映画『フライト・オブ・フェニックス』か?『飛べ!フェニックス』か?!

 

 

1964年にエルストン・トレヴァーが発表した同名小説を原作として、『飛べ!フェニックス』が1965年に公開され、2004年に『フライト・オブ・フェニックス』としてリメイクされました。

 

飛行機好きの心をくすぐる映画です。取り上げられたのが、「フェアチャイルド C-119 フライング・ボックスカー」で、双発・双胴の輸送機で、第二次世界大戦アメリカ空軍戦闘機のロッキードP-38ライトニングと同じ形状の機体でどちらかというとゲテモノ寄りの飛行機です。

 

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そこで、この映画の一方の主人公「C-119」輸送機ですが、この飛行機の特徴がこの映画の前提をつくっていて、この飛行機でないとこの物語が成立しません。双発・双胴であることが大前提なのです。胴体後部を解放して荷物の積み下ろしの効率をよくするためにこの形態をとったものですが、ちなみに、本家の『飛べ!フェニックス』では、「C-119」の原型である「C-82」が使われていました。

 

これが、飛んでいて、落ちて、作り変えて、また飛ばす、飛行機好きにはたまらない展開となるわけです。

 

さて、物語の方は、7月のある日、モンゴルのゴビ砂漠での石油探掘作業場を閉鎖したスタッフと試掘機材や廃材を乗せた輸送機「C-119」が巨大な砂嵐に遭遇し、無線と片方のエンジンを破損して砂漠のど真ん中に不時着してしまいます。

 

この事故から生き残ったのは機長のフランク(デニス・クエイド)ら10人。容赦ない陽差しが照りつける中、やがて彼らは、この状況では捜索隊による救出が望み薄であることを悟ります。

 

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食料も水もほとんどなく、窮地に立たされていく生存者たち。そんな時、生存者の一人エリオット(ジョバンニ・リビシ)が飛行機の設計者で不時着した輸送機を調べ、みんなの協力があれば機体の残骸から新しい飛行機を造ることができると提案するのでした。

 

フランクをはじめ、ほとんどの生存者はその提案に反対します。ただ何もしないで、限られた水と食料を温存し体力を消耗せずに救出されるのを待つか、水・食料を消費するリスクを冒しても飛行機を飛べるようにして積極的に脱出を図るかとなります。

 

過酷な砂漠の環境に仲間は絶望し飛行機を離れて死ぬものもでてきます。積極策派のデイヴィス(ジャレッド・パダレッキ)は一人飛行機を離れ脱出を試みますが、追いかけてきたフランクに懇願します。

 

デ「人間なんて、かないもしない希望をいだいて一生それにしがみついて生きてるんだ、今、一番希望が必要なときだ」


フ「俺が夢や希望で一杯ってタイプの人間にみえるか」


デ「世の中に夢をみないパイロットがいるとはね」


フ「いいか、失敗するってわかりきっているのにやろうっていうわけにいかないんだ
結局は寿命を縮めるために毎日無駄骨を折ることになる」


デ「人間に一番必要なのは人を愛することだそれが無理ならせめて希望が欲しい、希望もないなら仕事を与えてくれ」

 

このやりとりが、この物語の葛藤のすべてで、結局フランクは同意し飛行機を再生することになります。

 

オリジナルの『飛べ!フェニックス』は、出演者には、主演の機長役がジェ-ムス・スチュアート、設計者がハ-ディ・クリューガー、他にリチャ-ド・アッテンボロー、ア-ネスト・ボーグナインと名優ぞろいで、監督がロバ-ト・アルトリッチとくれば、かなうものはありません。緊張感のある熱い男のドラマとなっていました。

 

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機体が完成した直後に知らされた驚愕の事実、エンジンをかける時のドキドキ感はオリジナルと全く同じやり方をしていましたが、リメイクなのだからいいのでしょう。

 

この『フライト・オブ・フェニックス』は、オリジナルの存在さえ知らなければ、ごく普通の冒険映画として楽しめますし、巨大砂嵐や不時着シーンなど、迫力あるシーンを観ることができ、オリジナルからは格段の映像技術の進歩を享受できることになります。