカデミー賞 主演男優賞、英国インディペンデント映画賞新人俳優賞を受賞しました。

その後、イギリスだけでなく『父親たちの星条旗』等のハリウッドの大作にも出演するようになっています


4)サンドラ役のジュリー・ウォルターズ

ジュリー・ウォルターズは、イギリスの女優。ウェスト・ミッドランズバーミンガム出身で、マンチェスターで演技を学び、劇団に所属していました。

1983年に映画デビューし、同年公開の『リタと大学教授』でゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) 、英国アカデミー賞 主演女優賞を受賞しました。

また、同作でアカデミー主演女優賞にもノミネートされています。本作『リトル・ダンサー』でもアカデミー助演女優賞にノミネートされた。

ハリー・ポッターシリーズ』では『炎のゴブレット』以外モリー・ウィーズリー役を一貫して演じました。

1999年にイギリス王室から「OBE」、2008年には「CBE」、2017年には「DBE」の大英帝国勲章を受けています。


5)ビリーの父役ゲイリー・ルイス

学校を卒業した後に、道路清掃員や図書館などの仕事を経験しました。 その後、グラスゴー工科大学で社会科学の学位を取得します。 高校の英語教師に勧められて読書に励み、最終的には俳優としてのキャリアを歩むことを決意します。 その後、様々な仕事をしながらアマチュアの俳優として舞台に立っていましたが、30代になってプロの俳優となりました。

本作で主人公の父親を演じ、第54回英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど、高い評価を得ます。また、その彼の演技に感動したマーティン・スコセッシ監督が自身の2002年の映画『ギャング・オブ・ニューヨーク』への起用を決めました。


4.まとめ

バレエの道に進むのは反対の父、兄と最初から協力的な祖母や親友。そして、道を示してくれる先生と、よくある分かりやすい相関図で、悔しいけれど、思惑通りに導かれる結末は王道の青春感動ドラマでした。

 

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