映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ゲイリー・オールドマンのアカデミー賞受賞作です!!

この映画、ゲイリー・オールドマンウィンストン・チャーチルを演じた2017年のイギリス映画です。プレミア上映は2017年9月に第42回トロント国際映画祭で行われ、アメリカ合衆国では2017年11月22日、イギリスでは2018年1月12日に公開されました。何か、満を持して公開したという感じがします。

 

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何といってもイギリスをヒットラーの侵略から救った英雄のお話がイギリス発信の映画となれば下手なこともできないし、力も入るのも当然です。そこで、ゲイリー・オールドマンの登場です。

 

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シドアンドナンシー』(1986年)のシド・ヴィシャス
JFK』(1991年)の犯人オズワルド
『ドラキュラ』(1992年)のドラキュラ伯爵。
トゥルー・ロマンス』(1993年)のポン引き。
『レオン』(1994年)のスタンフィールド捜査官。
フィフス・エレメント』(1997年)のへんな髪型のやつ。
ザ・ウォーカー』(2010年)のカーネギー

などなど、エキセントリックというか変わった役柄を演じるのが特徴的で、とんでもなくブチギレたり壮絶な死に方をしたりなど、超個性的な役をやってはそのどれもが彼でしかできないように思わせてしまうほどカッコ良いのです。

    

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であるからして、同業者の間で人気の高い俳優としても知られていて、ゲイリー・オールドマンの影響を受けたと公言する俳優にブラッド・ピットダニエル・ラドクリフシャイア・ラブーフクリスチャン・ベールジョセフ・ゴードン=レヴィットジョニー・デップクリス・パインジェイソン・アイザックスライアン・ゴズリングなど、錚々たるビッグスターが手を挙げています。特にブラッド・ピットは彼を「GOD」(神)とまで讃えています。

 

近年は、バットマン3部作の『バットマン ビギンズ』(2005年)、『ダークナイト』(2008年)、『ダークナイト ライジング』(2012年)あたりで正義の味方の良いおじさんになってきましたが、器用を通り超してどんな役でも見事に演じてしまうので、難しい役を当てられて来たのでしょうね。

本人は役柄とは対照的に謙虚で子煩悩な性格で、悪役のイメージが付きまとっている事に悩んだ時期があって、自分の子供に出演作を見せられないことを気に病んだこともあったそうです。

そこで、自ら志願して家族向け映画『ロスト・イン・スペース』(1998年)に出演した際に、子供から「パパの気持ちは嬉しいけれど、あんな駄作に出ちゃダメだよ」と諭されたというエピソードがあるみたいです。『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004年)出演以降から主人公を支えるサブキャラクターを演じることが多くなってきました。


そして、ついにこの作品で念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。『裏切りのサーカス』でノミネートされていたものの、長いキャリアで一度しかノミネートされなかったのがウソみたいで、主演男優賞はともかく助演ではいくらもいい作品があったはずですが、アカデミー賞となるとダークサイドの好演ではそれも難しかったのかも知れません。

 

 

そして本作のキャスティングは、
1)チャーチルを支える妻クレメンティーンはクリスティン・スコット・トーマス。『イングリッシュ・ペイシェント』『フォー・ウェディング』が代表作の演技派女優。

 

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2)秘書エリザベス役は、『ベイビー・ドライバー』『シンデレラ』と話題作に出続けるリリー・ジェームズ

 

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3)国王ジョージ6世にベン・メンデルスゾーン(『名もなき塀の中の王』)。

 

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4)政敵ハリファックス子爵に スティーヴン・ディレイン(『ゼロ・ダーク・サーティ』他)。

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と多士済々です。

 

ゲイリー・オールドマンは、この作品での演技が認められ、ゴールデン・グローブ賞のドラマ部門の主演男優賞を受賞したとき、次のようにコメントしました。

ウィンストン・チャーチルは「自分の好みはとても簡単だ。最高のものさえあててくれれば満足する」と言いましたが、クリスティン・スコット・トーマスリリー・ジェームズベン・メンデルソーンをはじめ、私は最高な人々に囲まれました。素晴らしいメイクアップチームにも感謝します。あなたの芸術は誰にも真似するができません

このとき同じくアカデミー賞のメイクアップ賞を受賞した辻一弘は映画界を引退していて、現代彫刻家として活動に専念していた辻ですが、あるときゲイリー・オールドマンから「引き受けてくれたら、私は映画に出演する。」と直接オファーが届きました。

辻は、ゲイリーにノーとは言えず、彼は特殊メイクの重要性をしっかり理解してくれていることを知っていたからです。覚悟を決めて映画の特殊メイクに再び関わることになり、その後、フィッティング、彫刻、装着、調整、等開発と試作に6ヶ月が費やして撮影に臨んだそうです。

 

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このように世紀の偉人「ウィンストン・チャーチル」を就任から1ヶ月弱の短期間をドラマチックに描いてますが、次の様な史実にはないエピソードがありました。

 

イタリアがあの時期に講和の仲介をした。
チャーチルが地下鉄で市民の意見をきいた。
秘書のエリザベスの兄がダンケルクで戦死した。

 

など、ストーリー上重要なエピソードなのですが、公爵家の出自で若くから政治家になったチャーチルが地下鉄にのって市民と接したというところから、そんなことがあるはずがないのではとの疑問を抱き、個人的には、実在の人物を取り上げた歴史上の物語であるのに明らかに史実にはないエピソードを入れているのに納得がいきませんでした。

 

しかしながら、ゲイリー・オールドマンを頂点として芸達者たちが競って作り上げた映画としてみれば、本作は実に見ごたえのある映画であることに間違いはありません。

 

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