映画『キングダム』中国古代の史劇ロマン、原作ファンも満足します!!

この映画『キングダム』は、原作、原泰久による漫画『キングダム』で、監督佐藤信介、主演山﨑賢人、共演吉沢亮によって2019年に公開されました。

目次

 

1.紹介

2018年4月にコミックス第50巻達成を記念して実写映画化され、連載10周年記念動画で信役を務めた山﨑賢人が主演になりました。1年にわたる脚本会議には作者の原泰久も参加して、「納得の脚本」と太鼓判を押しました。

2020年の第43回日本アカデミー賞では、以下のように受賞し、他数々の映画賞を受賞しています。
 最優秀助演男優賞吉沢亮
 最優秀助演女優賞長澤まさみ
 最優秀撮影賞「河津太郎」
 最優秀美術賞「斎藤岩男」
 優秀作品賞
 優秀監督賞「佐藤信介」
 優秀音楽賞「やまだ豊
 優秀録音賞「横野一氏工」
 優秀編集賞「今井剛」

2020年5月29日、日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』で地上波初放送され。同日朝の情報番組『ZIP!』で続編の制作が発表されています。


2.ストーリー

1)プロローグ

紀元前3世紀の古代中国、世は戦乱の春秋戦国時代です。戦争孤児となった少年信(山﨑賢人)は、下僕として買われた家で同い歳くらいの少年漂(吉沢亮)と出会います。2人は下僕でありながら天下の大将軍を夢見て剣術の稽古に励んでいました。


2)二人の岐路

そんな時、たまたま2人の稽古を見た王都の文官である昌文君(髙嶋政宏)が、漂を買いたいと申し出てくます。漂は信を置いて王都に行くことを悩みますが信に背中を押され、王都に向かうことを決意しました。

 

 

漂が居なくなった後も信は大将軍を夢見て1人で剣術の稽古に励みます。漂がいなくなってからしばらく経ったある日の晩、信がいつも通り納屋で眠りにつこうとしていると、漂の声が聞こえて来ました。

寝床の扉を開けるとそこには血塗れの漂が倒れ込んでいました。瀕死の漂を見てパニックになってしまう信でしたが、漂は落ち着いた様子で信にある場所が記されている地図を託し息絶えました。

夢半ばで敗れた漂を救うことができなかった信は、悔しさに涙するも、漂が最後に託した地図の場所へと走っていくのでした。


3)新たな出会い

地図に記されている場所に向かう道中、信は盗賊に襲われますが幼い頃より漂と共に剣術の稽古に励んでいた信にとって、盗賊を蹴散らすなど容易いことでした。その様子を見ていた河了貂(橋本環奈)は、密かに信について行きます。信は地図に記されている場所にひたすら走り続けました。

そして目的地に到着するとそこには薄汚い納屋がありました。そこで信を待っていたのは漂に瓜二つの少年でした。長い時を共に過ごした信でさえ漂と見間違えるほどそっくりの見た目をしていす。

その少年は自らを秦の皇帝嬴政と名乗り、王弟成蟜(本郷奏多)の叛逆により追われている身であることを話します。また、信は漂がこの政の替玉として殺されたことを知り、政に対して敵意を剥き出しにしました。

そこに政の首を取りに来た刺客が現れる。この刺客を政と共に返り討ちにすることに成功した信は、漂と大将軍になると誓った約束のために政に付いて行こうと決意します。

そこに先ほどから隠れていた河了貂が現れ、安全に通れる道を案内してもらうことになって、河了貂も行動を共にすることとなりました。


4.政の過去

政の偉そうな態度や、身代わりになった漂のことを考えると信は、やはり納得できません。しかしながら、漂は自ら身代わりになることを誇りに思っていたという話を聞き、政に付いて行くと決意を新たにしました。

昌文君との合流地点まで3人で移動する間またもや刺客に襲われますが、信がこの刺客を返り討ちにします。しかしながら、その際に、信は毒を受けて動けなくなってしまいます。動けなくなった信を政は背負って歩き始めました。

その後、3人は昔の王国の楼閣で昌文君と合流することに成功します。そこで信は、政の母親が平民の舞子であり、それにより成蟜にクーデターを起こされたことや、13歳という若さで王位についた過酷さなどを聞きました。
また、王宮から脱出する際、漂が自ら影武者となり囮となった姿が逞しく本物の王のようであったという話を聞き、信は最後まで立派に戦った漂の行動に感銘を受けました。

 



5)山の民との復縁

王都の奪還のためには圧倒的に戦力が足りないことを知っていた政は、かつて秦と交流があった山の民に助けを求めると決めました。

しかしながら、昔秦が山の民を迫害していた事実があるので危険であると昌文君や壁は考えていました。山の民に会いに山に入った一同でしたが、山の民に捕まり山の王楊端和(長澤まさみ)と対面することになります。

政は楊端和に過去の過ちを謝罪しましたが山の民は聞く耳を持たず、政は首をはねられそうになります。しかし、信は熱く説得し、信の言葉に胸を打たれた楊端和は仮面を取りました。

それは美しい女性でした。楊端和はそのカリスマ性と武力で恐れられている女帝であったのです。これにより山の民は味方となり、王都に奪還に向け政と信達は動き出しました。


6)攻防

秦の王都咸陽は大国秦の王都だけあって難攻不落の都です。楊端和率いる山の民は秦に和睦を申し入れるという形で堂々正面からと入り込みます。

政を追い詰めるのに後一歩及ばない成蟜は山の民の加勢は、願ったり叶ったりであったので疑うことなく咸陽に招き入れてしまいます。山の民の中に仮面をつけた政が紛れ込んでいるとは知る由もありませんでした。

 

 

咸陽の奥深くまで堂々と入り込んだ山の民と政達は、そこで正体を表し戦いが始まります。一方その頃、信と壁(満島真之介)達別働隊は、抜け道を使い成蟜のいる玉座の間へと急ぎます。

その道中様々な敵に襲われるも、なんとか玉座の間に到着します。そこで最後の敵も倒した信たちは成蟜を追い詰め、追い詰められた成蟜は逃げ出してしまいました。


7)王騎現る

その頃、山の王と政達は広間で戦っていましたが、多勢に無勢の状況で苦戦を強いられています。そこに天下の大将軍である王騎(大沢たかお)が、軍を連れてなだれ込んできました。

どちらの味方なのかわからない王騎軍の進軍に戸惑う政達であったが、王騎将軍は政に目指している王について尋ねます。その問いに政は迷うことなく「中華の唯一王」と答え、その答えを聞いた王騎将軍は満足気に微笑み反乱軍を瞬く間に鎮圧するのでした。

 



8)エピローグ

そこに逃げ出した成蟜が現れますがもう誰も味方はおらず、政に殴り倒され完全にクーデターは鎮圧され完全勝利を収めました。

信は、漂との天下の大将軍になるという約束を果たすため、これからも政についていくと決めたのでした。

 


3.四方山話

1)時代背景

紀元前3世紀、500年の争乱が続く古代中国の春秋戦国時代(紀元前770年~紀元前221年)末期における、戦国七雄の戦争を背景としています。

「中華統一」を目指した後の始皇帝・第31代秦王・嬴政と、その元で「天下の大将軍」を目指す主人公・信の活躍を中心に描いています。


2)信

信こと李信(生没年不詳)は、中国の戦国時代末期の秦国の将軍で、字は有成。秦王政(後の始皇帝)に仕え、諸国の統一に貢献しました。

史記』白起・王翦列伝および刺客列伝において、その事績が記されていて、李信は「年が若く、勇壮であった」と記されています。

また、対楚戦の失敗後も粛清されず、また子孫が残っていることからも、秦王政より一応の信用は得ていたと考えられます。

現在では司馬遷の『史記』以外の史料はほぼ散逸しいて、李信の事跡には不明な点が多く、『史記』で李信個人の列伝は立てられていませんが、白起・王翦列伝や刺客列伝などでその事跡を窺うことができます。


3)政

政こと嬴政は、後の始皇帝(紀元前259年2月18日 - 紀元前210年9月10日)で、中国の初代皇帝(在位:紀元前221年 - 紀元前210年)です。

古代中国の戦国時代の秦の第31代君主(在位:紀元前247年 - 紀元前210年)で、6代目の王(在位:紀元前247年 - 紀元前221年)となります。

秦王に即位した後、勢力を拡大し他の諸国を次々と攻め滅ぼして、紀元前221年に中国史上初めて天下統一を果たしました。統一後、王の称号から歴史上最初となる新たな称号「皇帝」に改め、その始めとして「始皇帝」と号しました。

統一後に何度か各地を旅して長距離を廻ることもしており、紀元前210年に旅の途中で49歳で急死するまで、秦に君臨しました。


4)王齮将軍

王 齮(? - 紀元前244年)は、中国戦国時代末期の秦の将軍で、同じ秦の将軍、王齕との同一人物説があります。

秦王政元年(紀元前246年)、秦王政が即位すると、蒙驁・麃公らと共に将軍に任じられるました。

なお、『史記』「秦本紀」に登場し長平の戦いなどで活躍した将軍王齕は「秦始皇本紀」では一切触れられず、逆に「秦始皇本紀」で初めて現れる王齮は「秦本紀」には登場しません。

遅くとも南朝宋時代には王齕と同一人物である可能性が論じられており、裴駰の『史記集解』は徐広の説を引いて、「齮」字について「一に齕に作る」と述べています。


5)楊端和

楊 端和(生没年不詳)は、中国戦国時代の秦の将軍で、秦王政(後の始皇帝)に仕えました。

本作中の楊端和は容姿端麗で気の強い女性で、秦国の後背に位置する山岳地帯に割拠する数多の山の民である異民族を己が武力と魅力で統一した女王でもあり、秦王政の同盟者として描かれていますが、史書では異民族とも華夏族とも断定されておらず、男性であります。

 



4.まとめ

本作は、原作ファンでも満足できる内容になっていて、登場人物の再現性が高く、特に吉沢亮演じる政はぴったりと役がハマっています。

また、この映画は漫画の単行本で言うと、最初の5巻程度とまだまだ序章に過ぎない部分のみで構成されていて、詰め込み過ぎないことで、よく映画にありがちな急展開もありません。

完成度も高く、原作ファンも原作を知らない人も楽しめる内容になっているばかりでなく続編を期待させます。

 

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