映画『ワールド・ウォーZ』スペクタクル・ゾンビ映画です!!

娘2人の4人家族がいつもの幸せな日常から映画は始まります。渋滞に巻き込まれたかと思うと、カーラジオからは、台湾で始まった狂犬病アウトブレイクが世界12ヶ国以上で猛威を振るっていると伝えている端からから、一気にパニックが始まります。

 

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いきなり唐突にゾンビが人を襲い始めますが、主人公のジェリー・レイン(ブラッド・ピット)が、引退したとは言え、もと国連の腕利きの調査員が何にも知らなかったほどの急激なパンデミックなのです。

 

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なにせ、噛まれるないなや、12秒で発病(?)しゾンビと化して人を襲い始ますからして、報道が追いつく暇がありません。ましてや調査なんぞに及ぶべくもありません。そこで、国連事務次長のティエリー(ファナ・モコエナ)は、名うての調査員であるジェリーに国連調査員に復帰し協力することを依頼します。こうして物語は単刀直入に佳境に入ってきます。

 

映画開始1分でイ朝食の背景でテレビがごこかの国で戒厳令が布かれたとの放送が流れています。そして映画開始2分でカーラジオがパンデミックを伝えるともうすでに一家はパニックに巻き込まれてしまいます。

ゾンビが人を襲うことの説明やこの状況をあるかないかの説明でどんどんストーリーは展開してゆきます。ゾンビ映画の歴史は古く1930年代のアメリカですでに始まっており、映画の一つのジャンルといっても過言ではありません。したがって、死体が動こうが、人を襲いかぶりつこうが、観客はなんの抵抗もなくゾンビ映画としてストーリーに入りこめるわけです。

 

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まあ、それはさておいて映画の内容は、とりあえず序盤はかのごとく目まぐるしいほどの展開で、ゾンビは、バスや自動車を次々になぎ倒し、高い壁をよじ登り、狭い通路を雪崩が津波のように押し寄せてきます。そして、飛行中の旅客機の中で暴れ回やら、こんなゾンビ見たことありません。まさにゾンビファンが垂涎しそうな映像が炸裂します。

ゾンビが走ること自体は、もう珍しくなくなりましたが、本作はそのスピードと物量がハンパではありません。凄まじい勢いで迫ってくる大量のゾンビ軍団を、壮大なスケールで映像化した天変地異のごとくに凄い迫力のアクションシーンが圧倒的で斬新でした。

 

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また、従来のゾンビ映画には見られなかった広大なロケーションで、かつ、ストーリーも非常にテンポ良く進み、アパート → 空母 → 韓国 → イスラエル→イギリスと原因究明のためにジェリーは世界各国を飛び回るワールドワイドな活躍ぶりをみせてくれます。

行く先々でゾンビに襲われるジェリーは、超絶的な判断力と信じ難いような幸運でピンチを切り抜け、徐々にゾンビ発生の真相に迫っていきます。しかし残された時間はもうありません。果たして人類滅亡は回避できるのか?そのハラハラドキドキ感が抜群に面白く、これぞ「サバイバル・ホラー」の真骨頂です。

 

ちょっと感心したのは、序盤にジェリーがアパートでゾンビに追いかけられて屋上に上がる時に、ゾンビの血が口に入って感染が疑われたとき、屋上のへりに立ち、12秒数えて感染していないことを確かめたところです。もし感染していたなら飛び降りるつもりだったのでしょう。

中盤では、崩壊しつつあるイスラエルからイギリスのウェールズに向かう機中で紛れ込んでいたゾンビが暴れ出し収拾がつかなくなってしまい、手榴弾を爆発させ機体に穴を開けてゾンビを機外に吐き出したことでした。ご都合的とはいえ、これぐらいでないと他のアクションにつり合いません。

 

とは言うものの、後半になるとなぜか急激にショボいステージになってきます。ほんと、前半で予算を使い果たしてしまったのでしょうか?。序盤の凄まじい勢いから一転して、初期の『バイオハザード』を思わせるような古臭いシチュエーションで少数のゾンビがウロウロと徘徊している不気味な建物内を、主人公達が恐る恐る進でいくという、定番の展開に少しく拍子抜けてしまいます。

 

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これはこれである意味「正統派ゾンビホラー」と言えなくもないですが、前半であれだけ派手なシーンを見せられたら、この落差に戸惑ってしまいます。欲を言うならこの盛り下がりと前半の盛り上がりが入れ替わっていれば、満足度は文句の着けようがないのですが。

 

結局、ゾンビになる原因は最後まで明らかにならなかったようですが、解決策は単に対抗ワクチンではなく、ゾンビが忌諱する生物になるワクチンでゾンビの攻撃対象でなくなるという、つまりある種のウィルスは宿主が死ぬような病気をもった物には伝染しない性質があることを逆手にとるというこれまでにない解決策が興味深いものとなりました。

 

しかしながら、実はこの映画の後半、飛行機が墜落した後の展開は、モスクワの「赤の広場」で国連軍とゾンビ軍団が壮絶な死闘を繰り広げる凄まじいバトルシーンになるはずだったのですが、実際にブダペストでロケ撮影までしたのに、完成したフィルムを見たらあまりにも凄まじすぎ、レーティング対策として残虐なシーンを可能な限りカットしたようですが、映画会社側の思惑から、ロシアでの戦闘を描くと主人公のキャラクターにブレが出る、ラストは家族愛を強調するような終わり方にしたい、ということで、最終的には全面カットを余儀なくされたみたいです。

 

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この様な事情で仕方なくシナリオを変更しましたが、追加撮影をイギリスで行うことになったものの、既に前半の場面で予算の大部分を使い果たしていたため、撮り直しの費用がほとんど残っていませんでした。

そこで追加の製作費を出してくれたのが、どうやら飲料メーカーのペプシだったらしく、ジェリーがゾンビ対策に成功し、皆のところに戻る途中で自販機をぶち壊してペプシをゾンビの前でドヤ顔で飲むシーンがちょっとした違和感で差し込まれているのはそのためかも知れません。

 

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他にも、色々突っ込み所も多い映画ではありますが、観終わってみても意外にマイナスのイメージは無く、「ん!」と言うほどストーリーが破綻しているわけでもありません。

前半と後半で大きく映画のテイストが違ってきたとはいえ、全体的にはちゃんとしたホラー映画になってるし、むしろ、従来は低予算向けのゾンビ映画でしかなかったのが、破格の製作費で作ろうとしたらこうなったということでしょう。そういう意味では見逃せない映画の一つと言えるかも知れません。

 

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