映画『エンド・オブ・ホワイトハウス』同時期のホワイトハウス陥落もの2本の1本です?!

 

この映画『エンド・オブ・ホワイトハウス』(原題: Olympus Has Fallen)は、2013年3月22日公開のアメリカ合衆国のアクション映画で。監督が。アントワーン・フークアで、ジェラルド・バトラー主演で他アーロン・エッカートモーガン・フリーマンが出演しています。

目次

  

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1.プロローグ

アメリカの主要都市にテロ集団の飛行機が飛来メモリアルな建物を攻撃破壊するというと、まず、2001年9月11日の同時多発テロ事件が思い浮かびますが、この映画の舞台はワシントンD.Cのホワイトハウスで、なんとホワイトハウスがテロ集団に占拠され、大統領が人質として拉致されるというものです。

 

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折しも、北朝鮮の建国の父、金日成の生誕101周年となる4月15日を軸として、北朝鮮の実権を握った3代目金正恩が、ミサイルを発射する可能性や南北の武力による「聖戦統一」に走るのではないか、という可能性が強まり、韓国、日本そして米国はこれに大きく反応した時期でした。


2.考察

アメリカウォッチャーにとって絶対に見逃せない映画というものがあって、その条件の一つが、同時期にそっくりな映画が公開されるのですが、もう1本、同年6月に公開された『ホワイトハウス・ダウン』というのがあります。ホワイトハウスがテロリストの攻撃を受け陥落するストーリーが全く同じです。

こういう映画は天下のハリウッド2社の重役がそろって「こいつは面白い、今作るべきだ」と判断した企画だったり、きわめてタイムリーであったり、えらい人たちが広く人々に広めたい内容であることが多いみたいです。

そして、ひと月とたたない4月15日に、マサチューセッツ州ボストンで、第117回ボストンマラソンの競技中に爆弾テロ事件発生しています。

アメリカ本土が攻撃される」というのは、いまや絵空事とは笑っていられないリアリティをもって、映画化されるに足る題材なのでしょう。

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3.あらすじ

シークレット・サービスとしてアメリカ合衆国大統領一家の警護任務を帯びていたマイク・バニングジェラルド・バトラー)は、クリスマスの吹雪の中を走行する大統領専用車の護衛の任に就いていました。しかし不慮の事故によって、大統領夫人を死なせてします。

それから1年半後、夫人の命を守れなかった責任を一人で抱え、バニングは自ら現場任務から退いて、財務省でのデスクワークへと異動していました。
アメリカ独立記念日の翌日の7月5日、韓国の首相が渡米し、ホワイトハウスに訪問している最中、国籍不明のAC-130がワシントンD.C.上空に侵入してきました。ホワイトハウス上空から退去するよう警告を行なった警戒飛行中の2機のF-22が突然ガトリング砲で撃墜され、さらにホワイトハウス周辺に無差別射撃を行いました。合衆国大統領ベンジャミン・アッシャー(アーロン・エッカート)は地下にあるバンカーへ韓国首相と共に避難しました。

 

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AC-130はホワイトハウスにも攻撃を仕掛けますが、緊急発進してきたF-22により撃墜されます。次いで、観光客に紛れていたテロリストの自爆攻撃により門が破壊され、正体不明の武装テロ集団がホワイトハウスを襲撃しました。オフィスから駆け付けたバニングを含むシークレットサービス達は応戦するものの、巧妙に計画された奇襲攻撃と相手の圧倒的な火力の前に一人また一人と倒れていきます。バニングは成す術もなくホワイトハウス内への一時退避を余儀なくされました。

 

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その頃、大統領は各所に指示を出していましたが、テロリストと内通していた韓国首相の警護チームがバンカー内を制圧。「鉄壁の要塞」と謳われたホワイトハウスは完全に占拠されてしまいました。彼らは大統領を人質に取り、更に見せしめとして韓国首相を殺害。加えて日本海周辺に展開する第7艦隊と在韓米軍の撤退を要求しました。

未曾有の事態に全米が震撼する中、ペンタゴンホワイトハウス内から緊急連絡が入ります。それはあのホワイトハウスの異変気付きいち早くホワイトハウスに駆け付けたバニングからでした。高度に訓練されたテログループに制圧されて、一人生き残ったバニングは、ペンタゴンから大統領とその令息コナーの救出命令を受け、互いに情報交換を行い、『ダイ・ハード』のジョン・マクレーンばりに武装テロ集団に反撃を開始します。しかし、グループのリーダー・カンの狙いは軍の撤退だけではありませんでした。

 

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4.エピローグ

このテロ事件が無事に収束したあと大統領が演説します。

我々の信念や自由を憎んでいました。しかしその陰謀は失敗に終わり、反対に思わぬ贈り物を残してくれました。生まれ変わるチャンスです。新たな気持ちで、前より強く立ち上がるのです。今こそこの国が良き時代のアメリカに戻るチャンスなのです。建国された時の威厳と誠実と名誉を規範としてこの国を導きこの国を立て直します。

この映画の言いたいことはいうまでもなく強いアメリカ、正義のアメリカと言う集団安全保障的論調でなのです。しかしながら、こういうあからさまな主張はいまどき流行らないし、もう効果も少ないでしょうし。これを見てもそんな風に素直に共感するのはネットでの真実を信奉する子供たちだけでしょう。

世界はそう単純ではなく、圧倒的パワーを持つアメリカは、むしろいまどきは悪役向きのキャラなので、無理して正義の味方にすればどうしたって不自然さが残ります。

それを消すため、この映画の中でも様々な工夫が行われていて、たとえば大統領の子供を出してきて泣かせてみたり、ガンシップがわざわざハウス周辺の民間人を大虐殺してみたり、といったシーンがそれにあたります。

そんな時間と弾の浪費をするより一直線にハウスを襲撃したほうがいいのに、なぜそんな場面を挿入したかといえば、世界の多くの観客にとって、この二つの要素がなければテロリストのほうがヒーローに見えてしまうからに他ありません。その痛々しさが、失笑を誘ってしまいます。

逆に言えば、この2点とラストを編集してしまえば、この映画はそのまんまイスラムや反米国家向きバージョンを作ることができてしまい、それはきっと、さぞ爽快なアクション映画になるかも知れませんね。

 

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5.まとめ

とりあげました『ホワイトハウス・ダウン』との比較において、オーストラリア映画批評家サークルのアンドリュー・チャンは、

「映画で誰かが撃たれたり爆撃された時、私が笑う理由が喜びからなのか悲しみからかのかは私にも分かりません。しかし、これが映画の技法なのです。そのため、私は『エンド・オブ・ホワイトハウス』よりもこちら(注、ホワイトハウス・ダウン)が好きです」

と批評されてしまいました。どうも、最後の大統領演説が余計だったようです。

 

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