パイナップル ARMY 世界に誇るハードボイルドコミックスです!!

 

 

日本のハードボイルド小説・冒険小説の黎明期(1980年頃)に呼応するように現れた(1988年連載開始)ハードボイルドなコミックスです。

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小学館文庫第1巻の巻末に新宿鮫シリーズの直木賞作家大沢在昌のエッセイで、この稀有なハードボイルドコミックスのすべてを言い尽くしています。

「負けた、とまず感想を述べておこう。(中略)わずか二十四頁である。そこに過不足なく描きこまれた男の物語は、読者である私の胸を熱くさせた。」
「(中略)彼の(主人公・ジェド豪士)スピリットは、ハードボイルドのそれである。傍観者であることを望む。戦闘の方法をレクチャーするが、決して自分自身は加わらない、というルールにこだわりつづける。しかし、ふりかかる火の粉を払うのはいとわない。」


最終回、倒壊するビルで豪士が助かったのかどうか、またジャネットとの関係がどうなったか、などは明記されません。

ただ、民間企業CMAがインストラクターの依頼電話にジェド・豪士を紹介するシーンで、彼が無事だったことだけが知らされます。

その依頼は4人姉妹がプロの殺し屋と戦うというもので、これが『パイナップルARMY』第1話の設定につながります。

ここでストーリーはループを描き、全編を覆う渇いた苦味のテイストで永遠に巡ることになります。

 

ごく一部となりますが、作中印象に残った言葉をあげます。もちろん言葉はなく情景が物語っているところが、あちこちそこいら中に散りばめられているのは言うまでもありませんが・・・・・。

 

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第1巻第5話 5人の軍隊後編:

「世界を確実に破滅させる核兵器のボタンを・・・ ・・・押せるガッツのある奴が、軍人以外にいると思うか!!」

第2巻第1話 白の追跡者:

「戦場で自分を見つけた奴は、どうしてもベッドでは死ねんのだ・・・。戦場から戦場へ、戦いから戦いへ・・・。戦いの中にこそ自分があると確信するようになってしまう。」

第4巻第2話 サイレント・マグナム:

「生きるということは・・・ただ単に生きのびるってことじゃない、誰かを信じていきていくことだ・・・」

第4巻第4話 グリフォンの罠:

「本物の誘拐犯は俺みたいに手ェ抜いてくれない、それをあのチビに、よく言っといた方がいいぜ。」

第4巻第9話 ロンリー・ソルジャー:

「私は40年軍隊にいたが、私が勝った戦いと言えばこのヨーロッパだけなんだ。朝鮮では勝ったか負けたかわからず、ベトナムではアメリカの傲慢さを思い知らされて大負け・・・」

第5巻第7話 キング オブ ザ・ロード中編:

「この男は、死の瀬戸際にあっても迷いがない・・・。中国ではこういう人物を”道(タオ)に君臨する者”と呼びます。」

 

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第5巻8話 泣く男:

「戦場でおびえたことを、恥じることは決してないと・・・恥ずべきは、人間の尊厳を根こそぎ奪い取る、戦争や社会体制なのだ・・・」

第6巻第1話 エレンの憂鬱:

「彼は人間が見なくてもいいものを、見てしまった・・・」

第6巻第3話 ラストオーダー:

「いや・・・今日はいい日だった。ラストオーダーは私のおごりです。」

第6巻第6話 暗い日曜日

「だから俺は雪が好きだ・・・。1964年フロリダに降った雪を、俺は一生忘れない・・・」

 

 

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